2023年9月5日、労働年金省(Department for Work and Pensions)は、作業能力評価(Work Capability Assessment: WCA)基準の改訂案を示し、それに対するパブリックコメントを求めています。
WCAは、2008年に導入された制度で、障害や病気によって職業能力が制限されている人々のための手当を受けるための判定に使われます。その手当としては、雇用および支援手当(Employment and Support Allowance: ESA)及び、ユニバーサルクレジット(Universal Credit:UC)の就労困難加算(Limited capability for work: LCW)等があります。
英国では、歴史的に、障害者や疾病状態にある人は、基本的に働けないものとしてきましたが、働ける人には働いてもらおうという考え方に変ってきていて、英国政府は、これらの人々の在宅就労や就労支援に取り組み始めています。英国政府は2023年3月に、「支援の変革:健康と障害に関する白書(Transforming Support: The Health and Disability White Paper)」を発行し、その改革の計画を示しました。
今回の改訂は、この改革の流れに沿ったもので、障害や病気があっても適切な仕事に就くことができるように支援するための判定内容に変更することを意図しています。
パブリックコメントでは次のような内容について意見を求めています。
〇「移動」に関する評価について 移動に関する評価を止める。または、移動の達成基準を50メートルから20メートルに減らす。あるいは、評価点を減らす。 〇「腸および膀胱の機能の喪失・欠如」について この評価を止める。または、評価の基準を「毎週」から「毎日」に変更する。または、評価点を減らす。 〇認知障害または精神障害による社会参加への制限 この項目を削除する。または、評価点を減らす。 |
詳しくは下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://www.gov.uk/government/consultations/work-capability-assessment-activities-and-descriptors