ここ最近の景気後退にともない、特に自動車産業や電機関連産業などに大きな影響が出ており、これらの下請加工の作業を行っている授産施設・作業所等を中心に仕事の減少が顕著となっています。この状況がさらに続けば、利用者への工賃支払いが難しくなることが懸念され、障害者の「自立」を支えるための安定的な仕事を確保するため、官公需等の拡大に向けた全国的運動を展開することが必要となります。
そこで、各都道府県においては、本報告書の『都道府県「共同受注窓口組織」の基本的骨格(案)』を参考に、都道府県内の就労支援の中核となる障害関係団体が一体となり、組織の理念・目的の共有化、運営方針の策定、必要な予算の確保、事務手続、その他必要な対応を一つひとつ積み上げ、それぞれの都道府県の実状に合った「共同受注窓口組織」の具体化に向けた取り組みを着実に進めていただくようお願いいたします。
また、各施設・事業所においては、仕事の受け手としての「意識の改革」を一層図っていただく必要があるでしょう。一定の品質の商品・サービスを納期に応じて確実に納品し、取引先からの信頼を強固にしていくことはもちろん、さらなる工賃水準の向上に自ら取り組むという意識を一層高めることが必要であり、その上で、個々の施設・事業所で対応が難しいことについて「共同受注窓口組織」に主体的に参加し、共に組織を作り上げていく姿勢で臨んでいただきたいと思います。
この研究事業では、障害者の地域における自立生活の実現を目指し、経済的自立を支え、障害者の就労支援を行う関係団体、施設・事業所等の主体的な参加の下、そこで働く利用者の工賃・賃金の底上げのための受注の拡大に向けた共同的な取り組みを進めることを提案いたします。
平成21年3月
平成20年度障害者保健福祉推進事業(障害者自立支援調査研究プロジェクト)
工賃倍増に向けた授産事業振興調査研究事業
事業推進特別委員会
※五十音順
障害者就労支援事業所における官公需等受注のための「共同受注窓口組織」
平成20年度障害者保健福祉推進事業(障害者自立支援調査研究プロジェクト)
「工賃倍増に向けた授産事業振興調査研究事業」事業報告書
平成21年3月 発行