障害者福祉に関する新長期行動計画
とちぎ障害者福祉プラン
No.1
希望と生きがいに満ちたこころかよう福祉社会をめざして
平成5年2月
栃木県
項目 | 内容 |
---|---|
立案時期 | 平成5年2月 |
計画期間 | 平成5年度~平成12年度(8年間) |
はじめに
障害者の福祉につきましては、国際連合が昭和56年に「国際障害者年」を設定し、さらにその後、「国連・障害者の十年」(昭和58年~平成4年)を設定したのを契機に、国際的に関心が高まり、我が国においても10年間の長期計画が示され、各方面において、福祉の増進に向けた動きが見られたところであります。
本県におきましても、昭和58年に「障害者福祉に関する長期行動計画」(平成4年度までの10年計画)を策定し、この計画に添って各般にわたる取り組みを進めてまいりました。
この間、人口の高齢化、核家族化や県民意識の多様化などの傾向が見られ、さらには、福祉関係八法の改正などがあり、障害者を取り巻く環境は大きく変化してきております。
これらの変化に対応し、来るべき21世紀に向けて、障害者の福祉の向上を本県の重要課題として位置づけ、より積極的に取り組んでいくためには、障害者はもとより地域、職域そして行政が一丸となり、いわば197万県民がこぞって行動をおこすための目標としくみが必要であります。
このため、西暦2000年を目標年次として、新たに、「文化・スポーツ・国際交流の促進」と「リハビリテーションの総合的推進」を基本目標に加えるとともに、県民だれもが役割を担い、着実に実行するためのしくみを明記した、障害者福祉に関する新長期行動計画「とちぎ障害者福祉プラン」を策定いたしました。
この計画は、県や市町村の行政施策のためのものであるばかりでなく、県民一人ひとりが、障害者福祉の理念を十分理解し、自ら行動するための目標であり、指針です。また、障害者自身や御家族、地域、職域、そして関係団体やボランティアの方々など、県民一人ひとりの積極的な取り組みにより、はじめて達成し得るものであります。
障害のある人もない人も、同じ時代を、同じ県士に生きるだれもが、希望と生きがいをもって幸せに生きる、真に豊かな「ふるさととちぎ」を築くため、皆様の御理解と御協力をお願い申し上げますとともに、積極的な行動を期待いたします。
平成5年2月 栃木県知事 渡辺 文雄
目次
- 第1部 計画のあらまし
- 第2部 基本計画
- 第3部 行動計画
- 第4部 計画のすすめ方
- 付属資料
第1部 計画のあらまし
第1章 基本的な考え方
第1節 計画策定の趣旨
1背景
- 昭和58年にスタートした「国連・障害者の十年」が終了し、本県の「障害者福祉に関する長期行動計画」 (昭和58年度~平成4年度)もその期間が終了しまた。
「完全参加と平等」の実現をテーマとして進めてきたこの10年間に、障害者自身の主体的な努力、障害者に対する県民の理解の深まり、行政施策の充実など、たくさんの成果が得られました。これらの成果を継承し、さらに発展させていく必要があります。 - 本県の65歳以上の高齢者人口は、平成4年10月1日現在、およそ26万人で、県の総人口の13.3%を占めています。そして、平成12年(西暦2000年)には33万8千人になり、県民の約6人に1人が65歳以上になると予想されています。これに伴い、高齢障害者の増加が予想されます。
- 核家族化が進み、県民の価値観の多様化などの社会の変化が見られます。また、福祉関係八法も改正され、障害者を取り巻く環境も大きく変化してきました。
2これまでの成果
- 国際障害者年(1981年)がテーマとした「完全参加と平等」の理念は、徐々に県民に浸透し、障害者に対する理解が深まりつつあります。
- 障害者自身にも、社会参加への意欲の向上など、意識に変化が見られます。
- 施策の対象となる障害の範囲の拡大やサービスの種類の増加など、福祉施策が充実してきています。また、施設福祉サービスに加えて、在宅福祉サービス面の充実にも力が入れられてきています。
