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DAISYコンソーシアム、日本障害者リハビリテーション協会、マイクロソフト
電子書籍のバリアフリー化に向けた取り組みで協力
2010年4月6日

〜 広く利用されている電子書籍フォーマットのMicrosoft Word向け作成ツールを無償提供 〜

DAISYコンソーシアム(本部:スイス、会長:河村宏)、財団法人日本障害者リハビリテーション協会(本部:東京都新宿区、会長:金田一郎、以下日本障害者リハビリテーション協会)およびマイクロソフト株式会社(本社:東京都渋谷区、代表執行役 社長:樋口泰行、以下マイクロソフト)は、電子書籍のバリアフリー化への取り組みで協力し、多くの電子書籍や学習教材に採用されているファイルフォーマット「DAISY」(デイジー)形式(注1)の文書を、Microsoft® Word(以下Word)で作成できるWordのアドインソフトウェア日本語版の無償提供を4月6日から開始しました。

2010年は「国民読書年」であり、国内外において電子書籍・電子出版に関する動きが活発になっていますが、文書が適切なフォーマットで電子化されることにより、紙媒体の活字図書の読書が難しい方のバリアが軽減されます。DAISYコンソーシアム、日本障害者リハビリテーション協会およびマイクロソフトは協力して、多くの方が電子媒体による書籍や教材の利点を享受でき、学習や趣味に役立てられるよう取り組みを推進していきます。


「DAISY」フォーマットで作られた文書は、文章を音声で読み上げたり、読まれている文章をハイライト表示させることができたり、世界中で視覚障碍(しょうがい)や読字障碍のある子どもの学習にも広く利用されています。しかしこれまでは「DAISY」フォーマットの文書を作成するためには専門の知識が必要で、専用の編集ソフトウェアを使用する必要がありました。今回無償提供を開始したアドインソフトウェア「DAISY Translator」(注2)をWordにインストールすることにより、専門知識を必要とせずに、飛躍的に短い作成時間で「DAISY」の文書を作成することができるようになります。このアドインソフトウェアは日本障害者リハビリテーション協会のWebサイト(http://www.dinf.ne.jp/doc/daisy/software/)から無償でダウンロードすることができます。


これにより、特に視覚障碍や読字障碍のある子どもの教育の現場において、「DAISY」フォーマットの学習教材が容易に作成され、授業や家庭での学習に役立てられることを想定しています。また、今後広く電子書籍が普及する際に、容易に電子書籍を作成するツールとして広く利用されることも想定しています。

DAISYコンソーシアム、日本障害者リハビリテーション協会およびマイクロソフトは、このアドインソフトウェアを使っての「DAISY」の学習教材作成の講習会などの普及活動も、協力して行っていきます。 今回の取り組みについて、以下のとおりエンドースコメントをいただいています。(順不同)

国立国会図書館長 長尾 真 様
「国立国会図書館では所蔵図書の電子化を進めており、全ての国民の知る権利が保障される読書のバリアフリー化を重要視しております。DAISYは国際的に開発と普及が進められているアクセシブルな情報フォーマットであり、今回の取り組みにより、多くの方の読書や学習の環境が改善されることを歓迎します。」

日本電子出版協会 会長 関戸 雅男 様 (研究社 代表取締役社長)
「日本電子出版協会(JEPA)はWordのアドインソフトウェア「DAISY Translator」の提供など今回の取り組みを歓迎します。現在JEPAでは、米国の電子書籍標準化団体IDPFと共に、世界標準となりつつあるEPUBの日本語要求仕様案を策定中です。EPUBとDAISYは密接な関係にあり、今後、縦書き、ルビなどのDAISYへの実装も視野に入れ、アジアの国々とも連携して標準化を推進しています。」

ISO/IEC JTC1 SC34/WG4(Office Open XML) 委員長 村田 真 様
「DAISY Translatorの中心となるのは、国際規格ISO/IEC 29500(Office Open XML)に規定された適合性クラスTransitionalからDAISYへの変換です。DAISY自体も、ANSI/NISO Z39.86 という規格になっています。DAISY Translator日本語版を歓迎し、今後とも規格に準拠しつつ発展していくことを期待します。」

社会福祉法人プロップ・ステーション 理事長 竹中 ナミ 様
「プロップ・ステーションは20年にわたり、ICTを駆使してチャレンジド(障碍のある人)のスキルアップと就労を促進する活動を続けてきました。昨年よりは、DAISYの可能性に着目し、発達障碍のチャレンジド学生たちがDAISY図書製作技術を学ぶセミナーの支援活動を行っています。多様な障碍像のチャレンジドたちの社会参画と就労促進のため、DAISYがますます活用されんことを心から願っています。」

シナノケンシ株式会社 代表取締役社長 金子 元昭 様
「シナノケンシは、1990年代のDAISYフォーマット策定段階から、DAISY対応機器をプレクストークのブランド名で開発・商品化を続けており、障碍のある方への読書環境の提供に努めてまいりました。当社は、今回のWordへのDAISY自動作成機能の提供を歓迎します。これにより、DAISYフォーマットによるアクセシブルな情報の制作が容易となるため、DAISY再生機等を用いてより多くの情報が広く利用されることを期待します。」


注1:DAISYフォーマット:DAISYコンソーシアムが策定するアクセシブルな電子書籍フォーマット。視覚障碍者や読字障碍者でも読書が可能なように、文章を音声で読み上げたり、読まれている文章のハイライト表示が可能。米国や欧米の多くの国で障碍者向け電子教科書や電子書籍のフォーマットとして採用されている。米国の標準規格ANSI/NISO Z39.86-2005として無償で公開されている。

注2: DAISY Translator:Microsoft Wordのアドインソフトウェア。インストールすることにより、DAISY形式のファイルがWordで作成可能になる。オープンソースソフトウェアで、日本障害者リハビリテーション協会のWebサイトから無償でダウンロードが可能。Word 2007、2003、XPに対応。