第2章 「活動の経過・参考資料」

2 地域生活移行啓発ビデオ制作

(1) 成果品

 ① 形体(画像) DVD仕様

 ② タイトル はじめてみませんか 地域のくらし ~ひとりじゃないよ~

 ③ 作成本数 600本


パッケージ表紙

※画像をクリックすると拡大画像がご覧になれます。

 

(2)シナリオ

DVD 「はじめてみませんか!地域のくらし ~ひとりじゃないよ~」 シナリオ

テロップ 時間 内容
グループホームでくらす
彩さん(仮名)
00:00

<NA>
はつらつとした笑顔の彩さん。
彩さんは、「地域で生活したい」という気持ちと、たくさんの人たちの応援で 今、グループホームでくらしています。

不安でいっぱいだった彩さんが、どのようにして地域でくらしはじめたかをごらんください。

・タイトル 00:25 はじめてみませんか!地域のくらし
~ひとりじゃないよ~
  00:31 <NA>
ここは 入所施設です。
この施設からも、たくさんの人達が、グループホームや一人ぐらしなど地域で生活をはじめています。
地域生活体験ホーム 00:56 <NA>
ここでは、入所施設で生活する人が、地域と同じような生活を体験できます。
3 ヵ月から6 ヵ月の間、体験します。
今、体験している方にお話を聞いてみました。
生活体験をしている人 01:13 <体験者>
Q ここの生活はどうですか
「楽しい」
Q どこが楽しい?
「これから グループホームに でたりするから」
Q これからグループホームにでたいなと思って?
「はい そうです」
利用者説明会
「地域生活への移行について」
01:31 <NA>
この施設では、グループホームや地域の生活について説明会がひらかれます。今日は地域で暮らしている人から話を聞く会がひらかれています。
  01:46 <司会者>
「施設から 出て 地域でくらしたい
すごく 不安がある との声がきかれます
きょうは みなさんが 地域でくらしていくときにいっしょになって 応援してくれるいろんな方々からいろいろなお話を ききたいと 思います」
相談支援専門員 02:07 <相談支援専門員>
「地域生活の様子を みなさんに 少しでも紹介させてもらいたい と思っています」
ピアサポーター
なかまの人が
地域の生活のようすを
つたえます
02:16 <NA>
この人は、ピアサポーターです。
地域で生活している人が今の生活のことや、グループホームで暮らそうと決めた時の気持ちを伝えてくれています。
  02:49 みんなは、話を聞いて地域生活のイメージをふくらませたり、わからないことを質問したりできます。
<NA>
この施設で生活している彩さんも、会に参加しています。
彩さんは、地域で生活することはできないだろうかと、なんとなく思っています。
ピアサポーターの話を真剣に聞いています。

ピアサポーター

 

ピアサポーターからのメッセージ

03:12

03:24

03:33

04:06

04:35

<ピアサポーター>
Q いまは何人で 生活している?
「2 人です」
Q どんな人と住んでいる?
「にぎやかな人です」
Q グループホームで何か約束事は?
「あります」「遅くなるときは 連絡する」
「用事があって ご飯がいらないときは世話人さんに 連絡する」
「外泊するときは、前もって 連絡する」
Q グループホームでよかったことは?
「今まで できなかったことが できたり、すきなときに出かけることが できるようになったり、あと、オシャレが できるようになりました」

「いっしょにくらしている人、「いないとさびしいです」
「妹のように 思えるように なっていっています」
「いちど 遊びに来て ください」

  04:54 <NA>
話を聞いた彩さん。
「自分もしてみたい。」という気持ちがわいてきました。
「地域で、生活したい。」と思うようになった彩さん。
でも、どうしたらいいのかわかりません。
施設職員 05:10 <NA>
地域で生活したいと思うけれども、
本当にできるかなと不安でいっぱいの彩さん。
そんな気持ちを、思い切って施設の職員にうちあけました。

わたしの個別支援計画・個別支援会議

地域移行イメージ図

練習シート

個別支援計画表

相談支援専門員
困ったことがあるときや、サービスを利用したい時に、話をききいっしょに考えます

05:30

05:55

 

