リハ協アップデート

「新ノーマライゼーション」2024年6月号

デイジー子どもゆめ文庫(https://yume.jsrpd.jp/)のご紹介(1)

読み書きに困難のあるお子さんは、一般の書籍では読書の楽しみを知ることができません。当協会ではインターネット配信により視覚と聴覚の両方を使って活字に親しむことのできる読書支援として、マルチメディアデイジー図書を製作、提供しています。今月と来月の2回にわたり製作担当の職員がお薦めする図書を解説付きでご紹介しますので、ぜひ、ゆめ文庫にアクセスしていただき読書の楽しさを体験していただきたいと思います。

〇『これはのみのぴこ』谷川俊太郎作、和田誠絵、32ページ、サンリード

教科書にも何度も掲載される詩人谷川俊太郎のこれもまた有名な絵本。文章のリズム感が絶妙です。お母さんや先生が読んであげなくても、繰り返し、反復して聴けるのがデイジー図書の強みです。

〇『小説 はたらく細胞』時海結以著、清水茜原作、176ページ、講談社

NHKで放送中の人気アニメ「はたらく細胞」を今度は文章で読んでみるとまた違った「本だけのおもしろさ」を感じられます。インフルエンザやアレルギーの話、あなたの体の中で起こっていることがわかります。

〇『ひみつのビクビク』フランチェスカ・サンナ作、なかがわちひろ訳、33ページ、廣済堂あかつき

心の中の不安や恐れを「ビクビク」というキャラクターで表現しています。

〇『タイガー・ボーイ』ミタリ・パーキンス著、ジェイミー・ホーガン絵、189ページ、鈴木出版

環境破壊や貧困、教育について様々な問題がベースとなっています。少年が保護区から逃げ出した赤ちゃんトラを探し出すシーン以降、ハラハラドキドキの展開です。

〇『5000キロ逃げてきたアーメット』オンジャリ Q.ラウフ作、久保陽子訳、316ページ、Gakken

シリア紛争地から逃げてきた少年が家族と再会できるように、クラスメートが奮闘するお話です。遠い異国の出来事が他人事ではなくなります。

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