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シンポジウムII
「地域で暮らすために何ができるか」
まとめ

竹島●どうもありがとうございました。

滝脇さんのお話を聞きますと、社会全体でとらえた場合には、いろんな形のリスクを持っている人たちがいて、賃貸住宅とかいろんなところも、あるいは社会のサービスも、その社会の抱えるリスクに対応して、その人たちをうまく社会に生かしていくという形です。それが結局、偏見とかいろいろなものの所在にも影響してきているのかなという感じがいたします。そういう意味で非常に意味深いお話だったと思います。

私の方で一言、出させていただきたいんですけれども、私は精神保健医療の改革についての研究をしておりまして、私の方の観点から見ると、精神保健医療の改革をすることは、どうしても地域ケアの充実とか、認知症のケアを充実するということが必要になってきて、それをするためには、やはり住居の問題が大切になる。精神保健医療の改革は社会のセーフティネットということと、やはりつながっているような感じがします。

せっかくなので、貴重な時間で、残り時間が少ないですけど、どなたかお二方くらい、コンパクトに質問がありましたら。よろしくお願いします。すぐに挙がらないようだったら、先生方の中で、何か聞いてみたいとか、あるいは、聞いているうちにこんなことを思ったというようなことを。

渡部●時間厳守ということで申し上げたいと思います。秋田先生のお話、本当に時間をかけながら実績を積んでこられました。それからまた、ふるさとの会、ビジネスとして地域再生、地域の新生という形でやっておられます。残された時間のことを考えますと、精神科病院から、ある時期にいっぺんに放出しなければいけない状況が、私は来るのではないかと。藤田さんに社会的退院ということを教えていただきましたが、精神科病院というのは民間病院ですから非常に脆弱ですね。あるときに病院の都合で、病院の社会的な理由で解散に陥るという問題がある。そのときに住む場所というのは、ちゃんとしていくことが必要だと思います。

秋田●もう厚生労働省の方は帰られましたけれども、厚生労働省が音頭をとって精神科病院のベッド数がどんどん削減されるのはこれから明らかなことです。たしかに精神科病院には、社会的入院という方もいらっしゃるんですけれども、そうじゃない方まで出さなきゃいけないことも、すごく起こってくるだろうと思います。そういう病状の方にも対応できるような住居ということを考えたときに、もっともっと手がかかる方を入れられるところをつくっていく。幸いうちの病院はすごく収益がいいんですよ。なぜかというと、やはり患者さんが流れているからだと思うんですね。病院も退院がたくさんで、我々のところにもたくさん来てくださるようになった。その一番の原因は、やはり退院ができて、それなりに暮らしている患者さんの流れがずっとある、続けているということです。これから先、ますますいろんな形の、いろんな状態の患者さんに適用できる住宅というのを考えていかなければいけないと考えています。

滝脇●ちょっと時間の関係で言えなかったことがあって、就労支援のことなんですね。一つ皆様にご協力いただきたいのが、私の説明の資料、7ページなんですけれども、ここ、ちょっと手違いで、本当は配布してはいけないようなないようが。少し特定できちゃうような話なので、大変申し訳ないのですが、引きちぎって受付に置いていただけますでしょうか。ここに書かれているのは、今いろいろワンステップというようなことで、大きく社会問題になりましたけれども、若年のホームレス問題というものがあります。書かれているように、ピークは30代ぐらいの若い人たちが今、新たに失業し、ホームレス化するということがあって。しかしなぜ今、生活保護ということで、受けた方がパンクさせるというような状態に対して、それに対して私たちは危機感を持っています。それは、対象者を個別個別に見ていくという視点がどこまであるんだろうかということです。この方々を見てもらえると、愛の手帳の4度とか、適応障害とか、非常に言いにくい障害を抱えている人とか、外国人労働者もいるし、赤ちゃんを抱えたお母さんもいる。そういう人たちの精神的なケアというのはほとんど今、竹島先生がシンポジウムで出てきたんですけれども、ようやく目を向けられつつあるという段階です。ただ、この人たちは治療とかそういうことだけでは多分、解決できなくて、障害を抱えていて安定した職場に就いてきていない人たちなんですね。ラインの仕事だったり、もちろん派遣という人もいるし。そういう人たちが、民間の安定した仕事を持って初めてですね、例えば安定した仕事に就く、そして安定した住居の中で地域生活を営んでいく。そういう個別性に応じた支援が大切だと思います。ちょっとそこに触れられなかったのが残念でしたので、中途半端ですけれども。

竹島●どうもありがとうございました。大変短い中で、たくさんの情報があったと思います。皆さん、すこし混乱されていたかもしれませんが、3人の先生方にはうまくまとめていただきました。私の役目はこれで終わらせていただきたいと思います。

司会●それでは最後に一言だけご挨拶をさせていただきます。今日は松戸という大変遠いところまで来ていただき、60人くらいの方にお集まりいただきまして本当にありがとうございました。講師の先生方にも、長時間に渡りご参加頂き、ご報告いただきまして、ありがとうございました。質疑の時間がとれるとよかったのですが、いろいろなお話を聞いていただきたいということがあり、質疑の時間が取れずに申し訳ありませんでした。もし何か質問したいことがありましたら、この後にでも交流を深めていただいたり、あるいは私のメールアドレスを皆様にお知らせしていますので、資料のことなど何かありましたらどうぞお問い合わせください。今日のたくさんのお話をお土産に持って帰っていただいて、ぜひご自分の地域での活動につなげていただければと心から願っております。最後に、講師の先生方に大きな拍手をお願い致します。今日は本当にありがとうございました。

以上