CBR*(地域に根ざしたリハビリテーション)・CBID**(地域に根ざしたインクルーシブ開発)
*CBR: Community-based Rehabilitation
**CBID: Community-based Inclusive Development
解説
CBRは1980年代に地域社会にある既存のさまざまな資源を活用して、途上国の農村に住む障害のある人と家族の生活の向上のためにWHOが開発して取り組まれてきた。CBRの定義は「CBRは障害をもつすべての子どもおよび大人のリハビリテーション、機会均等化および社会統合に向けた地域社会開発における戦略の一つである。CBRは、障害のある人、家族およびコミュニティ並びに適切な保健医療・教育・職業・社会サービスが一致協力することによって実施される」(1994年合同政策方針、WHO,ILO、UNESCO)とされた。
その後、2004年にCBR合同政策方針改定版の発行、さらに2006年の国際障害者権利条約制定の影響を受け、2010年にCBRガイドラインが発表された。(WHO, ILO, UNESCO,IDDC)CBRガイドラインでは障害者権利条約の原則が適用され、CBRの目的はCBIDである、とした。CBIDとは、コミュニティや社会が障害のある人をはじめとする、すべての脆弱な人々やグループを含めてインクルーシブなものに変わることを意味している。「ジェンダー、障害、少数民族、難民状態の人、セクシャルマイノリティその他、誰も開発から取り残されてはならない。インクルーシブ開発では、異なる関係当事者間でのパートナーシップや連携が必要である。特にCBR,障害者団体、家族、政府間の連携は大事である。」(マヤ・トーマス2010)
日本障害者リハビリテーション協会では、2004年版のCBR合同政策方針(CBR研究会訳)、CBR調査報告書、CBRセミナー報告書や関連する報告・論文の掲載、およびCBR・CBID研究を行っている障害分野NGO連絡会(JANNET)とリンクして情報を提供している。
Dinfサイト内の関連ページ
- 2012年度CBRセミナー CBR vs三方よし 報告書
- マヤ・トーマス氏講演会・対話交流会「インクルーシブなコミュニティ作りのために」―CBRガイドラインはどう使われるのか?―報告書
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国際セミナー 「CBID-コミュニティにおけるインクルーシブ開発を深める」
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WHO西太平洋地域事務所によるCBRワークショップ
- 平成20年度国際セミナー「CBRから学ぶ」報告書
- 第1部 CBR 地域に根ざしたリハビリテーション ~私たちの体験から~ 障害者の声
- Part 1 Community-Based Rehabilitation as we have experienced it : voices of persons with disabilities(英語)
- CBR ジョイントポジションペーパー 2004
- CBR -A Strategy for Rehabilitation, Equalization of Opportunities, Poverty Reduction and Social Inclusion of People with Disabilities Joint Position Paper 2004(英語)
- COMMUNITY -BASED REHABILITATION WORKERS OF SOUTH INDIA: THEIR ATTITUDES AND THEIR EDUCATION John Paterson* 2000(英語)
- 「アジア太平洋障害者の十年」最終年記念フォーラム 大阪フォーラム報告書
- 南アジアにおけるCBRの政策・計画に関する課題
- デビット・ワーナーの活動 (地域に根ざしたリハビリテーション)-CBRにおける障害者の役割-
- デビット・ワーナーのCBR 3.CBRにおける専門家の役割
更新日:2014年3月10日