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アクセシビリティの入門3-アクセシブルなウェブ作り

(財)日本障害者リハビリテーション協会

執筆年月 2003年

はじめに

 インターネットの普及は、健常者だけでなく、障害者の日々の生活にも、便利さ、豊かさをもたらしました。しかし、そのためには、障害者のインターネットの利用をなるべく制限しないようにするための、いろいろな工夫や努力が欠かせません。そういう状況の中で、ウェブサイトのアクセシビリティが脚光を浴びるようになってきました。
ウェブサイトのアクセシビリティとは、障害を持つ方たちにとっての、ウェブサイトの利用しやすさのことです。もう少し正確にいうと、「障害者が、障害を持たない一般の個人と同じように、ウェブサイトの情報やデータを利用できるようになっていること」です。

そして、いわゆるウェブサイトにおけるアクセシビリティの問題とは、障害者がウェブサイトを利用できるように配慮されているかどうか、という問題にほかなりません。 あるいは、もっと分かりやすく情報バリアフリーと呼ぶ人もいます。インターネット上の情報にアクセスするための障壁を取り除くことが、問題になっているからです。

そして、ウェブサイトにおいて、アクセシビリティがある方が好ましいのは当然ですが、そのために、サイトを作成する人の負担が過大なものとなってしまったり、ウェブサイトのデザインが制限されてしまうのでは、かえってアクセシブルなサイト作りは放棄されてしまうでしょう。

もし、アクセシビリティのために、絵はまったく使えないということになれば、多くの人はアクセシビブルなサイトを作ろうとは思わないでしょう。犠牲が大きすぎるからです。

幸運なことに、パソコンはこのような問題を解決するのに向いています。いくつかの点に気を付ければ、誰でも、デザイン上の制限なしに、また、多大な労力をかけることなく、アクセシブルなサイトを作ることができます。もっとも、ことはそれほど簡単でないと意見も一方にありますが。

米国では、すでに、連邦政府の提供するウェブサイトのアクセシビリティを法律で規制しています。障害者を公共的なウェブサイトから閉め出してはならないという精神に基づくものです。

この法律、アクセシビリティに関する具体的かつ詳細な規制である米国リハビリテーション法第508条は、2001年6月に施行されました。

そして、この第508条により、実質的に、政府関係のウェブサイトにおけるアクセシビリティの問題は、解決をみたと言ってよいでしょう。この規制は、WAIという団体の作成したアクセシビリティのガイドラインに沿ったものになっています。

 日本にいる我々がアクセシブルなウェブ作りをする場合、具体的には、どのようにしたらよいのでしょうか。

基本は、さきほどのWAIのガイドライン(http://www.zspc.com/documents/wcag10/)に沿ったウェブ作りをするということにつきます。

もっとも、このガイドラインは専門的であったり、HTML言語(ウェブページ記述言語)の書き方に関するものであったりして、分かりにくいかもしれません。その上、すべてのウェブサイトを対象にしている都合上、一般的な記述も多く、具体的にどうしたらよいか、迷う場合も少なくありません。

そこで、インターネット上には、このガイドラインを理解するために、インターネットでも閲覧できるいくつかの補助的な文章があります。チェックリスト(http://www.zspc.com/documents/wcag10/full-checklist.html)とか、解説(http://www.asahi-net.or.jp/~bd9y-ktu/WEBc_f/wcag_f.html)とかそういったものですが、これらを利用するのも良い考えです(リンク)。

実際は、ガイドラインをそのまま使うのではなく、自身のサイトために、必要な部分を抜粋したり、敷衍したり、または付け加えたりして、利用している人が多いようです。

我々はウェブサイトを製作する場合に、意識するにせよしないにせよ、そのサイト独自の方針を設定していますが、アクセシビリティに関してもこのようにいくつかの方針を設定して、サイト全体で統一的に対応することをすすめます。規模の大きなサイトほど、このような独自の方針の設定が必要となるでしょう。