- 保健・医療の充実、教育の充実、雇用対策の強化や公共施設の改善も進んできています。
- 年金制度が改正され、給付額が大幅に引き上げられました。
3 今後の課題
- 障害者福祉のより一層の向上のため、社会の変化に伴う新たなニーズヘの対応が必要です。
- 障害者にとって、日常生活上の最低限の条件整備にとどまらず、さらに「生活の質」(QOL)の向上に配慮することが大切です。
- 障害のある人もない人も、乳幼児から高齢者まで、だれにとっても暮らしやすい社会を実現するために、総合的な取り組みが必要です。
4 計画策定の趣旨
- これまでの成果をさらに発展させ、引き続いての課題や新たな課題に対応し、障害者の生活の質を高めるためのより高い目標を設定する必要があります。
障害のある人もない人もみんなが幸せに生きる、真に豊かな「ふるさととちぎ」を築くため、新たに長期行動計画を策定し、全県民が力をあわせて、本県の障害者福祉の増進を計画的・総合的に推進することとします。
第2節 障害者福祉の理念
- 国際障害者年のテーマである「完全参加と平等」を、新計画においても引き続き基本理念とします。
- この理念がめざすものは、障害者が同世代の障害のない人と同じように生活できる社会です。同レベルの権利が保障されることの機会などが同じように保障されること,たとえば、市民生活の機会、教育の機会、就業の機会などが同じように保障されること、また、同レベルの社会的義務を果たすことができる社会です。
- この理念を達成するための最大の課題は、「こころの壁」を取り除くことです。障害のある人・ない人、健康な人・病弱な人、こどもからお年寄りまで相互に理解しあってこそ、「こころの壁」を取り除くことができます。
- 同じ時代を、同じ県士に生きる人びとがともに協力しあう社会、障害のある人もない人も、みんながともに生きる社会をめざします。
- 障害の有無や年齢の違いにかかわらず、県民一人ひとりが障害者福祉の理解を深め、行動することによって、「完全参加と平等」の社会を実現します。
- この計画の行動理念は、障害者福祉の向上のためだけのものではなく、だれにとっても真に豊かな福祉社会の実現をめざすための理念でもあります。
第3節 計画の性格
- この計画は、単に行政施策のプログラムではありません。障害者自身はもとより、県民一人ひとりが、自ら行動するための目標であり、指針です。
より良い社会を築く原動力は、一人ひとりの積極的な行動です。県民だれもが連帯し、社会福祉の向上の担い手として行動することにより、この計画の成果が得られるのです。 - この計画は、県や市町村の行政にとってもその施策の目標であり、指針です。行政は、計画の推進者として、この計画を着実に推進するために必要な施策を積極的に実施しなければなりません。
第4節 計画の期間
- この計画の期間は、平成12年(西暦2000年)を目標年次として、平成5年度から平成12年度までの8年間とします。
この期間は、計画の推進期間であると同時に、21世紀の福祉社会の課題を探り、その解決方策を求めるための準備期間でもあります。
第5節 計画の内容
- 福祉社会の21世紀像を描きます。
西暦2000年のあるべき地域社会をイメージし、障害者の姿、障害別・年齢別の環境、まちの姿、さらに、障害者福祉が総合的に推進される姿の未来像を描きます。 - 目標年次の平成12年までに行動すべき目標を描きます。
この8年間に、県民一人ひとりが行動し、行政が施策を実施すべき目標を、基本目標・行動目標・行動のテーマ・行動計画として明示します。 - 行政施策や県民の行動内容を明らかにします。
障害の種別や程度に応じたサービス、乳児から高齢者までの年齢に応じたサービス、在宅福祉・施設福祉ごとのサービスなどのほか、いつでも・どこでも・だれでもできるボランティア活動など、行政が取り組むべき施策や県民が行動すべき内容をもれなく明示します。 - それぞれの分野の役割を明らかにします。
