【調査報告】聞取調査報告・長崎県

1. 電脳工房(社会福祉法人東望会) 長崎市

事業所の特徴 身体通所作業所が前身。施設長のご主人と息子さんが筋ジス。パソコンを使ったデータ入力や軽印刷、縫製(手芸)作業。3障害対応。初心者でも可。
事業所又は地域での取組の成功事例 東長崎地区連絡協議会(※その他)では2か月に1回その施設に行って者が説明をする会を開いていて、職員の研修と交流の場になっている。
サントピア学園の吉岡先生が音頭を取っている。県の者の力量も大きい。
「愛の黄金」という障害者作品展が年に2回開催されていて今回で35回目。
情報も仕事も共有してやっていかなければならないが、役所が及び腰。
引籠り・うつ・精神疾患といわれる方たちの実態 ろうあの方でコミュニケーションが取れないことで鬱になっている方がいる。
就労支援ネットワークをとおして県からの照会があるがすぐには就労に向かない方が多い。
いろいろなところと連携しながら動いている。
年金をもらえない方が2人いる。生活のことを考えると就労をしてほしいとは思うものの、向いていない。
相談支援 他の相談機関が十分に機能しているのでネットワークを組んでいる。
過保護や放任などの育成歴があり、ひとりひとりの相談内容が個別のケースになる。
※この子バカですから、と本人の前で繰り返し繰り返し言う親がいる。
誰が支援すべきか 手帳をもっていなくても相談を受けたら2~3ヶ月は居場所としてボランティアで預かっていてそこから自信をつけて行った方もいる。
親亡き後に備えていること  
その他 制度の改革はいいが、ただ出すだけでいいのか? 入所はいけない制度なのか?
まだまだ制度に社会基盤がマッチしていない。

 

2. さんらいず(社会福祉法人長崎市手をつなぐ育成会) 長崎市

事業所の特徴 S29年手をつなぐ育成会が前身。クッキー、パウンドケーキ等製造販売。年商650万円
カマボコ店に施設外就労(5~6人)で実践的な仕事。ハローワークに登録し、職業センタ ーの職業評価を受けている。工賃移行月10000~12000円。B型6000円+ボ
事業所又は地域での取組の成功事例 初年度2人、今年度4人が就職したが1人が職場の人間関係に適応できずに戻ってきた。実習を挟まずに送り出したこともあるが、企業の体制もできていなかった。技術的ではなく、取組む姿勢の問題。一般就労がすべてではなく、働く形は色々あっていいと思うのでB型では(ニーズがあれば別だが)企業授産が目標で、移行は就職が目標なので専門学校的に各人各様の支援を行っている。
引籠り・うつ・精神疾患といわれる方たちの実態 アスペルガーと診断されている方、妄想のある方、大学を卒業して精神の手帳をもっている方などいろいろいるが悩みに波があり一定していない。はじめに見る部分はその方の技術性ではない。
相談 → 見学 → 体験 → 契約。
相談支援 法人内部に相談支援事業所があり兼務している。会員のピアカウンセリングを行う保護者も いる。ハローワークスタッフにお願いして、面接試験を行ってもらっている
就業・生活支援センターとはまだつながっていない。
誰が支援すべきか 受け入れられるのなら同行して手帳の申請を行い、自立支援協議会にあげる。
親亡き後に備えていること 親や本人の意見を聞きながら本人の生活スタイルを組み立てて、生活のリズムを取り戻す。
その他 療育はしていないが、カウンセリングの中で様子を見たり話を聞いたりすることで対応している。
GH6棟24人、CH2棟8人がある。
移行定員10人、利用者9人。B型定員20人、利用者23人。

 

