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国際シンポジウム「国際協力と障害の問題に人権の枠組みを」

障害分野におけるスウェーデンの国際協力活動の現状と課題

スウェーデン障害者連合、ストックホルム支部長  ヤン・カウアー

ご来賓の皆様、障害をもつ兄弟姉妹の皆様、私はこの重要な会議で皆様の前で話が出来ることを大変光栄におもいます。私はヤン・カウアーと申しますが、これはスウェーデンの一般的な名前ではありません。 私は第二次世界大戦中、バルテック海沿岸にあるエストニアから小さな船で対岸のスウェーデンにやってきた難民の家族の長男です。母はスウェーデン人です。
 現在、スウェーデン障害者連合(DHR)のストックホルム支部長をしています。
 まず、スウェーデンの状況について簡単にご紹介します。皆様の国とはかなり違うと思いますので、少し知っていただきたいと思います。次に私たち障害者について話します。私たちは障害をもつ人々と言いますが、アフリカのタンザニアでは、障害をもつ人という意味で、PWD(Persons with Disability)という省略語が使われています。
 次にDHRの歴史や活動さらに国際活動について、そしてSHIA(スウェーデン障害者援助団体協会)についてお話します。SHIAは、Solidarity(連帯)、Humanity (人道主義)、International Aid(国際援助)の頭文字を取ったものです。

■スウェーデンについて

 スウェーデンは地球の北側、ヨーロッパの北部に位置しています。スウェーデンの国土は約45万平方キロで、規模でいうとヨーロッパではかなり大きい方です。人口は約900万人です。日本は37万平方キロメートル、スウェーデンはイギリスの約2倍の大きさで、1994年に欧州連合に加盟することを決めました。
 首都ストックホルムは1953年に700周年記念を祝いました。現在市内には80万人、ストックホルム大都市圏には150万人が住んでいます。我々は長い間平和の時代を享受してきました。最後に平和協定を結んだのは1814年で、1809年に国の半分、つまり今のフィンランドがロシア領になって以来侵略を受けていません。スウェーデンは今世紀の初めは貧しい国でしたが今は世界でも富んだ国の1つと言えます。
 スウェーデンは国王を国家元首とする議会制民主主義国家で、4年に一回選挙があります。前の選挙で左派政党と環境政党に支えられた、少数政党である社会民主党による連立政権となりました。1932年以来社会民主党がずっと政権と取ってきましたが、この間スウェーデン中央政府または市町村が、人々が健康でより良い生活を営むために責任を負っています。このことを集団的連帯とでも呼びましょうか。

■私たちはいったい誰でどんな要望をもっているのでしょうか。

 私たちは「障害をもつ人」ですか? どう説明したいかによっていろいろな表現方法があると思います。「たくさんの障害者がいる」という人もいるでしょう。地球人口60億人のなかで、障害をもつ人は6億人います。あるいは盲人、視覚障害者、知的障害者、ろう者または聴覚障害者、肢体障害者や、糖尿病患者と表現する人もいるでしょう。
 私は2つの違った方法で説明したいと思います。まずエストニアの写真をお見せします。これがわれわれを描写するひとつの方法です。私は過去3年間、かなりの時間を割いて、エストニアの障害者団体と協力してトレーニングプログラムに関与してきました。これが私たちの描写した障害者で、有能であるということ、差別を受けているということ、そしてみかけは美しく、社会にたいして良いものをもたらすことを示しています。
 われわれの要求は何でしょう。これに答えるのはとても簡単です。「特別なこと」や「特典」を求めているのではありません。すべての国民と同じ条件の元で生きる権利、働く権利を求めているだけです。