障害者自身の行動、全県民の行動、地域・企業の役割、社会福祉法人の役割、県や市町村の取り組みを明らかにします。 - 計画の総合的推進のしくみを明らかにします。
それぞれの役割の担い手が互いに連絡し、協力しあいながら、県民の行動と行政の施策が連携するなど、この計画を総合的に推進するためのしくみを明らかにします。また、計画の実効性を確保するためのしくみについても明らかにします。
第6節 障害者の概念
- この計画における「障害者」の概念は、「先天的か否かにかかわらず、身体内又は精神的能力の不全のために、通常の個人生活並びに社会的生活に必要なことを、自分自身では完全に又は部分的にできない人」ととらえることとします。
この定義は、第30回国連総会で決議された「障害者の権利宣言」によるものです。
第2章 こころかよう福祉社会の21世紀像
第1節 障害者の姿
○ 障害者自らが、勇気と意欲と希望をもって生きています。
- 自分の障害を恥ずかしかったり、隠したりせずに、周囲の人びとと積極的に交流する機会をつくります。
- 障害者自らが、豊かな生活を送るための努力をしています。
- 自分のもっている能力を十分に発揮して、自分でできることは自分でやり、できないことはまわりの人に援助を求めます。周囲から気軽に援助の手がさしのべられ、その援助を素直に受け入れます
- みんなと同じように、文化活動や趣味活動などを楽しむ質の高い生活を送っています。
○ 障害の除去(治療)に努めています。
- 必要な専門医療が必要に応じて身近なところで受けられる体制が整っていて、これを積極的に利用しています。
- 必要な更生医療の費用について、助成を受けています。
○ 障害の軽減に努めています。
- 必要な医学的リハビリテーションを、身近なところで継続して受けています。
- 重度の障害者は、自宅において、機能の回復・維持のためのリハビリテーションの訪問指導や介護を受けています。
- ハイテクによる高精度の補装具、高機能の福祉機器や日常生活用具を使い、もっている能力を存分に活用し、希望をもって生きています。
○ 健康の保持・増進に努めています。
- 障害者自らが、介護者ともども、健康の保持・増進を心がけています。
- 重度の障害者が健康診査を受診し、その結果に応じ保健婦や栄養士などが派遣され、健康指導や栄養指導を受けています。また、医療機関からの訪問看護を受けています。
- かかりつけの家庭医による健康管理や相談指導を受けています。
- 地域の歯科相談医に行き、歯科診療も受けています。
○ 学習意欲をもち、学習の機会を積極的に利用しています。
- いつでも、だれでも、学習の機会をもてる生涯学習システムと場が整備され、自分にあった学習をしています。
- 施設改善が進み、県民を対象とした講座などに積極的に参加しています。
- 自宅において、自分の望む通信教育を受講しています。
○ 就業意欲をもち、自立のための努力をしています。
- 就業の機会や場が確保され、事業主やともに働く人びとの理解もあるため、働く意欲が出てきます。
- 就業のための準備として、いろいろな訓練を受けています。
- 一般企業における障害者雇用が進み、障害にあった設備・機械などを備えた工場や事務所が設置されていて、自分に適した職種についています。
- 一般雇用になじめない障害者には、作業や社会参加の場が確保されていて、自立への道を歩んでいます。
○ 豊かな趣味活動やスポーツ・レクリェーション活動を行い、いろいろな場面で社会参加をしています。
- 障害者の移動手段が確保され、行動の範囲が広がっています。
- 障害者の情報伝達の手段が確保されており、周囲の人びととコミュニケーションを図っています。
- 地域に障害者が参加できる文化活動、スポーツ、レクリエーションなどの場があり、クラブも結成され、これに積極的に参加しています。
○ 家庭、地域、施設において、適切な援助を受けています。