3. 夢工房みどり(社会福祉法人長崎市手をつなぐ育成会) 長崎市

事業所の特徴 知的小規模作業所が前身。ジャガイモ、ニンジンの皮むきや、玉ねぎの外皮むきなど野菜の下処理作業。スタッフが飛び込みで見つけてきたクリーニング店に施設外就労で4人行っている。
事業所又は地域での取組の成功事例 クッキーやパウンドケーキの販売店をもち、職域やお歳暮お中元用に売れている。
ダウン症で20代から進行が始まっている方や、利用が長期化し高齢になっている方などもおり生活の場になっている。
引籠り・うつ・精神疾患といわれる方たちの実態 育成会や支援センター、養護学校など他機関からの照会がある。
25歳で引きこもっていて入浴をしていなかったり、髪、髭、爪の手入れができていない方を支援した。
アスペルガーと自閉症の方も自立に向けて利用している。
相談支援 法人内部に相談支援委員会を設けて相談支援員を1人配置し随時相談を受けている。
※療育支援は職員(質の向上に)に有効か
誰が支援すべきか 手帳をもたない方は障害福祉サービスを利用できないことになっているが、手帳がなくてもサービスを利用できるように手だてを考えるべき。
大分ではサービスできるように調査研究中だと聞いている。諫早発達障害センター(?)
親亡き後に備えていること GHがすべてではないと思うが、夜間のケアに対応するためには法人として整備していかなければならないと思う。
入所は必要。
その他 B型定員15人、利用者18人(精神4人)。

 

4. コリアンダーの家(社会福祉法人萌友会) 長崎市

事業所の特徴 知的小規模通所が母体。ハーブと焼き物を主な作業としている。利用者の反応を見ながらスモールステップで行っている。
工賃月20000円~36000円。
事業所又は地域での取組の成功事例 苦情処理システムを借りて自分の意見を言う練習をしている。
デンマークから知的障害者のロックバンドを呼んで講演してもらった。彼らの言うには「日本では、誰に聞いてもいい国なのに、高齢者や障害者に聞くと住みにくい国だという。どうしてなのかわからない」ということだった。
自分が小さく成功することが大事。そのためには昼間の支援をしっかり行っている。
引籠り・うつ・精神疾患といわれる方たちの実態 病院は薬を出すだけで、ゆっくりとキチンとした仕組み(ケア)ができていない。
障害として認められていない方からの相談が多い。
将来を悲観して自殺した方もいる。
※マスコミがオリエンテーリングしてほしい。
※経済中心では貧相な国になってしまう。
相談支援  
誰が支援すべきか ※技術革新が必要。
親亡き後に備えていること アメリカ型ノーマライゼーション。
その他 福祉は大きければいいというものではない。
自立するなら送迎をしない方がいい(ガソリン代を給与に上乗せして払う方がいい)。
事業費を厳密に精査する必要がある(配分比を精査する)。
補助金に頼ったところはダメになる。
B型定員19人、利用者16人。

 

5. アビリティ(NPO法人障害者就労支援センターアビリティ) 長崎市

事業所の特徴 身体小規模作業所が前身。身近な訓練施設として県委託。精神の方はパソコンと清掃作業。
身体の方はパソコン作業。県の健康診断データ入力やパソコン教室の開催。民間と競合せず、こぼれた仕事をやるしかない。工賃時給650円。B型はパン焼きなど。工賃
事業所又は地域での取組の成功事例 就職13人。三菱工業(コールセンター)、郵便局(不在者対応)、ホテル(送迎)、水道局、介護施設(清掃)、JR(ゴミ分別)、路面電車(清掃)など。ハローワークとベッタリ密着して希望者は登録させている。清掃訓練をテーマに社会性を身につけさせる。
引籠り・うつ・精神疾患といわれる方たちの実態 引籠りには未対応だが、長崎市委託の専門機関があるのでそこにつないでいる。精神の方も同様に対応している。
相談支援  
誰が支援すべきか 判断基準があいまい。作業能力、コミュニケーション能力、耐性など数値化する。
移行型の施設(行き場所、通う場所)がない。必要性をもっと強硬に言うべき。
親亡き後に備えていること 48歳男。父80代。収入が途絶え兄弟は支援できないという。生保+GHを考えている。
成年後見制度を育成会として勉強している。
その他 LD親の会での話を聞くと、IQが高すぎるために手帳を取ることができない方がいる。
市役所に相談しても、国の指導があることは分かっているがちょっと待ってくれ、と言われる。
移行定員8人、利用者27人。B型定員12人、利用者12人。
menu