■スウェーデン障害者連合 (DHR)について

 次に私の所属団体である、DHRについてお話ししましょう。1923年に、スウェーデン第二の都市ゴッテンバーグにある職業訓練センターに通う学生、訓練生によって設立されました。
 DHRは障害をもつ人自身の組織です。障害者団体としては最も古い組織の1つで、今ではほとんどの市町村に支部があります。会員数は3万人で、国家レベル、カウンテイレベル、市町村でそれぞれ組織を持つ典型的なスウェーデンの市民運動のやり方で運営されています。市町村レベルでは、ホームヘルパーやアクセスビリティについて、またカウンテイでは、バス、地下鉄、通勤電車を含む公共交通や特別交通機関、ハビリテーションとリハビリテーション、雇用について。また国レベルでは介助、法律などについて活動します。DHRはDPI(障害者インターナショナル)、またFIMITIC(ヨーロッパの障害者団体)、NHF(ノルデイック肢体不自由者団体協会)などの会員でもあります。DHRはまた、これからお話するSHIA(シア:スウェーデン障害者援助団体協会)の有力メンバーのひとつです。

■SHIAについて

 SHIAは非政府、非営利団体で、南半球の途上国や旧ソ連邦国家における障害をもつ人々や当事者団体と協力したり支援することを目的に設立された、スウェーデンの障害者団体によって構成される組織です。そして他の国際団体や国内団体の途上国で活動をより良いものにし、障害をもつ当事者を援助活動に加えるように働きかけています。
 SHIAは1981年、国際障害者年に設立されました。SHIAは、独自のプログラムやプロジェクトの運営は行っていません。ひとつだけ例外は、スウェーデン政府のコンサルタントとして南アフリカでのプログラムの実施です。SHIAは加盟団体が主導したり支援しているプログラムの執行機関です。
 会員団体が活動しやすくなるよう、国際協力の専門機関として設立されました。それぞれの会員団体やスタッフ、途上国のパートナー団体の役割はプロジェクト合意書に記されています。プログラムの実行責任はそれぞれの国のパートナー団体が担います。
 SHIAは長期的行動を目指しています。開発には時間がかかります。経済面や教育面で非常に貧困な状況におかれた人々と共に活動をしようという時には特にそうです。
 SHIAの会員団体によって支援されているプログラムは次の3つのカテゴリ-に分けられます。

 カテゴリー1. 障害当事者の団体の強化と支援
 皆さんは、障害者自身の(of)と、障害者のための(for)、の違いはご存じだと思います。違いをわかりやすく説明するために、今から障害者自身の(of)という言葉をしばしば使います。当事者自身による団体では障害をもつ我々が力をもち、リーダーシップを発揮します。障害者のための団体は当事者を支援するために作られ、しばしば慈善に基づいていたり、教師によって管理されることもよくあります。Forの団体では障害者は会員にはなれますが、障害者が意志決定に参加しているかどうかは定かではありません。
 当事者団体としてよく知られているのは、DPIです。

 カテゴリー2. ハビリテーション/リハビリテーションプログラムへの支援
 この中には従来のリハビリテーションと地域に根ざしたリハビリテーション(CBR)の両方が含まれます。
 スウェーデンでは、ハビリテーションとリハビリテーションを区別しています。リハビリテーションは事故や病気で失ったスキルを取り戻すための訓練を提供することで、ハビリテーションはとても若い障害者に、修得した経験のない訓練を提供するものです。
 これらは大変に大まかな定義ですが、我々の方法を理解していただくためのヒントとしてご紹介しました。

 カテゴリー3. 教育的・職業的訓練プログラムのへ支援
 これらはすべての子供のための学校教育に統合されていますが、特殊教育プログラムもあります。また教師の訓練も支援しています。

 私個人としては1つめのカテゴリーである障害者組織の強化が最も興味深く、やりがいも感じます。障害者の生活条件を改善するために必要な社会変革は、現地の人々と共に行わなければならないと確信しています。彼らの自信と力が示されなくてはうまくいきません。美しい砂の城はつくれますが、雨がふればなくなってしまいます。
 団体の強化の任務を達成するのは難しいことですが、実施上、以上の点を忘れないようにしなくてはなりません。SHIAの活動がユニークなのもこれらの点からです。

■活動資金について

  主な財源は、Sida(スウェーデン国際開発協力庁)から出ています。Sidaはプログラムコストのうち90%を負担し、残りの10%はSHIAの各会員団体が拠出しなければなりません。DHRは1993年の総会で、会費の1%を団体からの拠出にあてることを決議しました。他に会員が特別な銀行口座に送金し寄付することも可能です。一般市民からの資金集めはしていません。SHIAの年間予算は3,500万スウェーデンクローネで、これは420万米ドルに相当します。
 それでは予算について紹介しましょう。

