[英国]社会福祉制度改革案を公表

2024年3月18日、労働年金省は、「働くための道筋:英国を機能させるための手当制度と支援制度の改革(Pathways to Work: Reforming Benefits and Support to Get Britain Working)」というグリーンペーパーを公表し、パブリックコメントを求めています。

英国は、比較的頻繁に社会福祉制度改革を行います。今回も、昨年7月に政権についたスターマー労働党政権による改革案が示されました。

今回の改革案の主な内容は次のとおりです。

〇拠出制の求職者手当(Jobseeker’s Allowance)と就労・生活支援手当(Employment Support Allowance)を新たな期間限定の失業保険(Unemployment Insurance)に統合
 これにより、就労不能の証明手続きが不要になるとともに失業保険加入者は、所得補償額が増えます。
〇就労能力評価(Work Capability Assessment:WCA)を2028年に廃止
 WCAの手続きは複雑で時間がかかり、「働けるか働けないか」という間違った二元論に基づいているのでこれを廃止し、ユニバーサルクレジットにおける追加的な経済的支援は、PIPアセスメントのみによる評価を実施する。
〇就労により手当額が下がることのないような取り組みを進める
 また、何度も就労を試すことができるような制度を構築する。
〇ユニバーサル・クレジット(Universal Credit)の給付金のバランス調整
 ユニバーサル・クレジットの標準手当をインフレ率を上回る額に引き上げる。また、再評価の回数を増やすとともに、重度障害や健康状態が改善する見込みのない人については、再評価を行わないよう徹底する。
〇個別自立給付(Personal Independence Payment: PIP)の所得評価は廃止し生活活動評価のみとする。
 加えて、生活活動評価の評価方法を変更する。
〇働くことができる慢性病患者や障害のある人々に対する個別支援を提供

詳しくは下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://www.gov.uk/government/consultations/pathways-to-work-reforming-benefits-and-support-to-get-britain-working-green-paper

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