【調査報告】聞取調査報告・福井県

1. 福井県発達障害児者支援センタースクラム福井
(社会福祉法人ウエルビーイングつるが) 敦賀市

事業所の特徴 福井県の委託により県内全域を3事業所でカバー。
特別支援教育がはじまり、ニーズは少なくなってきている。
事業所又は地域での取組の成功事例 ネットワークが各市に広がってきている。
地域によって格差がある。大野市は進んでいるが、敦賀市は遅れている。
大野市は距離的に近い滋賀県の取り組みを参考にしている。歴史性。
引籠り・うつ・精神疾患といわれる方たちの実態 引籠りは親と相談している。行き場の不足が問題 → きっかけづくり → 本人のモチベーションを判断 → プログラム化 → チェック表でマニュアル化 → 支援者の統一。
通える場所があるといい。
相談支援 継続だけはできるようにしている。制度がなくてもいいのでは? と思うこともあるが、情熱だけは伝えている。診断が下りた場合は治らないのでサポートの在り方を一緒に考える。
アウトソーシングが増えればいい。外資系の仕事などは内向けなので日本の文化(集団)になじまない人には有効。引きこもりは社会的構造が生み出した結果。
誰が支援すべきか ケース会議をとおしたきっかけづくり。どう支えるかの積み重ね。
小さい時からレッテルを貼るのではなく「支援すべき人」というとらえ方が必要。
教育なのか福祉なのかこれから見ていかなければならない。
親亡き後に備えていること 親と一緒に考えていく場、ピアカウンセリング、本当に信頼できる人の存在。
研修を受けた「ペアレントメンター」がいい。
個別支援計画は有効。もっと生き生きできる積み重ね。
その他 子どもは伸びる存在だという確信。
父親の役割が大切。

 

2. 福井事業所(社会福祉法人コミュニティネットワークふくい) 福井市

事業所の特徴 園芸用品、クリーニングなどの作業のほか、施設内に「おいCネット」という食道を設け、お弁当の配達を行っている。市役所や県庁などが主な得意先。
事業所又は地域での取組の成功事例 施設内見学のみ
引籠り・うつ・精神疾患といわれる方たちの実態  
相談支援  
誰が支援すべきか  
親亡き後に備えていること  
その他  

 

3. 就労支援センターすだち(社会福祉法人すいせんの里) 福井市

事業所の特徴 知的入所更生施設が前身。周辺地域住民の「追い出し」の中、苦労して開所。
大阪、滋賀、京都など県外からの利用者が多い。保育所のおやつ作り(ドーナッツ)やパンの販売、軽トラに機械を積んで焼き芋の販売などを行っている。工賃は3000円程度。
事業所又は地域での取組の成功事例 ニーズにあった作業を目指している。
焼かない陶芸で個展を開催。
引籠り・うつ・精神疾患といわれる方たちの実態 養護学校時代は優等生だった子が、自宅でDVや自傷などを繰り返し引籠っていたが、職員との交換日記をとおし、半年後に戦略を立てて介入。1日で立ち直った例がある。
誰か一人(キーパーソン)との信頼関係ができた時に点が一気に線になる。
ポイント・タイミング・カンが大切。言葉だけのかかわりは時間がたっても解決しない。
相談支援 関係機関が相互に情報と支援を共有していくことで、解決した例がある。
誰が支援すべきか 情報の途切れがないように(どんな人とかかわって生きてきたのか)。
自分の力で生きていくことができるように、細かな支援の積み重ねが大切。
親亡き後に備えていること 親の同意を得ておくこと。
その他  

 

