安心の秘訣~DAISY避難マニュアル

DAISYのよかった点はテキストと写真を見ながら、避難経路を耳で聞いて、実践といった具合にひとつひとつ場面がわかりやすく解説され順序よく練習に移れたことだった。このよさを活用して、今年度DAISYの技術移転とそのフォローアップを通して、避難マニュアルだけでなく、それ以外の活用もできるようになった。そして、メンバーが必要なときに知りたい情報を、分かりやすく得られるようになってきた。また、すでに発表した内容をストックすることができるようになってきた。ストックしておくと、発表を閲覧する場合にも分かりやすいことが分かってきた。

避難マニュアル以外のDAISY活用法

①当事者研究

毎年6月に「安心して発表できる浦河楽会」という町民向けに発表する当事者研究発表会がある。平成20年度は町民の方たちも舞台に上がり研究発表した。町内もパン屋さん(以西さん)は喉の治療のため声が出しにくかったため、DAISYを使って研究報告をしていただいた。パワーポイントを用いて発表する人が多い中、音声が流れる発表に聴衆の方たちは興味を示し発表に聴き入っていた。

②長い間入院生活をしていたメンバーの退院支援プロジェクト

37年間入院していたメンバーが退院していった記録を、本人やこれから一緒に生活を共にするメンバーに伝えるためDAISY化にした。記事の主人公の方も喜んでくれた。

③仕事マニュアル(発送・うどん・オリエンテーション・清掃チーム)

べてるには昆布作業チーム、べてるのオリジナルグッズを作る「グッズチーム」、べてるの商品を全国に発送する「発送チーム」、べてるに見学に来たお客さんにべてるを紹介する「オリエンテーションチーム」など沢山の仕事がある。べてるのメンバーは自分の得意な仕事や自分のテーマに添った仕事を自分で選ぶことができる。その中で一番、直接お客様と接することが多く、コミュニケーションの障がいともいえる精神障がいを抱えるメンバーの苦労が多い仕事が「発送チーム」である。日常的なコミュニケーションに慣れるためにも、発送チームとDAISYチームが合同でミーティング(以下MT)を開き、その作業の一部をDAISYにして興味を持った人が誰でも見られるように、仕事内容がわかりやすいようにした。

写真

DAISYを利用して良かったこと

自分達で避難マニュアル作りができるようになった。

DAISYを作るようになってから他のパソコンソフトも使えるようになった。

DAISYを通じて普段交流のないメンバーと話す時間が増えてよかった。

DAISYの仕事があって(ひきこもりたいと思っても仕事をするためにニューべてるに通うことができたので)、ひきこもりから脱出できた。

今後やってみたいこと

○浦河向陽園など地域の人たちのための防災避難マニュアル
○応急処置の仕方
○べてるの紹介の歌
○当事者研究やSSTの手順
○お料理の作り方
○DAISYの作り方

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