このような取り組みは、ガイドラインからさらに一歩すすめたものですが、いわば、アクセシビリティに関する戦略といってもよいのかもしれません。

 また、アクセシビリティを確立するために、いくつかのソフトウェアツールも利用できます。

なかでも重要なのは、アクセシビリティの検証ツールです。 無料で使えるものとして、「Bobby」「A-Prompt」「Personal i-Checker」などがありますが、残念ながら、現時点で日本語化されているものは、「Personal i-Checker」などごく一部にすぎません。 これらの検証ツールを使いながら、ウェブ作りをすることが、アクセシビリティ実現のための手っ取り早い方法の一つでもあります。これらの検証ツールは、作成したウェブサイトのアクセシビリティに関する問題点を指摘してくれますので、その問題点を検討すればよいのです。

また、ホームページ作成ソフトを使っている方は、作成ソフト自体に備わっているアクセシビリティ支援機能を使うことができるかもしれません。

 アクセシブルなウェブ作りをすすめる上で、障害者の方がどのようなソフトを使って、ウェブを利用するかを知っておいた方が良い場合があります。

とくに視覚障害者の方が使うスクリーンリーダーと呼ばれる自動読み上げソフトが重要です。このソフトは、ウェブサイト上のテキスト情報をコンピューターに読み上げさせるものです。

スクリーンリーダーに配慮してウェブ作りをすすめることが、求められています。

 ポイントは、ウェブ上の情報のうち、テキストデータだけを利用しているという点です。テープレコーダーを使って、テキスト情報を読み上げているというイメージで考えれば良いでしょう。

アクセシブルなウェブサイトにおいては、イメージの代わりのテキスト情報があったり、手早く本文にジャンプできるように、リンクの張り方を工夫してあったりします。

 この記事の最後では、このDINFサイトを作成する際に具体的に問題となったことや、解決済み、あるいは未解決の問題を解説します。

DINFサイトのアクセシビリティに関する戦略といったものも紹介したいと考えてます。

アクセシブルなウェブを作ろう

 インターネットの普及により、私たちの生活はたいへん便利になりました。メールからインターネットショッピングまで、日々の生活の場だけでなく、職場においてもインターネットは欠かせないものになりつつあります。
そして、インターネットやパソコンの普及は障害者にとっても、素晴らしい福音となりました。

例えば、インターネットショッピングだけみても、その便利さが分かります。歩いてその店までいかなくても、商品をみて、パソコン上で買うことができるのですから。外出のままならない障害を持つ方にしてみれば、このようなインターネットの利用方法はほとんど必須といえるものなのかもしれません。

むろん、ショッピングのような経済活動だけでなく、必要な情報を入手する手段としてもインターネットは生活に欠かせないものになりました。

インターネットを通じて、公的機関の提供する情報だけなく、市民一人一人の提供する情報や議論に接したり、音楽や絵、映画さえも楽しむことができるようになってきました。障害ゆえに現実的には一人で行くことのできなかった美術館の絵をみたり、音楽を聴いたり、映画を観たり、本を読んだりということもできるようになったのです。

自活していこうとする障害者の方にとって、インターネットはまさに天の配剤といえるものなのかもしれません。

健常者からみると、インターネットは日々の生活を便利にする道具にすぎないのかもしませんが、障害者の立場ではこれまで障害ゆえにで出来なかったことが出来るようになったという意義を有する場合が少なくありません。ある意味では、健常者よりも、むしろ障害者の方においてこそ、インターネットの利用が切実な問題になっているのです。

ここにアクセシブルなウェブサイトを作る意義があります。

アクセシブルなウェブサイト、もしくはウェブサイトにおけるアクセシビリティとは、障害者の方がインターネットからウェブサイトを訪れたときに、容易にウェブサイトの機能を利用できるようになっているということです。情報バリアフリーという言い方をする人もいます。

もし障害者の利用が制限されてしまうウェブサイトばかりになれば、せっかくのインターネットも、障害者を閉め出すようなものになってしまいます。 そこで、ウェブサイトのアクセシビリティの確立が切実な問題として浮かび上がってきたのです。

そのためには、ウェブサイトの運営にたずさわっている一人一人の協力と理解が必要でしょう。まずは、アクセシブルなウェブサイトを作ることが重要です。

サイト製作者の憂鬱

 アクセシブルなウェブサイトを作る第一の意義は、まさにウェブサイトを利用する障害者の利益を考慮してのものでした。

しかし、ウェブサイトといっても様々です。公的機関の提供するサイトから、一般市民が日記のようなものを公開するサイトまであります。数多くの商用サイトがありますし、ただ写真を載せているだけのものや、特定のユーザーに向けて限定的に公開しているしているサイトもあります。