4. 相談支援事業所「あゆみ」(社会福祉法人高志福祉会) 福井市

事業所の特徴 福井市内7か所の精神小規模作業所が順次法人化していった流れの中で立ち上がった法人
事業所又は地域での取組の成功事例 段ボール回収、空き缶回収、公園の掃除など地域交流を行っている。
引籠り・うつ・精神疾患といわれる方たちの実態 これまでは精神の方を中心に支援してきたので、知的の方が入ってくると戸惑ってしまう。
精神の方たちも落ち着きをなくしたりする。
自閉症の方を受け入れたことがあるが、扱い方がわからず、結局お断りしてしまった。
相談支援 これまでは活動センター内の小さな部門であったが、相談支援という看板を掲げることができたことで、情報が入りやすくなった。地域移行促進事業を行っており、関係機関との連携がとれるようになってきている。手帳の存在を知らない人がまだまだ多くいる。
いきなり地域に出ることは難しい。いきなり移行できるわけがない。それなりの「場所」が訓練の場として必要。単にお金がほしいだけなのか仕事がしたいのかによって対応が違う。
誰が支援すべきか 引籠りに対しては、ホットサポートという制度がある。
学校にいるうちは介入できない現実。
入院中にも介入できない現実がある。
親亡き後に備えていること 家族がまだ元気なうちに、本人を家族から離して、色々な経験や体験を積ませる。
その他 報告書などの事務仕事が負担。
認定調査が負担。
個別支援計画によってアセスメントなどで家庭に訪問できるようになったのは良かった。

 

5. 食の工房やわらぎ(社会福祉法人六条厚生会) 福井市

事業所の特徴 H15、補助金だけに頼らない自立の道を目指して法人化。就労の場として品質を追求した製品作りに努めている。配食サービス。700食/日。
生活のリズムと体力。支援計画。 → 「立ち上がってきたね」という評価。
事業所又は地域での取組の成功事例 2年計画のうち、1年目でターンさせている。
高賃金は目覚めを引き起こし、成功者が1人でも出ると全体の雰囲気が変わってくる。
集中力を養い、一生懸命働くことで薬に頼らない睡眠が得られる。
引籠り・うつ・精神疾患といわれる方たちの実態 お母さんや家族、支援センターからのSOSがないとわからない。
相談支援 外部からの相談はほとんどないが、面接時に「あなたは何故ここを選んだのか?」と聞くと障害をオープンにして働ける、医師の診断が受けられる、お互いがカウンセリングしているなどの声があり、集団精神療法としてネットワークができていることがわかる。
誰が支援すべきか ジョブコーチのレベルアップ。※利用者のニーズとの時間のズレが生じている。
親亡き後に備えていること 社会的支援は必要。
その人なりの基本的な生きていく力がついていれば、その人なりの生き方はできる。
その他  

 

6. 丹南事業所(社会福祉法人コミュニティネットワークふくい) 福井市

事業所の特徴 就労と雇用の機会創出を目的にしている。
事業所又は地域での取組の成功事例 コンビニ経営。公営住宅の指定管理。丸岡南中学校の学校給食(対面で提供)。
など、横のつながりの支援。
引籠り・うつ・精神疾患といわれる方たちの実態 とりあえず外に出てみよう、というはじめの一歩。
ホームヘルプサービスが有効。
相談支援 施設から社会に出されてしまうことへの不安や不満が大きく存在している。
ここに居続けることがなぜできないのか? という不安。
誰が支援すべきか 母親と一緒に銭湯へ行っていたが、大きくなったので女湯には入れなくなった → 銭湯に来るおじいちゃんに見てもらえばいい という発想。
親亡き後に備えていること 地域の資源を活用して地域で生きていく。
GHの整備と維持管理。
その他 ジョブコーチ3カ月支援計画~延長する 14,200円/日。

 

7. つくしの家(社会福祉法人若狭つくし会) 小浜市

事業所の特徴 4支庁1市3町の精神の施設7か所がH17年に移行。
老健施設の個人の洗たくを請け負って行うことで高収入を得ている。
事業所又は地域での取組の成功事例 地域との交流がある。
引籠り・うつ・精神疾患といわれる方たちの実態 混じっている。
Dr.がどう判定を下しているかいないかでわかれる。
引籠っていた方を3か月かけて引出し、その後変化して就労に結び付いた。
相談支援 相談に来ても、その後の受け皿がなければならない。
母も支援しなければならない対象である。
自立支援協議会が機能すること。
誰が支援すべきか 分野がわからない。
試行錯誤しながら3ヶ月は見ていられると思うが、それ以上は無理。
昔は集団が支えていた。
親亡き後に備えていること 相談がない。
これからニーズが多くなっていくだろう。
その他 就労に対する十分な所得補償。
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