[厚労省]医療的ケア児支援法成立

リハ協ブログ2021年6月11日より転載

令和3(2021)年6月11日、「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」(令和 3年 6月18日公布/法律番号81)が参議院で可決され成立しました。議案提出者は厚生労働委員長で、議員立法となっています。

法律の目的は、医療技術の進歩に伴い医療的ケア児が増加するとともにその実態が多様化し、医療的ケア児及びその家族が個々の医療的ケア児の心身の状況等に応じた適切な支援を受けられるようにすることが重要な課題となっていることに鑑み、医療的ケア児の健やかな成長を図るとともに、その家族の離職の防止に資し、もって安心して子どもを生み、育てることができる社会の実現に寄与するためとされています。

同法で「医療的ケア」とは、人工呼吸器による呼吸管理、喀痰吸引その他の医療行為とされ、「医療的ケア児」とは、日常生活及び社会生活を営むために恒常的に医療的ケアを受けることが不可欠である児童とされています。全国の在宅児は、約2万人と推計されています。

支援の内容は次のようになっています。

Ⅰ 国・地方公共団体による措置

  • 医療的ケア児が在籍する保育所、学校等に対する支援
  • 医療的ケア児及び家族の日常生活における支援
  • 相談体制の整備 ○情報の共有の促進 ○広報啓発
  • 支援を行う人材の確保 ○研究開発等の推進

Ⅱ 保育所の設置者、学校の設置者等による措置

  • 保育所における医療的ケアその他の支援→看護師等又は喀痰吸引等が可能な保育士の配置
  • 学校における医療的ケアその他の支援→看護師等の配置

Ⅲ 医療的ケア児支援センター(都道府県知事が社会福祉法人等を指定又は自ら行う)

  • 医療的ケア児及びその家族の相談に応じ、又は情報の提供若しくは助言その他の支援を行う
  • 医療、保健、福祉、教育、労働等に関する業務を行う関係機関等への情報の提供及び研修を行う 等

施行は、公布日から起算して3月を経過した日とされています。

詳しくは下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://www.mhlw.go.jp/content/12601000/000794739.pdf

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