第22回総合リハビリテーション研究大会
「地域におけるリハビリテーションの実践」-総合リハビリテーションを問い直す-報告書
【チャンピオン・レポート】:地域におけるリハビリテーションの実践
司会:三ツ木任一
- (1)施設を出て町に暮らす:小林 繁市
- (2)その人らしい生活を地域で築くために-地域支援センターの活動を通して-:江上 直子
- (3)障害当事者による自立生活のサポート活動:堤 愛子
- (4)地域におけるリハビリテーションの実践:成田すみれ
この企画が生まれたわけ、そしてそのねらいは
ねらい
三ツ木/皆さんこんにちは。これからチャンピオン・レポートを始めます。午後1時から約3時間にわたって、我が国の障害者にかかわる実践活動のなかから、私ども実行委員会で選りすぐった四つの先進的な実践を、それぞれの分野のエキスパートに、ご報告いただきます。
そのご報告を通して、それぞれ実践の場での活動ぶりをみて、「あ、これが本物のリハビリテーションなんじゃないか」といったものを、皆さんに探り当てていただこうという趣向です。
このチャンピオン・レポートをイントロダクションとして、明日の午前に分科会が三つ設定されています。実をいいますと、言い方を変えるとこれからのご報告は、明日の分科会にどれだけ参加者を動員できるかのコンペになっている訳です。持ち時間は一人40分で、休憩時間を取ります。
今大会のプログラムの構成で、午前の対談は客寄せの目玉企画でしたが、午後のチャンピオンレポートと明日の分科会、そして最後のパネルディスカッションまでを一つの流れととらえて、リハビリテーションって何だったのかをしつこく追求してみたいと考えています。
この企画の生まれたわけ
この研究大会は、リハビリテーション交流セミナーから数えて22回になります。戦後間もなくアメリカから仕入れてきたリハビリテーションという概念や方法が、50年たった現在も、障害者にかかわる各分野で必ずしも共通理解されてないというのが、この企画の発端です。具体的には、リハビリテーションという用語をほとんど使わない障害分野や領域が、社会リハビリテーションの分野もやっと市民権を得たかなといったところです。
「リハビリテーション」という用語自体も、そのときどきで使われ方が違っていたようです。
長年やればやるほど、リハビリテーションなるものの本来の意味がよく分からなくなりました。
私が20年間勤めていた東京都心身障害者福祉センターでは、昭和40年代後半から60年代にかけ、「リハビリテーション」に代わる日本語を本気で考えてみました。
最初に思いついたのが「地域生活援助」でした。地域生活援助はそのうちポピュラーな言葉になってしまったのであきらめました。しばらくして「参加促進技術」という言葉を使いましたが、これはあまりはやらずに立ち消えてしまいました。 「リハビリテーション」が日本に定着しなかったのはなぜでしょうか。ということで、リハビリテーションそして総合リハビリテーションの本来の意味をもう一度吟味してみようというのがこの企画のねらいです。
誰かが持ち出した「チャンピオン・レポート」という言葉は初耳でしたが、もっともらしいので、使うことにしました。チャンピオン・レポートって何と聞かれて、私が即座に「とびきり上玉の」と説明したらウケたので、今日もそれを使わせていただきます。
今日報告いただく方はそれぞれの分野のエキスパートで、今日のこのセッションはお一人40分間、お好きなようにやってくださいとお願いしてあります。それぞれの実践を40分でプレゼンテーションしてもらう。スライドやビデオ、OHPなどを使って、楽しいプレゼンテーションしてくださると思います。
小林さんが登壇される前に、ビデオを数分見ていただきます。
実はこのビデオは放送大学の教材で、以前現地取材させていただいたものです。では、ビデオをお願いします。
実践報告の一番手は伊達市の小林繁市さんです。
日本障害者リハビリテーション協会
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