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ウェブ・アクセシビリティ・ガイドラインの開発と国連障害者権利条約

シルヴィア・カラス(Sylvia Caras)
ピープル・フー(People Who)会長

私の名前はシルヴィア・カラスです。私は太平洋に近いカリフォルニアのサンタ・クルーズに住んでおり、多くの時間をインターネットをして過ごしています。大局的に見てみますと、ラテンアメリカには5400万人、ブラジルには2500万人(14.5%)、そしてカリフォルニアには400万人の障害者がいます。

そして、どこにおいても、最も疎外されている人たちのアクセスに関する問題は同じです。つまり、平等を基本として参加するための情報資源が不十分であるということです。躁鬱、恐怖、幻聴および幻視と戦っている人たちにとって、インターネットのアクセシビリティは、他のすべての人と同様な情報社会へのインクルージョン、すなわち情報とコミュニケーションツールへのアクセスが可能となることを意味しています。

コミュニケーションの権利は、言論の自由の権利の域を超えた、一連の明確な権利です。それにはメディアへのアクセスの権利や、他者やより広い社会とコミュニケーションができるようにする教育が含まれます。コミュニケーションの権利は知識をもたらし、知識は行動する能力を高めます。

心理社会的障害を抱える人たちは、恥ずかしいという思いから、お互いに知りあうことが難しく、またその多くは、ここにいる他の障害を持つ方々と同様に貧しいので、連絡を取りあい、組織を作るためのインターネット技術が重要なのです。

精神医療ユーザー・サバイバーの中には、他の障害を持つ方々に必要とされるアクセシビリティへの配慮から恩恵を受けている者もいます。あまりにごちゃごちゃしているウェブページに負担を感じている者もいれば、当事者同士、あるいは介護者とのやりとりを取り次いでくれる技術がある方が安心できるという者もおり、話をしたり文字を入力したりする前に、一呼吸おけることでホッとしている者もいます。

知識階層を平坦化し、情報が自由に流れるようにすることは、私たちにも役立ちます。心理社会的障害が内科疾病として診断されると、投薬に関する指示で情報提供が終わってしまうことがよくあります。より広い受け止め方があることや、他の要因や他の自己管理方法があることを知るには、通常、当事者同士がお互いに知りあったり、また今でしたらインターネット技術を駆使したりすることが必要なのです。

先週私は、ここリオデジャネイロで、情報技術民主化委員会(CDI)による2つのプロジェクトを視察しました。CDIは、ICTを市民の権利かつ開発ツールとして利用し、社会から疎外された人たちを集め、その人たちの現実を変えていく支援をすることで、ソーシャル・インクルージョンを進めています。CDIは地域の有力なグループに参加し、地域の課題を特定し、それに対応する技術を利用します。現在94件のプロジェクトが進行中で、そのうち7件は精神衛生に関するものであり、2件は精神病院で実施されています。私はピネル精神病院を訪問しました。そこでは、動機付けと、精神障害者でも学ぶことができるということ、そして情報へのアクセスが重要であることを示すのが目的となっています。そして地域参加へのいかなる障壁をも低くし、分子サイズの改革の種をまくことに重点が置かれています。

この素晴らしい事例と、G3ictの活動に加えて、私たちは、障害者権利条約の策定における国際障害コーカスの活躍を、この情報社会のプロセスに参加するすべての市民社会のモデルとすることができます。

更に私たちは、情報へのアクセスの普遍化を通じて、公正と社会的平等を広めていくことができます。私の目標は、すべての人々、障害者も含むすべての人々が、コンピュータを使えるようになり、ハードウェアやインターネット、情報、そしてお互いにアクセスできるようになることです。

私は、この場に参加できたこと、そしてこの情報社会の一員であることに、胸を高鳴らせています。