この冊子は、2008年3月29日に東京都民共済生活協同組合のご助成により開催した、「障害者の企業活動とマイクロクレジット」をテーマとする国際セミナーの報告書です。
これまで当協会では障害分野における主にアジア太平洋地域で行われている日本からの支援活動について、日本の関係者に紹介するためのセミナーを開催してきましたが、本セミナーでは少し趣向を変え、途上国で行われている一般的な開発活動に目を向け、中でも活発な広がりを見せているマイクロファイナンスの実態を紹介し、障害分野での活用について皆様とともに考えるきっかけといたしました。さらにフィリピンで行われている、協同組合方式による障害者の雇用機会の創出を紹介しました。
国内をみると従来の金融機関では融資を受けられない事業に対して、NGOやNPOが融資活動を行う例が増えています。福祉に頼らない形式での障害者の収入創出活動とそれを支える融資の仕組みを知っていただく機会といたしました。
本セミナーでは講師の方々と参加者との間で活発な質疑、ディスカッションも行われましたが、その様子も報告書に記載しております。
13:00 開会の挨拶: 財団法人日本障害者リハビリテーション協会副会長 松井亮輔
13:10-13:50 講演① 講師: 岡本眞理子氏 日本福祉大学大学院教授
「マイクロファイナンスによる貧困との戦い」
一途上国での貧困削減のためのマイクロファイナンスの概要、有効性と課題、実践例とマイクロファイナンス全体像について
13:50-15:00 講演② 講師: ジョニー・ランション氏
フィリピン全国障害者協同組合連合マネジャー
「フィリピンの全国障害者協同組合連合(NFCPWD)について
一協同組合方式で障害者の雇用活動を行なっている組合の連合組織について設立の経緯、現状と課題などについて
15:00-15:15 休憩
15:15-15:55 講演③ 講師: 杉岡直人民 北星学園大学教授
「北海道NPOバンクJ
一市民の参加と行政との協働として2002年に設立された北海道NPOバンクの設立までの経緯、実際の業務の現状と課題などについて
15:55-17:00 講師全員との質疑・ディス力ション、まとめ
進行: 松井亮輔
17:00-17:15 閉会のあいさつ: 財団法人日本障害者リハビリテーション協会常務理事 片石修三