病気とともに楽しい人生を!

「新ノーマライゼーション」2024年5月号

特定非営利活動法人わんぱくひろば 生活介護事業所 倫
赤尾真誠(あかおまこと)

自分のこと

私はデュシェンヌ型筋ジストロフィーという病気です。この病気の主な特徴は、筋力が徐々に低下していくところです。そのため、自分の生活スタイルを変更させながら過ごしてきました。そして、家族に助けてもらいながら生活をしています。

今していること

学校を卒業して、今は生活介護事業所に週5日間通っています。そこでは車の部品の組み立ての仕事をしています。小さい時から憧れだった車関係の仕事に就くことができてよかったと思っています。昼休みには、興味のあるイラスト制作関係の本を読み、アプリの使い方やイラストの描き方を勉強しています。将来は、イラストレーターになるのが夢です。家では、推し活をしています。好きなVTuberアイドルの推しのグッズを買って集めています。いつかは働いた賃金でライブに行きたいです。

今の自分になるまで

私は、地元の小学校を卒業した後、中学部・高等部と特別支援学校で学んできました。学校生活で一番辛かった時期は、小学校の時です。当時は自分のことで悩んでおり、「どうして自分は病気になってしまったのか」「何で他の人ではなく自分なのか」と思いながら過ごしてきました。6年生の時には、「学校に行きたくない」「もう生きていたくない」と毎日思うほど思い詰めていました。中学校も地元の学校に通いたいと思っていましたが、両親と話し合い、特別支援学校を選びました。最初は不安でいっぱいでしたが、今振り返ると特別支援学校を選んでよかったと思っています。その理由は2つあります。

1つ目は、友達や先生に恵まれたことです。何よりも友達の存在が大きかったです。障害をもっているにもかかわらず、明るく楽しく学校生活を過ごしている友達と過ごす中で、小学生の頃にあれほど悩んでいた病気のことを忘れている自分に気付きました。私は悩みをいつの間にか克服できていたのです。

2つ目は、全国特別支援学校肢体不自由教育校長会主催のプレゼンカップ(ミラコン)に2回参加したことです。1回目は小さい時からの夢であった自動車運転について、どうやったら自分でできるかを考えて提案しました。2回目は、現状では自動車運転は難しいのでその代わりになることはなんだろうと考え、ドローンの活用について提案しました。その結果、全国大会で2位の成績を収めることができました。2位になれるとは思ってもいなかったのでとてもうれしかったです。私は人前で発表することが苦手でしたが、ミラコンを通して、大勢の人の前で発表することが得意になりました。いろいろなことに挑戦する気持ちも以前より強くなった気がします。

未来の自分

未来の自分はイラストレーターになっていると思います。推しの絵を描いたり、オリジナルのキャラクターを描いてSNSに投稿したり、年2回東京ビッグサイトで開かれるコミックマーケット(コミケ)で二次創作の絵を販売したりしたいです。その売り上げで秋葉原に行き、推しのフィギュアやグッズを買いたいです。出かけることが好きなので、フェリーに乗って北海道に行って海鮮料理を食べたりもしたいです。

高校時代に情報処理やビジネス文書作成の検定に挑戦し資格も取ったので、その経験を生かして事務の仕事にも挑戦してみたいと考えています。

まだこの先の人生も長いので、これからも自分の病気と向き合いながら楽しく、悔いの残らないような人生を送りたいです。

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