開発途上国
管理費
 2,800,000クローネ
プログラム(会員団体からの拠出も含む)
 18,700,000クローネ
アクセシビリテイ(障害調整費)
 4,500,000クローネ
情報・資料
 2,500,000クローネ
方法の開発
 2,300,000クローネ
合計
 30,800,000クローネ

東欧諸国
管理費
 370,000クローネ
プログラム(会員団体からの拠出も含む)
 2,947,000クローネ
障害調整費
 649,000クローネ
情報・資料
 170,000クローネ
方法の開発
 33,000クローネ
合計
 4,169,000クローネ

 障害調整費には、障害をもつ人が活動するのに必要な介助者費用、手話通訳費用、特別な配慮のあるホテルや交通手段の調達、視覚障害者用資料作成費などが含まれます。

■SHIAの会員団体について(後述の表を参照)

 DHRはSHIAの19の会員団体のひとつです。他の団体についてすべて説明はしませんが、2つだけ取り上げます。スウェーデン盲ろう者協会(FSDB)はとても小さい団体ですが、東欧とラテンアメリカでプロジェクトを実施しています。視覚障害者協会(SFR)も大変重要な団体です。両方とも1960年代から国際協力活動を始め、今でもSHIAをとおして多くのプログラムを実施しています。
 SHIAの会員団体はさまざまなプログラムを世界中で行っています。1998年には23ヶ国で活動しました。

*ヨーロッパでの活動(1998年)
 エストニア:
   カテゴリー1.に関して1つのプログラム、SHIAの団体はDHR
 ラトビア:
   カテゴリー1.に関して2つのプログラム、SHIAの団体はthe Swedish Asthma and Allergy Association, RNj
 リトアニア:
   カテゴリー1.に関して2つのプログラム、SHIAの団体はPSO, FUB
 ポーランド:
   カテゴリー2.について3つのプログラム、SHIAの団体はNHR
 ルーマニア:
   カテゴリー3.について1つのプログラム、SHIAの団体はFUB

*アフリカでの活動
 象牙海岸:
    カテゴリー1.について1つのプログラム、SHIAの団体はSRF
 エチオピア:
    カテゴリー2.について1つのプログラム、SHIAの団体はNHR
 ガンビア:
    カテゴリー1.について4つのプログラム、SHIAの団体はRBU、SRF、
 ガーナ:
    カテゴリー1.2.3.について2つのプログラム、SHIAの団体はDHR、NHR、RBU、SDR、SRF
 ケニア:
    カテゴリー1.3.について7つのプログラム、SHIAの団体はFSDB、SDR,FUB、SRF
 タンザニアおよびザンジバール:
    9つのプログラム、SHIAの団体はSRF・DHR・SDR・HRF合同、SDR・HRF合同、FUB、SOR、SRFが2つ、RTP、DHRが2つ
 ザンビア:
    カテゴリー1.について1つのプログラム、SHIAの団体はSRF
 ジンバブエ:
    カテゴリー1.について1つのプログラム、SHIAの団体はSRF
 南アフリカ:
    カテゴリー1.について1つのプログラム、DHR・SDR・SRF合同

*ラテンアメリカでの活動
 ペルー:
    1つのプログラム、SHIAの団体はFUB
 コロンビア:
    カテゴリー3.について1つのプログラム、SHIAの団体はFSDB
 ニカラグア:
    カテゴリー1.と3.について5つのプログラム、SHIAの団体はRTP、RSMHが2つ、SRF、SDR

*アジアでの活動
 スリランカ:
    カテゴリー1.2.3.について3つのプログラム、SHIAの団体はSRF・FUB・SDR・DHR合同、FUB、US
 インド:
    カテゴリー1.3.について3つのプログラム、SHIAの団体はFUB2つ、SRF
 ネパール:
    カテゴリー1.2.3.について3つのプログラム、SHIAの団体はSDR2つ、NHR
 タイ:
    カテゴリー1.3.について2つのプログラム、SHIAの団体はHRF、SDR
 ラオス:
    カテゴリー1.2.3.について3つのプログラム、SHIAの団体はHRF2つ、HRF・SDR合同
 ベトナム:
    カテゴリー1.2.3.について1つのプログラム、SHIAの団体はSRF

