II. 今年度の目標と取り組みの計画

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今年度は引き続き避難訓練を実施するともに、昨年度の事業によって明らかになった課題解決に向けて、町内関係自治会、他の要援護者施設等と協力しながら、防災ノウハウの確立と発展を目指す。

平成19年度までの取り組み

  1. 精神障がい者の津波等防災活動の発展
    標高が10mに見たず、津波浸水被害のおそれのある、活動拠点3ヶ所とグループホーム、共同住居6ヶ所を対象とし、それぞれの場所からの避難計画を立て、通常期、冬期の2回の避難訓練を実施した。
  2. 障がい者関連施設と自治会・周辺住民との連携方法の開発
    浦河町行政、築地自治会のご協力を得ながら、べてるも連携させていただき、図上訓練および防災訓練を実施した。
  3. 町内要援護者施設と連携したさまざまな障がいに対応した防災活動の開発
    町内の要援護者施設(身体障害者福祉関係施設・知的障害者福祉関係施設・児童福祉関係施設等)が協力し、該当施設・住居の避難計画について情報交換を始めた。
  4. そのほか
    1) 防災活動取り組みイベントの開催
    2) 他の防災先進地域を訪問視察

平成20年度の取り組み

  1. 津波浸水被害の恐れのある地区のべてるの活動拠点および共同住居等からの避難訓練
  2. より過酷な状況下におけるメンバーの避難方法の開発
  3. 発達障がい傾向の強い利用者への対応方法の開発
  4. 他の要援護者施設との防災ノウハウの情報提供と支援方法の開発
  5. 町役場・関連自治会等との合同防災連携会議の開催
  6. 先進的な地域防災事業(徳島県美波町)の合同視察
  7. 防災意識の強化と防災ノウハウの発信を意図した町民向けの啓発事業(防災フォーラム)
  8. DAISY技術移転

平成20年度べてるの家の防災プロジェクトの目標

目標1 避難訓練

べてるでは精神障がい者就労支援事業B型施設(活動場所は2ヶ所)と販売場所(1ヶ所)、グループホーム(以下、GH)3ヶ所・共同住居10ヵ所の運営・支援を行っている。本年度は悪条件の場合に備え、津波による被害の可能性がある標高10メートル以下に立地するべてるの家の日中活動の拠点、グループホーム、共同住居を対象に夏期および冬期の避難訓練を行うことを目標とした。

目標2 地域住民・他障がい者施設との連携

本事業をすすめるにあたり、昨年度始められた、浦河町防災関連合同会議を開き、町役場と地域自治会との連携のなかで避難訓練や防災事業を実施することを目標とした。

また浦河町では平成20年度より自立支援法の本格的な移行が始められ、これまで独立して活動してきた身体・知的・精神障がい者福祉施設による連携会議を持つ予定である。防災事業においても、お互いの支援技術を生かしながら、3障がい福祉施設の連携に向けた基盤を作っていくことを目標とした。

目標3 発達障がい傾向の強いメンバーの避難方法の開発

浦河べてるの家を利用するメンバーの多くは精神障がいを抱えているが、発達障がい傾向の強いメンバーも多くいることがわかってきた。突発的な出来事への対応が特に苦手であり、安全確保が困難になりやすい発達障がい傾向の強い。彼らが安全に逃げられるように、事前の対策や避難方法を開発することを目標とした。

目標4 防災ノウハウの蓄積と発信

(1)先進的防災対策事業の視察
昨年度の事業において、浜中町への視察を地域住民、役場の方と合同で行なったことが地域防災事業の活動基盤を作るうえで非常に有効だったので、今年度も地域の他機関とともに視察を行なうこと、特にほかの障がい者福祉施設職員との協力し、視察を実施することを目標とした。

(2)国内外から防災に関する専門家を呼び、他地域の津波等防災対策の知識と浦河のそれとの情報交換を行うイベントを開催することを目標とする。このイベントでは、べてるで行ってきたこれまでの防災活動の取り組みの成果に関して、防災取り組み内容、避難マニュアル、使用ツールなどを町民に展示・公開すると共にインターネットを通じて国内外に発信する。

写真 地図(浦河べてるの家 関連施設)拡大図・テキストデータ

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