【調査報告】聞取調査報告・鹿児島県

1. 鹿児島県発達障害者支援センター 鹿児島市

事業所の特徴 児童相談所の発達支援係の中で活動をしており、発達障害の診断も行なっている。
事業所又は地域での取組の成功事例 間接支援の場なので、施設職員の研修や、保護者支援・教育、サービスの仕組みを教えたり関係機関につないでいく。
引籠り・うつ・精神疾患といわれる方たちの実態 年々、発達障害と精神を重複している人の相談は増えているが、本人だけが相談に来るので幼児期の情報などが得られず、確定が難しいのが現状。二次障害として精神を重複しているケースは多くかかりつけの医療機関で状態が落ち着いたら再度就労支援など行なっている。
相談支援 各市町村の相談支援のコーディネーターや保健師とは連携を取っている。離島4島と、県内の地区3か所には年に1回ずつ巡回相談を実施しており、各地域の教育委員会がとりまとめを行なっている。
病院からの相談などは今のところなし。
誰が支援すべきか 自立支援法では3障害で精いっぱいだと思う。地域のキーパーソンを作り、身近で相談できる場所を作っていくことが必要。保護者への啓蒙も進めながら、民生委員、警察などにも理解を深めてもらうことが必要。
親亡き後に備えていること 本人がどのように生きていきたいのか、将来の見通しを持った計画を立てるよう助言する。
まずは一人暮らしをする時に、実家の近所から始めたり、ちょっと困った時に助けてくれるキーパーソンを作っておくこと。
その他 地方に発達障害の診断をできる機関がないので、鹿児島市内に来れない人は診断を受けられていないのが現状。

 

2. ゆうかり学園 鹿児島市

事業所の特徴 児童デイサービスと併設しており、母体は知的の施設のため、指定を受ける前から発達相談を行なっていた。
事業所又は地域での取組の成功事例 最初は市役所の横で相談支援をしていた頃から、不登校の相談が多く、単位制の学校に編入して無事に卒業できた方がいる。
引籠り・うつ・精神疾患といわれる方たちの実態 不登校で相談に来る方は、発達障害なのに精神の診断を受けてくる人が非常に多い。精神は
二次障害であるので、精神の方への支援ではなく治療を優先するべき。
相談支援 鹿児島市内は相談支援事業者は1年ごとに入札で決定しており、毎年事業者が変わるのでネットワークを作っていくことがとても困難。来年度からは入札制度は廃止するようで、現在の指定事業所がもう一年活動することになっている。
早期療育のグループや児童デイのグループはあるが他の福祉分野との連携はできていない。
誰が支援すべきか 精神障害についてはPSW。発達障害については、発達障害についてよく理解している人がスーパーバイズしていく。相談支援も、専門性のある人がある程度法人として実権を持っていればもっと進むと思う。
親亡き後に備えていること 所得保障。就労支援をしっかり行なっていくこと。
発達障害の啓発活動。
その他 金銭管理が難しいという話をよく聞くが、使うお金を日付ごとに袋で分けてしまえば、浪費は防ぐことができる。適切なアドバイスがあれば、他者に管理してもらう必要はないはず。

 

3. 悠々亭鴨池 鹿児島市

事業所の特徴 H19年4月に小規模作業所から移行し、弁当の宅配を行なっている。市役所や県庁、口コミなどで、200ヶ所ほどから注文を受けて活動している。利用者は精神中心。
事業所又は地域での取組の成功事例 福祉を表に出して活動していないので、一般の店舗と同じようにチラシ配りや営業で仕事を得ている。
事業所自体は福祉の交流センター内にあるので、福祉のイベント等は他の事業所と協力してできている。
引籠り・うつ・精神疾患といわれる方たちの実態 利用者はほとんど安定して通所している。季節の変わり目に調子を崩す人もいるので、作業日数や一日の作業時間を調整して通えるように工夫が必要。中にはデイケアや入院が必要になる人もいる。
相談支援 地域活動支援センターや、建物の2Fにも相談室があり、連携は取れている。利用者自身は利用している事業所にまずは相談するので、事業所内で解決できなければ相談支援につないでいる。
保健所や支援センターから受け入れの相談もあるが、受け入れできる事業所自体が少ないので、利用できないケースも多い。
誰が支援すべきか 国の制度で新しいサービスを作るべき。
親亡き後に備えていること  
その他 しっかり就労をして生活していくこと。所得の保障。

 

4. 株式会社 ラグーナ出版 鹿児島市

事業所の特徴 精神の当事者と一緒に立ち上げた会社でNPOから株式会社化。専門家や当事者からの投稿作品の出版事業や名刺などの印刷物の製作を行なっている。
事業所又は地域での取組の成功事例 自分に合った仕事を持つことができ、再発率が減少した。
引籠り・うつ・精神疾患といわれる方たちの実態 長時間働けなかったり段取りする力が十分ではないのに、精神であることを隠して就職して再発するケースがとても多い。
相談支援 医療、ハローワーク、保健所と連携をとって活動している。
生活支援や、当事者のスタッフもいるので、ピアサポートもできている。
誰が支援すべきか 社会、家族、地域、医療が協力して支援する。
一般企業に対して、発達障害の啓発活動をしていく。
親亡き後に備えていること 生活できるだけの所得保障。
その他 認定調査の項目が3障害一緒なので、精神の人も身辺の自立などについて質問され、バカにされているようで辛い様子。
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