ウェブサイトのアクセシビリティも、サイトの目的や運営者、利用者によって、その必要性や、達成度が異なってきます。たとえば、公的機関の作るウェブサイトの場合には、アクセシビリティへの配慮が強く要請されていると考えられます。なぜなら、それらのウェブサイトは公共的なものであって、本来、障害と関係なく、市民の誰もがおなじように利用できるものでなくてはならないからです。アクセシビリティへの配慮を怠るのは、結果として、障害者に対して利用の道を閉ざしてしまうことになりかねません。このような事態になれば、憲法の規定する福祉国家の精神に反することになってしまいます。 アメリカでは、公共的なサイトに対して、法律で相当具体的に、アクセシブルであることを義務づけています。公共的なサイトは障害者を閉め出してはならないという精神に基づくものです。日本でも将来的には、このような方向にすすむことになるでしょう。
一方、民間のサイト、とくに一般市民が商用目的もなく作成するサイトについてまで、このような、アクセシブルなサイト作りの負担を法律で強制的に義務づけるのは妥当ではないでしょう。このようなサイトについていえば、将来的にも、アクセシビリティに関する指針を作って示すにとどまると考えられます。

いずれにせよ、障害者も広くインターネットを利用できるようになるためには、アクセシブルなサイトが多ければ多いほど良いのは間違いありません。

アクセシブルなウェブサイトを増やすためには、アクセシブルなウェブ作りが負担の軽いものでなくてはなりません。

アクセシブルなサイトにするために、過度の負担がサイト作成者にかかるようだと、法律で強制でもしないかぎり、そのようなサイトは増えないということになってしまいます。

したがって、アクセシブルにするということで、サイト作成者にいくらかの負担があるのは避けられませんが、その負担は障害者というウェブサイトの利用者を増やすメリットよりも過大なものになってはならないのです。

幸いにも、ユーザーの個性に合わせて、インターフェースを変えていくのは、もともとパソコンの得意分野です。たとえば、視覚障害者のアクセシビリティについてまったく配慮しないサイトであっても、ユーザーの側で人工的に読み上げるプログラムを使うことによって、対処することだって可能なのです。

つまり、障害者に向けて特別にページを作成しなくても、場合によっては特殊なソフトウェアを利用したり、適切に設定することによって、ユーザーの側で対処することができるのです。 それゆえ、アクセシビリティに配慮するといっても、後述するガイドラインを参考にしながら、いくつかの点に気を付けてウェブサイトを作成するということにとどまります。 さらに、もう一つ注意したいのは、アクセシブルなサイトにこだわるあまり、サイトのデザインを制約してはならないということです。

もし、絵を削ってテキストだけのサイトにしたりすれば、場合によってはサイト自体の存在意味を損ねることになりかねません。アクセシブルにこだわるあまり、テキストだけの、つまらないサイトになってしまっては本末転倒です。

したがって、重要なことですが、アクセシブルにする上でのデザイン上の制限は本来あってはならないのです。

もっとも、よりシンプルなデザインにするというのであれば、それは必ずしも悪いことではないと思います。一般の利用者の視点でみても、ウェブのデザインが改善されているからです。 このように、じつは、アクセシブルなサイト作りを目指すことによって、健常者にとってもより好ましいサイトになると我々は考えています。

よく挙げられる例は、ウェブページの絵の部分にテキスト情報を付加するという指針です。テキストがあれば、視覚障害を持つ方にとっても絵の情報がアクセシブルになりますが、健常者が閲覧する場合でも、なんらかの原因でイメージをうまく表示場合や、転送速度が遅い場合にそのテキスト情報が役立ちます。

 アクセシブルなウェブ作りに一番、必要なのは常識と、障害者が使う場面を想定するという想像力でしょう。

常識を働かせ、うまく情報を整理し、シンプルなウェブサイトにするということは、障害者のみならず、一般の利用者にとっても、歓迎されないはずがないのです。

法律とアクセシビリティ

人間社会は、放っておけば弱肉強食になるのが自然の流れです。しかし、このような社会は決して、住みやすい社会だとも安心できる社会だともいえないでしょう。 そこで、法律により流れを変えて、弱者も安全に暮らせるような社会にする必要が生じます。