06:19

06:30

<NA>
施設の職員は、彩さんの地域で暮らしたいという気持ちと、不安だという気持ちをわかってくれました、それで、彩さんがこれからの生活を具体的にイメージできるように、冊子『わたしの個別支援計画・個別支援会議』をつかってみることにしました。
<NA>
この冊子は、
どこで住むのか… 誰と住むのか…
昼間は何をするのか… どのような手伝いが必要なのか…
何をして楽しむのか…、など
これからの生活について、自分で考えたり、思いを育てたりするためのワークブックです。

<NA>
地域で生活したいという希望を、
どのように実現していくのか話し合い、
「個別支援計画」に書いていきます。

<NA>
生活のイメージもできて、
グループホームで暮らしたい気持ちが強くなった彩さん。
そこで、施設職員と一緒に地域移行支援センターに行き、相談することにしました。
硬くなっていた彩さんですが、相談員が、丁寧に話を聞いてくれるので、少しずつ緊張がほぐれてきました。

  06:58 <本人>
「どんな人が 住んでるんかなってちょっと思ったり してます」
<相談支援専門員>
「やっぱり ルームメイトが 気になりますか」
相談支援専門員
宮﨑さん
07:10 <相談支援専門員>
「相談に 来られた方々の(地域生活への)いろんな不安を 取りのぞくことが大事」
個別支援会議
実際に計画をすすめていくための本人と支援者たちの話しあいです
相談支援専門員
彩さん
施設職員
市職員

07:22

07:38

<NA>
地域で生活しようと決心した彩さん。
この日は、彩さんの希望する地域生活を実現するために、「個別支援会議」が行われました。
<NA>
この会議では、彩さんが、わからないことや心配なことを伝え、市の担当者や支援センターの相談員といっしょに話し合います。

会議の最初に、彩さんは「地域で暮らしたい」こと、一人ぐらしか、グループホームかで迷っていることを伝えました。

  08:00 <相談支援専門員>
「彩さんの ケア計画検討表を、会議で 参考にしたいと思っています」
  08:12


08:21
<相談支援専門員>
「一人ぐらしの 希望についていろいろきいていることについて お話いただけますか」
<施設職員>
「(一人ぐらしを)したいしたいという 希望があっても簡単には いかないと いうことも 伝えているそれでも 本人の気持ちを 一番大事にしたい施設としては しっかりと 応援したいと 考えています」
 

08:43

 

09:03

09:08

<市職員>
「市の担当として 彩さんの希望を かなえられるように必要な情報を 提供したり 相談にものっていきたいと 思います」
<支援センター職員>
「何か ききたいことは?」
<彩さん>
「料理とかが できないのですが どうしたらいいでしょう」
<市職員>
「グループホームでは、世話人さんがいます。
食事などを 作ってもらえるし教えて もらいながら 自分で料理もできる
ひとりぐらしの 時に こまった時は、ホームヘルパ―サービスを 利用することも できます。」

 

  09:43 <相談支援専門員>
「昼間とか、どうですか 何か気になることとか不安なこととか ないですか」
 

09:48

 

10:00

<彩さん>
「昼間は 一人で いてるのは ちょっと さびしいからやっぱり 毎日どっかに 通いたいし 仲間の人といっしょに 活動もしたいと 思っています」
<相談支援専門員>
「地域の作業所とか 見学するのも いいかもしれませんね」
〈彩さん〉
いまのところ どんな仕事が あるかも わからないから将来的には はたらきたいと 思うけど
  10:17 <NA>
昼間通うところや、住むところについても話し合います。
グループホームの見学や、一人暮らしをしている人の話を聞くこともできることがわかり、たくさんの人が、協力してくれることがわかりました。
  10:40

