1964(昭和39)年9月29日に設立された当協会は60周年を迎えることができました。本誌のご購読者をはじめ、関係者各位にこの場をお借りして日ごろのご厚情に心より御礼を申し上げます。
また、1982(昭和57)年度より、当協会の総裁を務めていただいている常陸宮正仁親王殿下におかれましては11月28日に89歳のお誕生日を迎えられます。誠におめでたく、衷心よりお祝いを申し上げたいと存じます。
今年の干支(えと)は甲辰(きのえたつ)というそうで、堅い甲冑(かっちゅう)を破る勢いとともに、活力が旺盛で振(辰)いたつ時だそうです。先日、日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞したこと、旧優生保護法に憲法違反判決が下ったこと、反面、元旦に起きた能登半島地震、気候変動による猛暑やそれに伴う農産物や漁獲物の不安定な状況など清濁併せて考えると、なるほど「辰(龍)」が暴れた年だったのかもしれません。
この10年を概括すれば、ICT(Information and Communication Technology)による急速な社会変革でしょう。2019年の新型コロナのパンデミックが拍車をかけたことは言うまでもありません。当協会も「障害保健福祉研究情報システム(DINF)」の運営を厚生労働省より受託していますが、情報に関してもそのアクセシビリティを整備することが急務となっています。発信者側の都合ではなく、受信側に立ったウェブアクセシビリティを具現化していくことが求められています。社会の要請の早さに驚いてばかりはいられません。
60周年にあわせ、今月の特集は過去3回障害者団体等に執筆をお願いしていた「わがレジェンドたち」を当協会の諸先輩方にスポットをあてました。無難に本年を終えようとしている当協会であるのも、ひとえに先輩方の奮闘があったおかげと感謝する次第です。(K)