よく考えれば、誰でも老人になれば肉体が衰えますし、病気にかかることだってあります。誰だって、潜在的に弱者になりうるのです。今は健常者であっても、将来、障害者になる可能性があるのです。障害者が安心して暮らせる社会にすることが、しいては健常者も安心して暮らせる社会につながるといえるのではないでしょうか。

 近年、アメリカで、公共的なウェブサイトについて、そのアクセシビリティを法律により義務づけようという試みがなされました。

関連する二つの法律を紹介してみます。

 一つはADA(米国障害者法)です。ADAは心身に障害をもつ人々の権利に関する包括的な法律です。この法律をもとに、ウェブサイトについても、いくつかの訴訟が提起され、判例が作られました。 ADAは公共的な場所や交通機関における、アクセシビリティを義務づけています。インターネット上のウェブサイトにおいてもADAが適用されるのか議論されています。 判例は、市民が直接役所を訪れずに情報を求めた場合も、平等に応じなければならない、とします。この判例に従うとすれば、役所の提供するサイトにおいては、障害者の利用が制限されてはならないということになります。

ADAは、「州政府と地方自治体、および公共性のある施設」について、、「身体に障害のある者が有効なコミュニケーションを行えるように、必要な場所にふさわしい補助装置とサービス」を要求します。 したがって、必ずしも政府の提供するウェブサイトに限らないといえます。もっとも、民間のウェブサイトにおいてまで、ADA法がアクセシビリティを強制しているとは議論の余地のあるところです。

最近になって、もっと具体的かつ詳細で、実効性のある法律が施行されました。
米国リハビリテーション法第508条です。

ウェブサイトのアクセシビリティに関する最も重要な法律で、世界でもっとも先駆的な法律です。

第508条はいくつかの修正を経て、2000年12月21日に詳細かつ具体的な基準が定立され、2001年6月に発効しました。

この基準は、後述するWAIのガイドラインの項目の優先項目を抜き出したものですが、違反した場合の訴訟手続までも規定されていることは注目に値します。 第508条はいってみれば、連邦政府の提供するウェブサイトについて、過度の負担がかからない限り、そのアクセシビリティを強制するものです。 したがって、すべて連邦政府の提供するウェブサイトはアクセシブルでなければなりません。 政府の提供するサイトのアクセシビリティの問題については、アメリカでは法律によって、ひとつの決着がついたといえるでしょう。

日本においては、まだそこまで議論がすすんでいませんし、法律もありません。しかし、政府や地方公共団体の提供するサイトがすべてアクセシブルなものになるのは、それほど先のことではないはずです。

アクセシブルなウェブサイトを作るには

 それでは、具体的にアクセシブルなウェブサイトを構築するには、どのようにしたらよいのでしょうか。一言でいうと、WAIのガイドラインに沿ったウェブサイトを作ればいいのです。

アクセシビリティを実現するための手引き書とチェックリストがあります。

 WAIの作成した「ウェブ・コンテンツ・アクセシビリティに関するガイドライン1.0」 (http://www.zspc.com/documents/wcag10/index.html)と、その付録となる「チェックリスト」(http://www.zspc.com/documents/wcag10/full-checklist.html)です。これらは、インターネットで公開されていますので、是非、参照してください。

いわゆるWAIのガイドラインと呼ばれるものです。

 このガイドラインは、ウェブコンテンツ・アクセシビリティ・ガイドライン1.0 技術書(http://www.zspc.com/documents/wcag10-tech/index.html)によって一覧性のあるリストとしてまとめられていますし、石川准氏によるガイドラインの解説(http://fuji.u-shizuoka-ken.ac.jp/~ishikawa/wcga.htm)も参考になります。

 また、WAIのではありませんが、インターネット上にあるメーカーのガイドラインも参考になります。たとえば、IBMのサイトにある、IBMの定立したアクセシビリティのガイドライン(日本IBMのホームページへ(アクセシビリティのガイドライン))や、「アクセスしやすいWebサイト設計のためのヒント」(日本IBMのホームページへ(アクセスしやすいWebサイト設計のためのヒント))などです。それなりに具体的に、書かれていると思います。

