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モンティアン・ブンタン(Monthian Buntan)上院議員による声明

アジア太平洋障害者の10年(2003-2012)の実施に関する最終評価のためのハイレベル政府間会合に向けた地域準備会議
開会式
2012年3月14日

各国大使の皆様、各国代表の皆様、ならびにご出席の皆様、 

このたび、「アジア太平洋障害者の十年(2003-2012)」の実施について最終的に検証するためのハイレベル政府間会合に向けた地域ステークホルダー・コンサルテーションに参加されている皆様にお話しできますことは、実に大変な名誉であります。このコンサルテーションは、人類の歴史にさらに有意義な一章を共同で、また個人的にも記すという私達の意思と責務、そして能力を明確に示す、新たな歴史的イベントです。UNESCAPに対し、快くこの機会を与えて下さり、この活動を企画して下さったことに、心から感謝申し上げます。過去20年以上にわたり、障害関連分野における多数の関係者の皆様の協力と連携の精神が、ここ天使の街バンコクのUNCCビル(この地域における「漸進的な障害運動」の拠点)で示されてきました。これからの3日間、再びそれが示されるものと確信しています。

第一次「アジア太平洋障害者の十年」を達成するために、障害に関する地域政策ガイドライン(行動課題)をこの地で初めて策定し、私達が長い旅路を歩み始めたのは、1990年代のことでした。また、残念ながら障害に関する視点が欠けていたミレニアム開発目標(MDGs)に基づき、別の地域政策ガイドライン(「行動のためのびわこミレニアム・フレームワーク」)を開発し、新たな「十年」を設ける必要性を感じたのも、この地で新世紀を迎えたときでした。「十年」後半に向けて、オリジナルの「行動のためのびわこミレニアム・フレームワーク」を補う「びわこプラスファイブ」が開発されたのも、ここでした。すでにあきらめることをやめた、ここにいらっしゃる皆様とほとんど同じ顔ぶれの人々が、人間社会をかつてないほどに障害に配慮したものへと変えていくために、後ろ向きで非生産的かつ非民主的な、慈善に基づくパラダイムから、より前向きで権利に基づくアプローチへの移行をはかろうと、その経験と知識とアイディアを持ち寄り、共有しあったのは、間違いなくここでの出来事でした。さらに、私達が何度も成功を祝い、失敗を認め、課題を見直し、修正し、誤りを正し、疎外と貧困、アクセシビリティの欠如、孤立と、障害のある人々に対するあらゆる形態の差別との闘いに勝利するという強い決意を再確認したのもまた、この地でした。

ご来賓の皆様、ならびにご出席の皆様、

第二次「十年」が終わろうとしている今、私達がともに掲げる構想が正しいと証明されたと、誇りを持って語ることができます。そして次の「十年」の新たな夜明けに向けて、私達全員にとって世界がより良く、明るくなっていくことは、視力の有無にかかわらず、はっきりと理解できます。私達は、第一次「十年」では「行動課題」を、第二次「十年」では「行動のためのびわこミレニアム・フレームワーク」を通じて力をつけ、21世紀初の国際人権法であり、障害に特化した初の国際人権法である障害者権利条約(CRPD)に、その最初の段階からかかわり、ここでバンコク草案を策定し、その後の採択へと邁進してきました。今こそ、これらすべてを踏まえて行動に移し、私達の構想を実現するときです。今こそ、有意義な戦略と一連の明確な目標、ターゲット、そして指標を考案するのに、最もふさわしいときなのです。 

この戦略を通じて、私達は今まさに、大いに貧困を削減し、障害のある人々の雇用を促進することができるでしょう。この戦略を通じて、国会や政府及び裁判所で、私達の存在を一層際立たせることができます。そして、この戦略を通じて、障害のある人々を含むすべての人々のための、公共の建物、交通機関、情報、知識及びコミュニケーションのアクセシビリティが認められ、保障され、実践されるようになるでしょう。この「インチョン戦略」を通じて、真に測定可能で具体的な成果をもたらす数々の目標と指標を設け、社会保護、早期介入と早期教育、障害のある女性と子どもの参加、障害のある人々を含めた防災と災害管理、障害関連データの収集、CRPDの批准及び実施の推進と、障害のある人々を含めた、このような人々にとってアクセシブルな国際協力の進展が可能となります。そしてこの「インチョン戦略」を通じて、私達が唱える「権利の実現」は、単なるキャンペーン標語ではなく、前向きに団結し行動する、活気に満ちた精神を示すメッセージとなるでしょう。

最後になりますが、この「インチョン戦略」を通じて、勝利を祝い、あきらめることに終止符を打てるよう願っています。

ご清聴ありがとうございました。