放送分野における情報アクセシビリティに関する指針

放送分野における情報アクセシビリティに関する指針

放送分野における情報アクセシビリティに関する指針

2018年2月7日策定
2023年10月17日改定

本指針は、放送法第4条第2項等を踏まえ、放送分野における情報アクセシビリティの向上を図るため、字幕放送、解説放送及び手話放送の普及目標を定めるものである。

本指針の運用に当たっては、障害者の権利に関する条約、障害者基本法、障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律等に鑑み、視聴覚障害者等の議論への参画の重要性を踏まえつつ、新技術の積極的活用等により、視聴覚障害者等の情報アクセス機会の一層の確保を図ることとする。なお、近年、生成AIが急速に発展し、情報アクセシビリティの向上への活用も期待されているところ、活用の検討に当たってはポテンシャルとリスクの両面があることを認識しつつ、引き続き利用者を含む幅広い意見を踏まえながら、技術開発や議論の動向を注視していく。

放送事業者においては、本指針で示す目標をできる限り早期に達成するよう努めるとともに、既に目標を達成した放送事業者においては、より高い目標値を自主的に設定の上、更なる情報アクセシビリティの向上に取り組むことが望ましい。

総務省においては、毎年度の実績をとりまとめて公表を行う等、フォローアップを行う。

字幕放送(※1※2

 普及目標の対象目標備考
放送時間放送番組
NHK6時から25時までのうち連続した18時間

大規模災害等が発生した場合は、この時間帯に関わらず、できる限り速やかに対応
字幕付与可能な全ての放送番組

「字幕付与可能な放送番組」とは、次に掲げる放送番組を除く全ての放送番組
1.技術的に字幕を付すことができない放送番組(例:現在のところ複数人が同時に会話を行う生放送番組)
2.外国語の番組
3.大部分が器楽演奏の音楽番組
4.権利処理上の理由等により字幕を付すことができない放送番組
対象の放送番組の全てに字幕付与教育放送、BS1、BS4K及びBS8Kについては、できる限り目標に近づくよう字幕付与(※2)BSプレミアムについては、対象の放送番組の全てに字幕付与(※2
地上系民放
(県域局以外)
対象の放送番組の全てに字幕付与 
(県域局)2027年度までに対象の放送番組の80%以上に字幕付与。できる限り、対象の全てに字幕付与独立U局については、できる限り多くの番組に字幕付与
放送衛星による放送
(NHKの放送を除く)
2027年度までに対象の放送番組の50%以上に字幕付与。できる限り、対象の全てに字幕付与2000年度に放送を開始した総合放送を行う事業者以外の放送事業者については、2027年度までに、できる限り対象の全てに字幕付与
通信衛星による放送
有線テレビジョン放送
当面は、できる限り多くの放送番組に字幕付与 

※1 字幕放送には、データ放送やオープンキャプションにより番組の大部分を説明している場合を含む。

※2 BS1、BSプレミアム及びBS4Kが「NHK BS」及び「NHK BSプレミアム4K」へと番組改定が行われた場合、当面の間、「NHK BS」及び「NHK BSプレミアム4K」については、できる限り目標に近づくよう字幕付与することを目標とする。

解説放送(※3※4※5

 普及目標の対象目標備考
放送時間放送番組
NHK7時から24時権利処理上の理由等により解説を付すことができない放送番組を除く全ての放送番組

「権利処理上の理由等により解説を付すことができない放送番組」とは次に掲げる放送番組
1.権利処理上の理由により解説を付すことができない放送番組
2.2か国語放送や副音声など2以上の音声を使用している放送番組
3.5.1chサラウンド放送番組
4.主音声に付与する隙間のない放送番組
2027年度までに対象の放送番組の15%以上に解説付与教育放送については、2027年度までに対象の放送番組の20%以上に解説付与放送衛星による放送(※5)については、できる限り目標に近づくよう解説付与
地上系民放
(県域局以外)
2027年度までに対象の放送番組の15%以上に解説付与 
(県域局)2027年度までに対象の放送番組の10%以上に解説付与に努める独立U局については、できる限り多くの番組に解説付与
放送衛星による放送
(NHKの放送を除く)
2027年度までに対象の放送番組の5%以上に解説付与に努める2000年度に放送を開始した総合放送を行う事業者以外の放送事業者については、できる限り目標に近づくよう解説付与
通信衛星による放送
有線テレビジョン放送
当面は、できる限り多くの放送番組に解説付与 

※3 大規模災害時等にチャイム音とともに緊急・臨時に文字スーパーを送出する場合、できる限り読み上げる等により音声で伝えるよう努めるものとする。

※4 平時において、視聴者の生命・安全に関係する情報をチャイム音とともに緊急・臨時に文字スーパーとして送出する場合についても、できる限り読み上げる等により音声で伝えるよう努めるものとする。

※5 BS1、BSプレミアム及びBS4Kが「NHK BS」及び「NHK BSプレミアム4K」へと番組改定が行われた場合、当面の間、「NHK BS」及び「NHK BSプレミアム4K」については、できる限り目標に近づくよう解説付与することを目標とする。

手話放送(※6

目標備考
NHK
(放送衛星による放送を除く)
2027年度までに1週間当たり平均30分以上に手話付与教育放送については、2027年度までに1週間当たり平均5時間以上に手話付与
地上系民放
(県域局を除く)
2027年度までに1週間当たり平均15分以上に手話付与 

※6 大規模災害時等に手話通訳者が同席する会見等を中継する場合、できる限り手話を映り込ませるよう努めるものとする。

menu