 他にも地域的または世界的規模で行われているプログラムもあります。

 今回は、皆さんは我々のアジアでの活動を知りたいのではないかとお察しいたします。そこでラオス、ベトナム、タイ、ネパールにおける活動を簡単に紹介し、次にスリランカでのDHRの活動について、もう少しくわしく説明します。

*ラオスにおける活動について
 ラオスではHRFが活動しており、3つのプログラムを実施しています。一つは診断方法、医師・看護婦の訓練による聴力低下予防ケアプログラム。基本的な外科手術装置が導入されマニュアルを印刷しました。ラオスでのパートナーは保健省です。2つ目は、保健省と国立医療リハビリテーションセンターにあるろう学校と合同で実施するプログラムで、内容は教員養成の改善、新しい方法やスピーチトレーナーの導入、保護者へのへのカウンセリング、教育をより受けやすい教室などによる聴覚障害児・者へのリハビリテーションおよび教育に関するものです。
 3つ目はラオス障害者団体との合同プログラムで、団体強化、役員の英語および手話の能力を高めること、そしてろう者・聴覚障害者に対する一般の人々の意識向上を行っています。

*ベトナムにおける活動について
 SFRがベトナム盲人協会と合同で、CBRプログラムを行っており、内容は主に農村に住む視覚障害者に対する教育、リハビリテーションおよび職業訓練です。

*インドにおける活動について
 インドでは、FUBが、インドのREACHという団体と共に一般の人たちの障害児・者への態度を変えるための情報活動を行っています。プログラムは10年に渡って行われ、1999年に終了します。また300人の親に対する訓練プログラムも実施しました。
 SFRはインドの視覚障害者連盟と協力して、農村に住む視覚障害者への教育・リハビリテーション、職業訓練をCBR活動をとおして行なっています。また視覚障害者に適したCBRの開発も試みています。

*ネパールにおける活動について
 ネパールでは次の3つのプログラムを進めています。
 NHRはネパール障害者協会と共にCBR活動を9つの村で展開しようとしています。内容はネパールの障害者協会の組織運営の強化、女性グループの強化の努力、女性の状況について認識向上などです。また手話通訳もプログラムに含まれています。
 カトマンズろう者協会とスウェーデンのパートナー団体は若いろうの女性のための縫製ワークショップを始めました。
 スウェーデンろう協会はネパールろう者協会と難聴者協会に協力しておりCBRプログラムを行っています。

*タイにおける活動について
 HRFはバンコクにあるOntological Center、コンケンろう学校とともにろう児の就学前教育プログラムを始めようとしましたがうまくいきませんでした。

*スリランカにおける活動について 
 スリランカでは様々なプログラムが進行中です。スウェーデンの視覚障害をもつユースの会(US)はRatmalana盲学校とともに職業ガイダンスプログラムを行っています。FUBは南部地域のGollaで知的障害をもつ女性が15人暮らせるホームを作りました。
 さて私が多くの時間を費やしているスリランカでのプログラムについてお話しましょう。このプログラムは現在では正式には「スリランカのリハビリテーション、障害者福祉および救済に関する国家政策補強プロジェクト」と呼ばれています。DHRは1985年11月にアメリカのIHAPという団体がスリランカの障害者のための職業訓練と職業斡旋への支援プログラムから急に撤退した時から引き継いで行っています。なぜ彼らが撤退したのかはよくわかっておりません。

