令和5(2023)年6月23日、経済産業省は、令和4年度「読書バリアフリー環境に向けた電子書籍市場の拡大等に関する調査」に関する報告書を公表しました。
令和元年6月に「視覚障害者等の読者環境の整備の推進に関する法律(読書バリアフリー法)」が成立し、視覚障害者等が利用しやすい電子書籍等(音声読み上げ対応の電子書籍、デイジー図書、オーディオブック、テキストデータ等)の普及・提供を図ることが求められています。
これを受け、経済産業省は、令和2年度から、読書バリアフリー環境整備のための電子書籍市場等の拡大のための調査事業を実施してきました。
令和4年度は、電子書籍等の製作及び販売等の促進並びに出版者からの電子データ等の提供促進を図るため、その障壁となる様々な課題解決に向けた調査や読書バリアフリーに関する国や出版業界の取組について、出版関係者や視覚障害者等をはじめとした一般消費者等への普及・啓発を行うとともに、今後の書店経営のあり方を取りまとめることを目的として本報告書を作成したとのことです。
報告書の目次はつぎのようになっています。
第1章 はじめに… 1 1. 事業目的… 1 2. 調査の概要… 2 第2章 ワークフロー調査… 5 1. 全体概要… 5 2. リフロー形式の電子書籍について、出版社業界のワークフローを可視化するとともに、制作方法や課題等の整理… 5 3. リフロー形式以外の書籍等について、テキストデータの制作方法等の情報を収集、整理… 11 4. オーディオブックについて、制作方法等の情報を収集、整理… 20 第3章 TTS 調査… 23 1. 調査概要… 23 2. 調査結果の概要… 25 第4章 ロードマップ・アクションプランの進捗状況… 29 1. ロードマップ・アクションプランの進捗状況について… 29 2. 進捗状況の詳細… 37 3. 読書バリアフリー法第 11 条・第 12 条に基づく電子データの提供の方向性(案) … 41 4. 参考指標の設定について… 44 5. 出版業界及び本事業における次年度以降の対応について… 45 第5章 おわりに… 47 |
なお、リフロー形式の電子図書とは、表示する画面やデバイスに応じて、表示レイアウトが可変する電子図書です。
TTS(Text to Speech)は文字の読み上げ機能のことで、音声読上・音声合成サービス、音声合成ソフト、ビューア・スクリーンリーダーの音声読上機能等が含まれます。
TTS調査では、各TTSの概要・特徴、技術面の課題と対応状況、今後の課題・展望等(法制度や政策面を含む)についてまとめています。
詳しくは下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/contents/2023dokubarireport.html