- 家庭の介護者の健康管理が図れるよう、短期や中期の施設入所あるいは通所ができるため、障害者にとっても安心です。
- 施設が地域に適切に設置され、在宅介護の支援を行っているので、これを利用しています。
- 地域における援助体制が確立しているので、悩みごとの相談をしたり、介護や外出などの支援も受けています。
- 介護者の労力負担を軽減するため、電動リフトや浴室用リフトなどの福祉機器を使った介護が実施され、気がねなく介護が受けられます。
○ 生活の安定と豊かな老後を心がけています。
- 就業により生活を安定させるとともに、重度の障害者は、年金や手当などの支給を受けています。
- 若いころから趣味活動などを積極的に行うよう心がけていたために、生きがいを見出しています。
- 高齢者向けの施設も整備されていて安心です。
第2節 障害別の環境
○ 肢体不自由者
- 補装具、日常生活用具、福祉機器の開発が進み、身近に整っています。また、トイレや風呂など住宅の改造が進み、より自立した生活を送ることができます。
- 利用頻度の高い道路、公園、その他の公共的施設は、段差の解消、利用しやすいトイレやエレベーターの設置などの改善が進んでいます。また、交通機関の改善により移動が容易にできるため、気軽に外出し、社会活動に参加できます。
- 重度の障害者にはホームヘルパーが派遣され、介護や外出の支援が受けられます。
- 理学療法士、作業療法士、義肢装具士などによる専門的な訓練・指導が受けられます。
○ 視覚障害者
- 音声や振動による福祉機器を使用し、より自立した生活が送れます。
- 点字情報ネットワーク、点字図書や声の図書などにより、情報を得ることができます。
- 盲導犬やガイドヘルパーによる介助により、外出が可能です。
- 点字ブロック、磁気誘導・音声案内システム、音声信号などが整備され、一人でも安心して外出ができます。
- 視能訓練土による専門的な訓練・指導が受けられます。
○ 聴覚障害者・平衡機能障害者
- 補聴器などの補装具、光や振動を利用した屋内信号装置などの日常生活用具、福祉機器の利用により、充実した日常生活が送れます。
- 文字放送システム、ファックスなどの利用により、新しい情報が刻々と伝達されてきます。
- 手話通訳、要約筆記により、コミュニケーションが確保されています。
- 補聴器適合の専門家による指導が受けられます。
○ 音声機能障害者・言語機能障害者・そしゃく機能障害者
- 人口喉頭などの補装具、意志伝達装置などの日常生活用具、福祉機器の利用により、日常生活上の不便をあまり感じません。
- 喉頭摘出者は、言語療法士による発声訓練が受けられます。
- 携帯用会話補助装置やファックスなどにより、情報の伝達が確保されています。
- そしゃく機能障害者は、機能回復のための援助が受けられます。
○ 内部(心臓・じん臓・呼吸器・ぼうこう・直腸・小腸)機能障害者
- 人工透析などの医療の援助やストマ用装具などの補装具の給付をはじめ、日常生活上の援助が受けられます。
- ストマ療法上などの専門家による装着訓練が受けられます。
○ 精神薄弱者
- 職業についたり作業所に通ったりして、自ら生活の安定に努めています。
- 社会奉仕活動に積極的に参加し、地域の人びとと一緒に生活しています。
- 音楽、絵画、工芸などの趣味活動やスポーツなどで優れた能力を発揮し、自信をもって生きています。
- 重度心身障害児者の在宅介護支援体制が整っていて、家族が一時的に不在になっても安心です。
- 対人関係、余暇の活用、健康管理など日常生活上の悩みについて、いつでも相談できるようになっています。
- 社会参加や交流・ふれあいの場が確保され、生きがいやよろこびを見いだしています。
○ 精神障害者
- 保健婦やケースワーカーの訪問指導を受け、地域で安心して暮らしています。
- 地域の作業所などに通って、社会への適応訓練を行っています。
- 医療施設が充実し、適切な医学的リハビリテーションも受けています。