<NA>
そこで彩さんは、
グループホームを、見学する事にしました。

その後、いろいろな体験をして、地域生活への思いを固めた彩さんは、半年後、グループホームでの 生活を はじめました。

グループホームでくらす
彩さん
11:00 〈彩さん〉
Q 地域生活をしたいと思ったきっかけは?
「友だちを増やしたいというのがありました」
「施設は 出会いが 少ないと 思うところもあって」
「門限とかも 厳しいし、グループホームやったらある程度 自由もきいて 少人数で生活できると思った」
  11:30 Q 地域生活への不安は?
「どんな風に まわりの人と かかわっていったらいいのか 不安はあった」
彩さんのグループホーム 11:40
11:45
<NA>
彩さんは、ルームメイトと暮らしながら、
昼は作業所で働き、好きなペットといっしょに地域生活をはじめました。
  12:04 <彩さん>
「グループホームに来て すきな生き物も かえるし 楽しい」
彩さん 12:14 <本人>
Q 料理はどうしている?
「料理は、世話人さんに 教えてもらって片付けとかも 世話人さんに 手伝ってもらう
できないところは やってもらっていっしょに できるところは いっしょにしてもらう」
 

12:37

 

12:54

Q.困ったことがあった時は?
「自分らで解決できるところは解決して それでアカンかったら 支援者のほうに話を持っていってどうしたらいいかな ということを 相談するようにしている」
Q.地域生活で楽しいことは?
「働きにいけたり いろんな活動に 参加できたりするところ」
Q 例えばどんなところ?
「絵画教室とか」
彩さんが描いた絵 13:10 「絵には あまり興味は なかった。グループホームにはいってから はじめたんです 自分にも 絵がかけるんやと」
サークル活動 13:23 <NA>
彩さんは、仲間たちとサークル活動をはじめました。
月に 2 度ほどのペースで行われるこのサークル。
最近は、日々の出来事で良かったことや、嫌だったことなどを話し合い、身近に起こった困ったことも、みんなで相談しています。
イベントや忘年会などのお楽しみ会も、みんなで話し合って、ひらいています。
彩さん 13:53 Q これから地域生活を目指す人たちへ
「施設を出て 一人ぐらしをしようか グループホームにしようか 迷っていても どちらにしろ自分が やりたいことを選んで最終的には 自分が 決めることやから どんなことでもチャレンジとか 経験をしていってほしい」
ガイドヘルプサービスを利用しています。

14:22

 

14:36

〈NA〉
ここで、地域で生活する時に利用できるところや、サービスの一部を紹介します。
地域には、生活を支援する人がいます。
〈NA〉
一人で外出や買い物ができないで困った時は、ガイドヘルプサービスを利用してみましょう。
就労移行・継続支援事業所


相談支援事業所


グループホーム

14:48

 

15:27

 

15:33

〈NA〉
地域には、生活を支援するところがあります。
〈NA〉
就労移行支援事業所、就労継続支援事業所は、仲間と一緒に働くところです。
〈NA〉
相談支援事業所には、相談員がいていっしょに考えます。
〈NA〉
グループホームは
生活するところで、世話人がいます。
 

15:48

 

16:02

<NA>
ところ変わって、この町にも地域生活を支援するところがあります。
<NA>
そして、この町で生活をはじめた人たちが暮らしています。

グループホームでくらす
山田さん

16:14

 

16:28

<NA>
普段から 仲良しで、生活を楽しんでいる3 人を、紹介します。
<NA>
最初に紹介するのは山田さん。
グループホームで暮らしはじめて8年のベテランです。
仕事を終えてリラックス。
ルームメイトと、楽しいひと時を過ごしています。
そして、グループホームで暮らしはじめてから趣味のミニカー集めを楽しんでいます。
 

16:57

17:07

17:16

17:20

<山田さん>
Q グループホームでの楽しみは?
「ミニカーとか バイクとか 集めるのが趣味」
「自由に できるようになった」
Q グループホームのいいところは?
「やっぱりグループホームは 施設と違って
すきに 時間も使えるし 部屋もあるし すきなことができる」
Q くらしを満喫している?
「満喫してますね」
Q グループホームにはいったときは?
「最初は グループホームで共同生活するのが不安やったけど 段々慣れてきたら 大丈夫になった」
グループホームでくらす
野村さん
17:33 <NA>
続いては山田さんの友人、野村さん。
野村さんも、グループホームで生活しています。
毎日、作業所まで自転車で通っています。
作業所では、パン作りを担当しています。
材料の量をはかって分けるなどの
大事な仕事をまかされています。
 

18:04

 

