令和5(2023)年6月7日、文部科学省は、「障害者の生涯学習活動に関する実態調査~地方公共団体及び障害者本人を対象とした実態調査~(令和4年度)」報告書を公表しました。
本調査は、学校卒業後の障害者について、学校から社会への移行期や人生の各ライフステージにおける効果的な学習支援の推進に向けて、障害者の学習活動への参加状況、阻害要因・促進要因等の実態把握と、地方公共団体における障害者の生涯学習に係る体制整備、プログラムの開発・提供、課題等の実態把握を行い、学校卒業後の障害者の学習状況、ニーズと支援の進捗状況を整理、分析することを目的として実施されました。
調査は、地方公共団体を対象とする調査と障害者本人を対象とする調査の2つの調査で構成されています。
それぞれの調査方法と主な調査結果は、次のようになっています。
[地方公共団体を対象とする調査]
(1)アンケート調査
調査対象 47都道府県及び1,741市区町村(悉皆)
調査手法 文部科学省担当課より、Eメールにて電子媒体の調査票サンプルと回答用WebアンケートのURLを送付し、Webで回答を受け付け
実施期間 令和5年1月5日~令和5年2月13日
有効回収数 都道府県41件(有効回答率87.2%)、市区町村892件(有効回答率51.2%)
主な調査結果
①行政計画の作成状況/庁内・庁外の連携状況
障害者の生涯学習を記述した行政計画がある割合 都道府県(95.1%)市区町村(59.4%)
②生涯学習ニーズの把握状況
障害者の生涯学習のニーズを把握している割合 都道府県(87.8%)市区町村(42.0%)
③講座・プログラムの実施状況
実施していない割合は、政令指定都市・特別区(0.0%) 町(55.4%) 村(63.0%)
「本人向け講座(青年学級、オープンカレッジ等)」、「イベント・交流会」が多かった。
合理的配慮等を行う講座・プログラムは、「要望があれば対応している」の割合が高い。
(2)ヒアリング調査
積極的に障害者の生涯学習推進に取り組む地方公共団体3か所に実施
[障害者本人を対象とする調査]
調査対象 18歳以上の障害者等
調査手法 対象となる18歳以上の障害者および障害者を持つ家族をモニターとして有するインターネット調査会社を選定し、調査会社を通じたWeb調査を実施
実施期間 令和5年1月13日~令和5年1月17日
有効回収数 4,326件
主な調査結果
①生涯学習の機会の充足度/取組状況
生涯学習の機会がある割合(38.2%)、ない割合(38.5%)、「分からない」(23.3%)
②生涯学習の手段や場所/内容
生涯学習の手段や場所は、「テレビやラジオ、インターネット、書籍による自主学習」(41.9%)」、「支援者等の訪問による自宅や施設での学習(24.3%)」、「障害福祉サービスの事業所、入所施設での日中活動(21.9%)」
取り組んでいる内容は、「余暇、レクリエーション活動(40.0%)」、「日常生活や社会生活に必要な知識・スキルに関する学習(33.7%)」、「学校段階で学んだ内容の維持・再学習に関する活動(32.1%)」
詳しくは下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://www.mext.go.jp/a_menu/ikusei/gakusyushien/1419299_00001.htm