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河村宏DAISYコンソーシアム会長、2008年デイトン・M・フォーマン博士記念賞受賞
DAISYコンソーシアム会長の河村宏氏は、国際図書館連盟（IFLA）大会の懇親会において、CNIB（カナダ全国盲人協会）より、デイトン・M・フォーマン博士記念賞を授与された。同賞は、世界中の印刷物を読めない障害がある人々に、他の人々と平等な情報サービスを提供できるようにした、河村氏の功績をたたえたものである。
CNIBは、地域密着型の全国的な公認慈善事業団体で、すべてのカナダ人の視覚障害にかかわる保健衛生、公教育、研究などに取り組んでいる。CNIBは、視覚障害者が質の高い生活を送るために必要なサービスや支援を提供している。デイトン・M・フォーマン博士記念賞は、優れた人道主義者であり、長年にわたりCNIBでボランティアを務め、印刷物を簡単に利用することができないカナダ人の生活を改善するために指導力を発揮した、デイトン・M・フォーマン博士に敬意を表して授与される。
「河村氏は、世界中の印刷物を読めない障害がある非常に多くの人々の生活に、多大な影響を及ぼしてきました」と、CNIBの情報担当部長Margaret McGrory（マーガレット・マクグローリー）氏は述べた。「発展途上国でのDAISY for Allプロジェクトや、印刷物を読めない障害がある人々による情報への平等なアクセスを支援する国際的な活動など、DAISYコンソーシアムにおける河村氏の功績は、まことに素晴らしいものです。CNIBの図書館は、アクセシブルなフォーマットの分野において河村氏がとられたリーダーシップや、DAISYを国際的なオープン標準規格とするための熱心な取り組みから、恩恵を受けてきました。現在CNIBの図書館では、数千タイトルものDAISYフォーマットによる図書を所蔵しており、カナダ全土の利用者が、これを利用できるようになっております。」
河村宏氏について
30年もの間、河村宏氏は、すべての人が平等に情報を利用できるようにするために、熱心に取り組んできた。河村氏は最近発表した論文の中で、印刷物を読めない読者のニーズにかかわるようになったきっかけについて、次のように述べている。「1977年、東京大学に初めて入学した視覚障害がある学生は、日本最大の図書館に所蔵されている何百万冊もの図書のうち、一冊たりとも読むことができませんでした。この事実に啓発されて、私は30年前、大学のキャンパスにいる視覚障害がある学生たちのために、図書館情報サービスを開発しようと考えたのです。私の目標は、文字で書かれた人類の知識を利用することができない、視覚障害者やその他の不利な立場にある人々のために、他の人々と平等な情報サービスを開発することとなりました。」河村氏は、世界中の印刷物を読めない障害がある人々のために、この目標に向けて取り組みを続けている。現在、河村氏はDAISYコンソーシアムの会長として、また国連世界情報技術開発同盟戦略協議会の一員としても活動している。さらに、世界盲人連合、ワールド・ワイド・ウェブ・コンソーシアム、国際図書館連盟などの機関において、さまざまな指導的地位についている。河村氏はまた、日本の国立身体障害者リハビリテーションセンター研究所で、現在の研究顧問としての役職を含め、これまでさまざまな専門的な職務を果たしてきた。
CNIBおよびデイトン・M・フォーマン博士記念賞について
CNIBは、視覚障害があるすべてのカナダ人にとって、支援と情報を最初に得られる場であり、また何よりも重要なことには、希望を与えてくれる場でもある。視覚障害にかかわる分野において、世間から認められている専門機関であるCNIBは、1918年以来、カナダ人の生活に大きな変化をもたらしてきた。デイトン・M・フォーマン博士記念賞は、1996年にCNIB図書館評議会によって設立され、視覚障害や印刷物を読めない障害を抱えながら生活しているカナダ人に対する図書館情報サービスの向上における、顕著な指導力をたたえて贈られる。過去の受賞者には、カナダ産業省、マイクロソフトカナダ社のFrank Clegg（フランク・クレッグ）前社長、トロント大学、およびカナダ郵政省などがいる。CNIBに関するさらに詳しい情報は、http://www.cnib.caをごらんください。
DAISYコンソーシアムについて
DAISY標準規格（デジタル録音図書用ANSI/NISO z39.86公式仕様）は、世界中の印刷物を読めない障害がある人々の読書体験に革命をもたらした。デジタルアクセシブル情報システムの略であるDAISYは、世界で最も広く使用されている、読みの支援技術である。世界中の志を同じくする組織によって1996年に設立されたDAISYコンソーシアムは、現在35か国を代表する70近くの非営利組織と、DAISYコミュニティとそのサービスの受け手となる人々のニーズに応じた製品とサービスを提供する、20を超える営利企業から構成されている。これらの組織と企業は、印刷物を読めない障害があるすべての人々の情報と知識への平等なアクセスを可能にし、同時に、広く地域社会に利益をもたらす国際標準規格と技術の開発と普及に協力して取り組んでいる。DAISYコンソーシアムおよびDAISY標準規格に関するさらに詳しい情報は、http://www.daisy.org/で入手できる。
DAISYコンソーシアム
ニュースリリース
http://www.daisy.org/news/attachments/DaytonFormanMemorialAward-PressRelease-August12-2008.html
(英語）