18:28

<野村さん>
Q 地域生活をはじめたきっかけは?
「こういうグループホームが あるから一回体験実習をしてみないか といわれた」
「最初は ちょっと 慣れへんかったけど」
「でも 今は グループホームの方が いいと思ってる」
Q グループホームにはいってよかったことは?
「僕としては施設におるときよりグループホームに はいってから 髪の毛を染めたことが 一番うれしかったですね」
結婚式 18:43 <NA>
平成19年、野村さんは結婚。
お相手は、中山さんです。
2 人は、クリスマスパーティーで出会いめでたくゴールイン。
結婚を機に、グループホームで、いっしょに 暮らしはじめました。
グループホームでくらす
中山さん
野村さん

19:03

 

19:37

<中山さん>
Q グループホームにはいってよかったことは?
「自分で 買い物とか 楽しんだり できること」
Q2 人で生活をして大変だったことは?
「けんかしたとき… その時に どうしたらいいんかなと思って 支援者に 電話して 泣きながら どうしたらいいんとか」
Q.2 人の生活は楽しい?
<野村さん>
「2 人の生活 まず 僕は 思うのはね最近やねんけど食事を してるときに テーブルの下にね 蚊取り線香をたいてるんですよ それが 鼻にはいって ちょっと 痛いくさいな と思って我慢して 食べてんねん」
 

20:03

 

20:33

「この人 はじめて 見たときは ヤセとった最近 ちょっと 太りだしたからジャガイモ 揚げたやつ 食べ過ぎて太ったんかな
それとも トーストを 焼いてきなこをかけて 黒砂糖をかけて 食べてるから 太りだしたんちゃうかな と思ってそれが ちょっと心配で…」
「体調面が」
Q 最近の生活は?
<中山さん>
「最近は ケンカしても 支援者に あまり頼らずにだいたい 自分たちで 解決して 何とか 仲よくしている」
  20:49 <NA>
これから地域生活を目指す人たちへ3 人からのメッセージです。

山田さん

 

野村さん

 

中山さん

20:56

 

21:09

 

21:21

<山田さん>
Q これから地域生活を目指す人たちへ
「これから 地域で くらしていくんやったら施設より グループホームに はいって すきなことにすきに時間を 使ってもいいかなと思う」
<野村さん>
「体験で 泊まって グループホームは こういうところだと 良さを わかってくれたらいい と思ってる」
<中山さん>
「やっぱり 地域で 普通に くらしていくのがあたりまえ だと思う」
 

21:30

 

21:41
21:45

21:53
21:58
22:04

<NA>
困った時はどうしたらいいんだろう。
病気になったらどうしよう。
いろんな心配はするけど、
自分で決めて、自分でやってみたい
仲間といっしょに、楽しいことをしたい。

あなたのまわりには、あなたといっしょに考え、
応援してくれる人たちが、たくさんいます。
ひとりじゃないですよ。

タイトル 22:09 <NA>
さぁ、あなたも、地域で暮らしてみませんか。
はじめてみませんか!地域のくらし
~ひとりじゃないよ~

障害福祉サービスでは、
共同生活を行う住まいとして
グループホームとケアホームがありますが、
このビデオでは、2つの名称を統一して
「グループホーム」として使用しています。

 

企画 大阪府
監修 地域生活移行ピアカウンセング活用方策検討委員会
平成20 年度厚生労働省障害者保健福祉推進事業の補助を受けて制作しました。
制作 放送映画製作所

 

撮影に際し多くの方々からあたたかい御協力をいただきました
     NPO法人サポートグループほわほわの会地域移行支援センターすてっぷ
     社会福祉法人創思苑
     社会福祉法人すいせん会すいせん共同作業所
     社会福祉法人大阪府障害者福祉事業団
     社会福祉法人大阪手をつなぐ育成会
     利用者のみなさん   支援者のみなさん

 

平成20 年度厚生労働省障害者自立支援調査研究プロジェクト
地域生活移行・生活支援における相談支援機能強化方策検討事業報告書
「地域生活移行支援におけるピアカウンセリング活用施行実施
      及び普及・啓発ツールの作成」
  平成21年3月
事務局 大阪府障がい者自立相談支援センター 地域支援課
〒558-0001 大阪市住吉区大領3 丁目2-36
TEL 06-6692-5261 FAX 06-6692-3981

 

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