[米国]盲導犬ロボットの開発方法に関する研究が最優秀論文賞受賞

2024年5月16日、マサチューセッツ大学アマースト校のキム・ドンヒョン氏、イヴァン・リー氏、ホチョル・ファン氏の3名の研究者が、人間工学に関する会議(CHI:Conference on Human Factors in Computing Systems)において、「盲導犬ユーザーとトレーナーの洞察を活かし盲導犬ロボットの開発方法を特定する研究」で最優秀論文賞を受賞しました。

盲導犬ロボットの研究は40年も行われている一方で、未だエンドユーザーに使用されていないという課題があります。盲導犬ロボットが実際に使用されるようになれば、本来、盲導犬が飼い主へ寄与する自立性と移動性が確保される他にも、盲導犬の訓練コストの削減、盲導犬不足、飼い主のアレルギー問題等への課題解決を見込むことができます。

本研究では、なぜ長年研究され続けている盲導犬ロボットがエンドユーザーに使用されていないかの問題に取り組み、技術開発の前に、視覚障害のある盲導犬ユーザー23名とトレーナー5名を対象に、半構造化インタビューと観察の機会を設けています。インタビューでは、盲導犬ユーザーは自身が全体の道筋を管理し、盲導犬には局所的な障害物を避ける役割を担わせていることを明らかとしました。つまり、飼い主に従う完全に受動的なロボットや、自律的なロボットは、盲導犬ユーザーを不安にさせる可能性があることがわかったのです。その他にも、一部ではありますが、頭上の障害物に対応するためカメラの向きを増やすこと、閉塞された領域から近づく危険物に対し音声センサー機能を追加することなどが今後の盲導犬ロボットの技術開発に必要であることが明らかとされています。

詳しくは下のサイトをご覧下さい。(笹子)
https://www.umass.edu/news/article/optimize-guide-dog-robots-first-listen-visually-impaired

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