 我々がこのプロジェクトを地元のオフィスとスタッフも含めて引き継ぎ、6ヶ月間運営に携わりました。この間、将来計画を立て、プログラムに現地の団体に参加してもらうことが重要であると認識し、地元の関係団体および政府機関とが一同に会するフォーラムの場を提供することを決めました。そして関係省庁、当事者団体を含む関係団体、センターおよびSHIA本部代表から構成されるプロジェクト委員会を設置し、委員長には社会省の大臣が任命されました。プログラムは14年間継続し、非常にうまくいっていると言えますがそれは80年代のことで今日ではプログラムは多くの面で変化しています。先に述べましたようにDHRはプログラムを引き継いで数ヶ月間現地スタッフと運営に携わる間に、スカンジナビアのプロジェクトリーダーを募集、養成しコロンボに送りました。あの頃重要に考えていたのは、我々の活動目的や文化的背景を理解する人を見つけることでした。スリランカでは、現在でも北部と東部で内紛が続いており、両者に多くの犠牲者が出ています。南部ではJVPというシンハラの団体による騒乱も多く起こりました。我々も影響を受け、プロジェクトを実施するには困難な時期でしたが、何とか継続してきました。プログラムを振り返って評価できるようになったのは1993年のことでした。その時点で1,000人のスリランカの障害者がとても小規模な雇用の場で働けるようになりました。女性達は、紅茶の袋づめ、キャンデイ作り、繊維工業など様々な産業で職に就きました。

 数年前SHIAは、本部採用でコロンボに配置するスリランカのナショナルコーデイネーターを置くことに決め、スリランカの人を雇いました。とても幸運だったと思います。彼はそのポジションに就くのにぴったりの人ですが、ひとつだけハンデイキャップがあります。それは彼には障害がないということです。SHIAが同様のプログラムをタンザニアで実施した評価のためにスリランカのコーディネーターに行ってもらいました。スリランカとタンザニアのプログラムに関してはさらに連絡を取り合っています。スリランカのコーディネーターの引退後には後継者としてスリランカの障害者を雇いたいと考えています。  我々のスリランカでの正式なパートナーは、社会省、教育省および西部・南部の州議会です。 1999年から2000年の開発目標は、国連障害者に関する世界行動計画、国連障害者の機会均等化に関する標準規則、すべての人に教育をというサラマンカ宣言などの目的推進のため、スリランカの障害者の社会経済的状況を改善すること。また1996年制定の「障害者権利擁護法」の目的達成のためスリランカ政府を支援することです。

 プロジェクトの目的は、障害者のリハビリテーション、福祉、救済などに関する政府の政策の実施を推進するため障害者が利用しやすい環境作りを推進すること、障害者団体の強化によって彼ら自身が権利を擁護し彼らに適した環境作りを行っていくこと、平等の機会を得るための政治的意志決定のプロセスのモデルを提供すること、CBRプログラムへの支援です

 さて以上の目的達成のためにどんな活動をしたら良いのでしょう。
 プロジェクト委員会には関係省庁、社会局、教育機関、教員養成校、SHIAスタッフ、当事者団体、支援団体などの代表が参加しています。
 プロジェクトについては次のとおりです。
障害者の状況、権利、恩典に関する認識を社会の中で作ること、これはテレビ、ラジオでのコマーシャルや新聞広告など様々な方法で行います。SHIAとの協調により団体の強化をはかること。 障害者にサービスを提供している団体や施設を支援すること。社会省、全国障害者協議会とその事務局、教育省、社会福祉局、州政府など関係省庁への支援を、1人分の人件費やセミナー開催費用を負担するなど様々な方法によって行うこと。
Kalutara地域で行われているプログラムをKalutara District Rehabilitation Foundation(カルトゥラリハビリテーション基金)と協調してまとめていくこと。同基金ではそれにあてる資金を用意しています。同プログラムの執行部には政府を含む関係機関代表とこの地域に住む障害をもつ人が含まれています。確認されている障害をもつ当事者すべてが集まって代表の選出に参加します。
Golla地域における地域に根ざした資源開発プログラムは、ろう者の場合を除いてはインクルーシブ教育に重点を置いて継続します。
ろう教育において手話の推進によりろう者を支援し、SHIAとの協調によりろう者団体の強化をはかっています
。 女性障害者協会が各地域に女性障害者組織を作ることをSHIAは推進しており、Anuradhapuraでの組織作りから開始します。

 ご説明しましたように、我々は障害団体ばかりでなく関係政府機関とも大変緊密に活動しております。また我々は前面に出ないようにしています。これらのことによりプログラムが持続可能となり、スリランカ政府の事業の一部となっていくことと考えます。そして我々が最終的に資金援助を終了した後も、障害団体と政府が平等のパートナーとして対話を続けることと思います。

 ありがとうございました。