【調査報告】聞取調査報告・徳島県

1. 徳島県発達障害者支援センター(徳島県立あさひ学園) 徳島市

事業所の特徴 知的の方は卒後100%入所している。相談の80%が小学生以下で、成人の対応は数%。
事業所又は地域での取組の成功事例  
引籠り・うつ・精神疾患といわれる方たちの実態

様々な研修会で話題になっているので発達障害の方が多くいるのは想像できる。
学校に行けなくなってしまってそのまま不登校が長引いている例を聞いた。
掘り起こしをしているわけではないので、実態が見えてこない。
学校は動き出している。

相談支援

就労については国のセンターに照会している。
発達障害を診断できる医師がいない。
徳島文理大学の心理学部の先生につなぐこともある。
「自分が楽になった」「もっと自分のことがわかりたい」「これからどうしようか」といった前向きな言葉が聞かれるようになっている。

誰が支援すべきか

任せてください、と言いたいが成人期専門にかかわる人の体制がとれていない。
就労の前にたくさん準備をしなければならないことがある。
他機関とのネットワーク構築。

親亡き後に備えていること

心配しなくてもいいような支援体制が見えるような形でほしい
アスペエルデの会の方の「ものすごく苦しかった」という言葉。精神疾患と言われていたのに実は発達障害があったと言われてどうすれば良いのか迷っている。

その他  

 

2. いのちのさと(NPO法人いのちのさと) 徳島市

事業所の特徴

知的小規模作業所が前身。農作業を中心に米、大根、人参、ほうれん草、小松菜、椎茸などを作っている。古代米に挑戦。
工賃平均80000円。

事業所又は地域での取組の成功事例

行政との戦い。初めて就労する知的はA型で行きなさい、B型は認めない。食事はカロリー算をしなさい。製造と販売を分けて会計報告しなさい。などの指導がある。
実態を見に来てくれと言っているが、一度も来たことがない。
少年院を出た子を引き取っている。

引籠り・うつ・精神疾患といわれる方たちの実態

16歳。遺棄されていた。民生委員の証明書がありお寺で預かっていたがIQで引っ掛かり精神で対応。
引きこもっていて来たり来なかったりを繰り返しているが、来れば対応している。

相談支援

誰でも受け入れている。
発達障害者を支援する組織作りの動きがあるようだが、誰かがやってくれればと中心になりたがらない。

誰が支援すべきか 本来は地域。徳島はお遍路さんの接待はするが、それは通過して行く人だから。居座られたら困る。障害に対しては偏見がある。
親亡き後に備えていること もともと親とのかかわりのない子たちを預かってきた。このまま支援者の中で生きていけるように関わっていきたい。
その他

議員から、卑弥呼の墓のある神聖な土地にアホを入れるな、何をされるかわからない、女は夜も歩けない、アホが移ったら困るから出ていけ、と言われた。
就労は個人経営(農業者)では認められない、と市が言う。彼らの就労先としては個人経営の農家は最良の就労先。農家もそれを望んでいるのに、行政に邪魔をされて困っている。
A型定員25人、登録22人。B型定員15人、登録10人。

 

3. 有限会社ホームケアべんり堂(有限会社ホームケアべんり堂) 徳島市

事業所の特徴 介護事業所が本体。障がい者にも対応してほしいという声があって心意気が同じであれば有限でもかまわない(徳島では市の経費の問題から市が対応してくれないので在宅支援センターが2事業所のみ)との思いではじめた。
事業所又は地域での取組の成功事例

直行直帰はあり得ない。一度帰ってきて必ず情報交換を行っている。その間の給与を保障。
民生委員やDr.との連携をしている。また、コンビニ(※赤ローソンのシルバー向けお弁当配達)との連携をとおして地域の特性を生かしたインフォーマルサービスを行っている。

引籠り・うつ・精神疾患といわれる方たちの実態  
相談支援 電話相談はあるが、ニーズは千差万別。
誰が支援すべきか

本人のニーズによる。家族との関係性に事業所としてどうかかわることができるのか。
できることとできないことの振り分けによって行政なのか民間なのかの準備はできる。

親亡き後に備えていること

インフォーマルサービスをどう作っていくか。
福祉にかかわる全ての人が、こういった世の中、こういった職場にしたいという具体的な姿を描く。

その他

徳島は精神の方の病床数が全国一。隔離政策が浸透していて抱えて離さないのでインフォー マル支援を求めても連携してくれない。情熱もない。協働できない。
人口10万人当たりの施設数もTOP。GHも多い。

 

4. あおばの杜(社会福祉法人徳島県心身障害者福祉会) 徳島市

事業所の特徴

S53年県の肝いりで知的通所として立ち上げ。黒字が続いたので先行投資の意味で児童デイをはじめた。移行はタオルの袋詰め、B型はリサイクル。
工賃3000円~8000円。+ボーナス。

事業所又は地域での取組の成功事例

音楽療法を取り入れたサービス(児童デイ)。
ペットボトルの粉砕機を導入。県の指定を受け、古紙回収や空き缶の処理を行っている。
一般就労への取り組みはしているが結びついていない。企業の理解がない。

引籠り・うつ・精神疾患といわれる方たちの実態

養護学校卒業後の行き先として毎年4~5人の入れ替えがある。
発達障害についてはわからない。

相談支援  
誰が支援すべきか

3障害一緒といっても職員がついていけない。人材を育成できない。
改修費がかかるのでバリアフリー化もできない。

親亡き後に備えていること

最後まで面倒を見ようという思いでいたが、行政システムとして安心してやれるものがあるといい。
GH(公営住宅の改修)を検討中。

その他  
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