【調査報告】聞取調査報告・長野県

1. どんぐりファーム(NPO法人どんぐり福祉会) 長野市

事業所の特徴 はじめから3障害一緒に支援してきた。
事業所又は地域での取組の成功事例 えのき茸を扱う企業との連携によって、これまでに9人の就労移行を完了し定着率は100%。
経営者からの「もう無理だ」との連絡にも、「もう少し様子を見てください」というフォローが効いている。
親から離さなければならない(背景には親の搾取がある)事例もあり、GH1か所を設け、誰でも来たい人はOKというスタンスでいる。
引籠り・うつ・精神疾患といわれる方たちの実態 相談がない限りわからない。
相談支援 ハローワークや市から照会があって初めて存在を知る。とりあえずは受け入れるが、本人の「覚悟」が不確かなために長続きしない。その後のフォローまでは手が回っていないのが現状。本人はここに来るまでにかなりの決意をしてきているはずなので、そこを救いきれないのが辛い。一人で何人もの事例を抱えているので個別の対応ができない。
ハローワークの担当者がクルクル変わるのが問題。
誰が支援すべきか 相談支援事業者(はじめに相談を受けた人)がプランを立てて支援すべき。
親亡き後に備えていること 具体的には今すぐに思いつかないが、GHは有効だと思う。
その他 GHどんぐりの家は施設整備費1000万円に自己資金2000万円で建てた。
7人が入居し、家賃は22000円。

 

2. コムハウス(社会福祉法人アルプス福祉会) 松本市

事業所の特徴 自分たちの願いは自分たちで叶えようと、市民立で、障害の軽重にかかわらず支援していくことを目的に設立。資金作りのため、3年間毎週街頭募金を行い6500万円を集める。
毎年有名アーティストのコンサートを開き、南こうせつコンサートでは500万円の利益。
事業所又は地域での取組の成功事例 クッキー作り(10000袋)、まき割り(5000束)、布巾作り(10000枚)、サークルKへの配送、スタジオジブリへの麦ストローの納品(10000本)、リサイクル処理など、
企業や地域との連携により、収益事業を行っている。
引籠り・うつ・精神疾患といわれる方たちの実態 第3者による認定が必要。
わたしたちや養護学校などの専門職の方との勉強会や相互支援、連携が不可欠。
地域社会、家族、支援者が同じ目線で捉えることができない限り相互理解はできない。
その上で、どういう仕組みを作っていったらいいのかを考え、実践していくしかない。
相談支援 熟練した経験は求められていい。
うちの法人に限っては、後援会がバックアップしてくれているので、地域を巻き込んだり、啓蒙のためのイベント(コンサート等)や研修会の費用などを捻出する仕組みはできている。
発達障害というくくり方についてはまだ見えてきている部分が少ないし、これを理論化していくことのほうが問題。
誰が支援すべきか 養護学校が起点(コーディネイト)となって支援学級を複数作っていく。
長野では専門性の不足があると思う。
親亡き後に備えていること  
その他  わたしたちが問われている。
※「もしも松本が100人の村だったら」(池田さんのOK)では、30日以上不登校の小学生は1人。それが中学生になると5人になる。この背景には何があるのか? 起きているのか? を徹底して理論立てしていかなければならない。
提言と発信と研究が必要。

 

3. ワンステップぬくもり喫茶むくの木(NPO法人ハートラインまつもと) 松本市

事業所の特徴 精神の家族会の方が5年前に作ったGHをきっかけに、社会資源を増やしていきたいと2年後にNPO設立。「働く」と「住む」を両輪に現在3か所を運営。相談も受けている。
※コムハウス金澤さんとのコラボができている事業所でした。
事業所又は地域での取組の成功事例 クロネコヤマトのメール便の配達を行っている。
夏にはスイカの販売、冬にはリンゴの販売をして工賃アップに努めている。
工賃は時給100~150円
引籠り・うつ・精神疾患といわれる方たちの実態 本人の意思確認。
パソコン教室などカルチャー的要素の中で、「でてくる場」の提供を行っている。
相談支援 ※wishとの連携によって引き出している。
誰が支援すべきか 行政が把握しているはずなので、民間に委託すればよい。
親亡き後に備えていること すでに親のいない方もいるが、その方の場合は兄弟が見ている。 GHまたは他の支え方ができるような資源は必要だと思う。
その他 精神の方は毎日来ることが難しいため、作業量の確保ができない。
生活のすべてを見なければならないので、相談支援との連携が必要だし、医療との連携では主治医の考えとケースワーカーの考えが同じ視点でなければならない。

 

4. 松本圏域障害者総合支援センターWish 松本市

事業所の特徴 圏域の5法人それぞれから、市の用意した事務所に国の定めた相談支援員を出向させて共同で相談支援をおこなっている。県がお金と人材を出してきたアルプフス福祉会のコーディネイト単独事業から発展。
事業所又は地域での取組の成功事例 上記のとおり。
風通しの良さが感じられた。
引籠り・うつ・精神疾患といわれる方たちの実態 マンパワー(学校でのコーディネート)が不足している。就労や進学について同じことをやってくれる人材がもっとほしい。都市部では忙しくて個々への対応が後手に回っている。
次のステップへ踏み出すための場所が不足している。
相談支援 連携はとれているが専門性が不足している。
退院支援も行っているが、知的との重複もあるので、対応は個別になっている。
誰が支援すべきか 掘り起こして次へつなげていく場所と人づくりが必要。
GHやCHを整備するだけでなく「パイプ」役が必要。
県の発達障害者支援センターは機能していない。
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