編集部・JDF事務局
日本障害フォーラム(JDF)では、東日本大震災(2011.3.11)や熊本地震(2016.4.14)時にも現地に支援拠点を設け、JDF加盟団体の運営する施設、事業所、法人等の職員が交代で駐在し、被災障害者に対する支援を行ってきました。元旦に起きた令和6年能登半島地震についても2月21日には金沢市において情報交換会を実施するなど、拠点づくりのために石川県や県内の障害者団体、支援団体と調整を図り、今般、「JDF能登半島地震支援センター」(以下、支援センター)を石川県七尾(ななお)市和倉(わくら)町に設置が決まり、5月13日より活動を始めました。詳細はJDF災害総合支援本部(normanet.ne.jp)に掲載されていますが、現地取材しましたのでここに報告します。
建物は和倉東町町内会の事務所兼住宅で、日頃から町内会活動や障害者の支援活動に使用していたという木造2階建てです(写真1)。ここをJDFに提供したのが地元で活動していた、きょうされん石川支部長本田雄志さんです。本田氏には感謝しかありません。幸いにして(本田氏いわく、不思議に)家具等は転倒したものの建物自体に被害はなく、上水(出力は悪いが)、下水も使用可能で、風呂のボイラーが使用できないのと2階部分の転倒物の片づけが終っていないことぐらいとのこと。和室8畳が2つと会議(食事も可能)場所なども別にあり、交代でスタッフが活動するには十分な空間でした。今回の開設に当たり、家賃他、パソコン、コピー機、エアコン、洗濯機、布団、自動車、トラック等などは、リースも含め企業、団体の寄付で成り立っているJDF災害特別会計とAAR Japan(難民を助ける会)やゆめ風基金からの直接的、間接的支援によって整備することができました。ここにあらためて感謝の意を表したいと思います。
※掲載者注:写真の著作権等の関係で写真1はウェブには掲載しておりません。
特急電車の車窓からだけの様子ですが、途中の羽咋(はくい)駅を過ぎたあたりから屋根を覆うブルーシートが目立ち始めます。地震被害が半島の先(奥能登と称される地域)に集中していることがわかります。また、およそ千年の歴史がある和倉温泉街はそもそも「湧く浦」と呼ばれ海から湯が湧いた地域で、砂地で地盤がゆるいため道路や歩道もそこここで隆起、陥没していました(写真2)。
※掲載者注:写真の著作権等の関係で写真2はウェブには掲載しておりません。
支援センターの組織は次のとおりです。
センター長 田中弘幸氏(社会福祉法人石川県身体障害者団体連合会会長)
事務局長 本田雄志氏(きょうされん石川支部支部長)
事務局次長 大森勇人氏(きょうされん石川支部事務局長)
今後はこの方たちが中心となり被災障害者の要望をお聞きし、スタッフが実際の支援にあたりますが、現状では能登半島全域で道路などのインフラ整備が整っていないこともあって、被災障害者に関する情報が限られています。避難先で困っていることなどがありましたらぜひ情報をお寄せいただくようお願いします。
【JDF能登半島地震支援センター】
〒926-0175 石川県七尾市和倉町カ18
TEL 070-3288-2303 FAX 050-3457-6915
E-mail jdfnotoshien@gmail.com