- 医療費も助成され、安心して治療が受けられます。
- 必要な人には、住居が提供されています。
- 障害者の自主グループ活動に、いろいろな援助が行われています。
第3節 年齢別の環境
○ 乳児期
- 4か月児健診、8か月児健診など早期に健康診査が受けられ、障害の早期発見体制が整っています。
- 健康診査の結果によっては、二次健診や療育指導が受けられる体制が整っています。
○ 幼児期
- 1歳6か月児健診や3歳児健診が受けられ、健康診査の結果によっては、二次健診や療育指導が受けられる体制が整っています。
- 幼稚園、保育所、母子通園ホームなどに通い、療育指導が受けられるほか、小学校に入学するための訓練が行われています。
- 家庭における「自立のこころ」を育てるためのしつけの仕方について、相談指導が行われています。
○ 義務教育期
- 通常の学級や特殊学級のほか特殊教育諸学校が整備され、訪問教育も充実しています。
- 一人ひとりの障害や特性に最も適した教育が確保され、個性や可能性が大切にされています。
- 進路指導や進路別の訓練・指導が、保健・医療・福祉・職業の各分野の関係機関との連携のもとに、早い時期から行われています。
- 通学が困難な児童・生徒のための寄宿舎が整備されています。
○ 後期中等~高等教育期
- 就学を希望する人には、特性や能力に応じ教育の機会が保障されています。
- 進路指導や進路別の訓練・指導が、保健・医療・福祉・職業の各分野の関係機関との連携のもとに行われています。
○ 成年期
- 就業のための訓練や、社会適応訓練が行われています。
- 職業につき、自立した生活を送っています。
- 在宅での生活に援助が必要な人には、在宅介護の支援体制が整っています。また、必要な援護施設も整っています。
- 文化活動やスポーツを楽しみ、国際交流にも積極的に参加しています。
○ 高齢期
- 住み慣れた地域でみんなと支えあい、生きがいをもって生活しています。
- 生活上の援護が必要な人には、在宅介護の支援体制や、必要な援護施設が整っています。
- 年金が支給され、経済的にも安心できる老後の生活が保障されています。
- 在宅訪問看護や在宅医療機器の管理などの医療サービスが受けられます。
第4節 まちの姿
○ みんなが一緒に暮らせるこころのふれあうまちです。
- 障害者用として区別するのではなく、みんながいっしょに使える施設を整えるなど、障害のある人とない人に壁をつくらないような、障害者を含めたすべての人が暮らしやすいまちづくりが進められています。
○ だれもが平等に暮らせる明るいまちです。
- 障害があることによる不利益をなくし、あらゆる機会が平等に確保され、だれもが等しく人生をエンジョイできるようなまちづくりが進められています。
○ だれもが自由に行動できる楽しいまちです。
- 各市町村に福祉地区(エリア)が設定され、交通手段の確保や段差の解消がなされ、ショッピングセンターなどにおいても、障害者や高齢者が自由に行動できるまちづくりが進められています。
- 交通機関、道路、公園、公営住宅などの公共的施設において、段差の解消、エレベーターの設置、利用しやすいトイレの整備など改善が図られ、行きたいところに障害者が一人でも行けるまちづくりが進められています。
- 重度の障害者も移動手段が確保され、買物や旅行が楽しめるまちづくりが進められています。
○ だれもが力強く生きる希望に満ちたまちです。
- 障害の有無にかかわらず、学校に行き、職業につき、趣味活動やスポーツを楽しみ、地域活動に参加するなど、だれもが希望をもって力強く生きられるまちづくりが進められています。
○ みんなが助けあう福祉のまちです。
- まちに福祉施設が整備されるだけでなく、まちで障害者が困っていたら自然に援助の手がさしのべられたり、点字ブロックの上に物を置かないなどの配慮がなされ、あたたかい心づかいのある福祉のまちづくりが進められています。
