リハ協アップデート

「新ノーマライゼーション」2024年8月号

「JDF地域フォーラムinとやま」開催報告

去る7月28日(日)に富山県民会館にて富山障害フォーラム(TDF)と日本障害フォーラム(JDF)の共催による地域フォーラムが開催されました。地震発生後半年を経過してようやく「障害者権利条約が求めるインクルーシブな防災・減災~地域共生社会の実現に向けて~」と災害をテーマに開催できたこと、富山障害フォーラムの事務局ほかスタッフの尽力の賜物です。来賓には富山県厚生部障害福祉課長河尻茂明氏とこのフォーラムに支援をくださっているキリン福祉財団の年代常務理事が参加されました。

熊本地震の経験者でもあるDPI日本会議議長の平野みどり氏による基調講演でフォーラムがスタートしました。災害など危険な状況は人道上の緊急事態と捉える視点、例えば避難所などでは合理的配慮やジェンダーへの配慮がないがしろになる可能性が高いことを平時から認識しておくことの重要性を強調されました。石川県七尾市和倉のJDF能登半島地震支援センター大森事務局長より活動報告があり、5月以降すでに第12クールが終了したこと、生活支援に加えて、輪島市にある就労継続支援B型事業所と放課後等デイサービスの送迎支援が始まったことなどのお話がありました。

シンポジウムでは富山短期大学名誉教授宮田伸朗氏をコーディネーターとしてお迎えし、富山市手をつなぐ育成会から筧田裕美氏、with plus代表末村裕美氏、氷見市社協障害支援課長向井由美子氏よりそれぞれ発災直後から今までの状況報告があり、いずれの方も日頃障害者支援にあたっているお立場を維持しながら、同時に被災者である個人としてどのように行動すべきか悩みを抱えながら日々の支援業務を行っている心の葛藤を話されました。

自然災害の予知に対して交通機関も計画的に運休などをする傾向にあります。人道上の緊急事態を回避するために支援者側が予測の苦手な当事者に対して避難行動を促すアドバイスが今後は必要なのかもしれません。(K)

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