 そして、おおざっぱにいえば、このWAIのガイドラインに沿ってウェブサイトを構築することが、アクセシビリティ実現のための近道となります。
先の米国におけるリハビリテーション法508条は、WAIのチェックリストで優先度1のチェックポイントを満たすよう、連邦のウェブサイトに義務づけるものなのです。 今のところ、WAIのガイドラインは、アクセシビリティを実現する上でもっとも重要で基本的な手引きとなります。

ガイドラインの作成者であるWAI(Web Accessibility Initiative、http://www.w3.org/WAI/)とは何でしょうか。

まず、W3C(World Wide Web Consortium、http://www.w3.org/というコンソーシアムがあります。HTMLやHTTP、XMLなどの仕様を作ったところで、いわば、インターネットにおける標準を定める組織の総本山です

 WAIは、このW3Cが1997年2月に立ち上げたグループで、障害者のウェブサイトにおけるアクセシビリティを実現するために、設けられました。そして、WAIはその役割を果たすために、いくつかのガイドラインやチェックリストを発表しました。すなわち、このWAIこそが、ウェブサイトにおけるアクセシビリティに関する問題を扱っているもっともおおもとの組織だといえます。

じつは、WAIの発表したガイドラインはいくつかあるのですが、ウェブサイトの構築のさいに役に立つとなるのが、先ほどの「ウェブ・コンテンツ・アクセシビリティに関するガイドライン1.0」なのです。

 ちょっとだけ、WAIのチェックリストに示された優先度1のチェックポイントをみてみましょう。優先度1のチェックリストは、アクセシビリティを実現するために満たさなければならない、基本的な要請です。こんなチェックポイントがあります。

  • テキスト以外の要素には、必ず同等の役割を果たすテキストをつける。

これは、たとえば、ウェブサイトに絵のデータがあれば、テキストを付加して、視覚障害者のアクセシビリティに配慮しよう、ということなのです。 他にも、視覚障害者に対する配慮として、

  • 色によって表現されている情報は、タグ等によっても示しておく。

というのもあります。

現実問題として、これらのガイドラインにはHTML言語(ウェブページ作成言語)レベルの指針が多いことも事実です。一方、ウェブ上でHP(ホームページ)を公開している多くの個人は、IBMホームページビルダーのなど、メーカーのHP作成ソフトを使ってウェブサイトを構築している方が多いでしょう。これらのユーザーのすべてが、HTML言語を理解しているとは限りません。 そこで、HP作成ソフトを使って、アクセシブルなウェブサイトを作ることになります。

WAIは、HP作成ソフトについても、ガイドラインを作りました。「オーサリング・ツールのアクセシビリティ指針」 http://fuji.u-shizuoka-ken.ac.jp/~ishikawa/authorin.htm です。HP作成ソフトがこのガイドラインを満たすものであれば、アクセシブルなウェブサイト作成が可能なはずです。例えば、IBMのホームページビルダーはHTML言語に対応して細かい設定が可能ですから、ガイドラインを実行することが出来ますし、アクセシビリティのチェック機能もあります。 HTML言語について深い理解がなくとも、HP作成ソフトを適切に利用することにより、アクセシブルなウェブサイトを構築することは十分可能なのです。

ツールの利用

構築したウェブサイトがアクセシブルかどうかを検証する一つの方法として、先にホームページ作成ソフトの機能を使うという方法を述べました。また、むろん、ガイドラインを満たしているかどうか、手でチェックするという方法があります。 しかし、ページ数が多かったり、繁盛に更新があるような場合には、手でチェックするのは面倒ですし、現実的にではありません。 そこで、アクセシビリティの検証用ソフトを使うことになります。 いくつか無料つかえる検証ツールがいくつか、インターネット上で公開されています。

アクセシビリティの検証ツールは手近に利用できるようになっていれば、アクセシブルなウェブサイトを作る上で強力な武器になります。ただ、日本語化の遅れている分野でもあり、今しばらく、待たなければならないかもしれません。