新年明けましておめでとうございます。心の底から読者の皆様にこのように申し上げられない残念な年明けとなってしまいました。犠牲になられた方々に衷心より哀悼の意を捧げます。また、被災された地域の皆様には心よりお見舞いを申し上げます。
平穏な時には地域社会には何も問題がないように見えますが、危機的な状況になった時にその本来の姿が露呈してしまうことを私たちは繰り返し目の当たりにします。生活を支える資源には限りがあり、すべての点で十分なところなどどこにも存在しないことを知るのです。
当協会では地域共生社会を実現するには、そこで暮らす人々に共通する基盤(視点)を把握する必要があるとの考えから、「Let’s 研修」というカードを用いた研修プログラムを開発し、現在その普及に努めています。この研修では3~5名までのグループを一つの地域社会と想定し、ニーズカードと支援カードという2種類のカードを使って、最も差し迫った優先的なニーズにはどの支援が適切かを合わせていくゲーム方式を採用しています。このカードゲームのポイントは支援カードには分野や枚数の制限があり、ニーズに最適な支援がない場合があるということです。したがって、適切な支援がない場合に他の支援方法はないか、あるいはグループのメンバーの知見から、新たに支援に導く方策を見出せないかなどをグループ(仮想地域社会)ごとに話し合い、解決方法を見つけ出すことをゲームの後に行います。実際の地域社会に起こり得る支援からの落ちこぼれをなくす方法を模索し、共生社会を構築するための視点を学ぶことができます。
早期の復興への道筋として、発災前には地域社会にどのような生活環境上の特徴があったかを探ることが重要です。一日も早い復旧、復興を願いつつ、本年もよろしくお願い申し上げます。(K)