第5節 障害者福祉の総合的推進
○ 障害の発生予防・早期発見
- 障害の発生を予防するための知識が普及し、健康診査や定期検診をだれもが受診することにより、障害の発生予防・早期発見が行われています。
○ 早期療育
- 保健所、児童相談所、市町村など関係機関の連携により、障害にあった療育が早期に行われています。
- 脳卒中で倒れた人には、寝たきりにならないようにするため、訪問リハビリテーションなどの援助が行われています。
○ 乳児から高齢者までの一貫したリハビリテーション
- 各人が、乳児健康診査から成人病検診までの健康管理データを一括してもつことにより、適切で一貫したリハビリテーションが実施されています。
- 個人の健康管理データと医療の受診状況を登録するデータバンクシステムが開発され、一貫したリハビリテーションの管理が進められています。
○ 在宅福祉サービスと施設福祉サービスが連携した総合的福祉サービス
- 最も身近な地域で、医療や福祉の分野での必要な在宅福祉サービスが提供されています。
- 入所や通所のための施設が必要に応じて身近なところに設置され、施設福祉サービスが充実するとともに、地域の人びとが施設機能を有効に利用しています。
○ 障害の種類や程度に応じた福祉サービス
- 障害の種類や程度に応じて、必要な保健・医療・福祉サービスが必要なときに提供されています。
- 福祉機器の情報提供システムにより、障害の状況に応じた最新の補装具、日常生活用具、福祉機器が提供されています。
○ 医療・教育・職業・社会の全分野にわたる総合リハビリテーション
- 障害の予防・早期発見から治療、機能回復訓練、教育、社会への適応訓練、職業訓練、就労、社会で生活するのに必要な福祉サービスの提供までの一貫した総合的なリハビリテーションシステムにより、障害者が必要とするサービスが総合的に提供されています。
第3章 基本目標
第1節 計画の基本目標
障害者福祉の理念を踏まえ、こころかよう福祉社会を実現するために、次の8項目を基本目標とします。
基本目標1 福祉のこころづくり
基本目標2 保健・医療の充実
基本目標3 教育の充実
基本目標4 雇用・就業の促進
基本目標5 福祉サービスの充実
基本目標6 福祉のまちづくり
基本目標7 文化・スポーツ・国際交流の促進
基本目標8 リハビリテーションの総合的推進
第2節 計画の体系
こころかよう福祉社会を実現するために | 基本目標 | 行動目標 |
---|---|---|
福祉のこころづくり | 啓発活動の推進 福祉教育の充実 交流・ふれあいの促進 |
|
保健・医療の充実 | 障害の発生予防 早期発見・早期療育 医療及び医学的リハビリテーションの充実 ひとづくりの推進 保健・医療・福祉の連携 |
|
教育の充実 | 就学相談・指導の充実 学校教育の充実 社会教育の充実と生涯学習の推進 |
|
雇用・就業の促進 | 雇用の促進と安定 職業訓練の充実 福祉的就労の場における就労の促進 |
|
福祉サービスの充実 | 生活安定のための援助の充実 在宅生活支援サービスの充実 施設福祉サービスの充実 ひとづくりの推進 |
|
福祉のまちづくり | 住宅・生活環境の整備 道路環境の整備 行動圏の拡大 |
|
文化・スポーツ・国際交流の促進 | 文化活動の促進 スポーツの振興 国際交流の促進 |
|
リハビリテーションの総合的推進 | 総合リハビリテーションの推進 医学的リハビリテーションの総合的推進 連携のとれた教育・学習の推進 雇用・就業面における総合的条件整備 日常生活や社会参加のための総合サービス |
|
計画のすすめ方 | ||
全県民の役割分担 | ||
行政の取り組み | ||
総合的推進 |
主題:
とちぎ障害者福祉プラン No.1 1頁~22頁
発行者:
栃木県
発行年月:
平成5年3月
文献に関する問い合わせ先:
栃木県宇都宮市塙田1-1-20
県民生活部障害福祉課
TEL 0286-23-3490 3491