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図2-1・2  デーン郡精神保健システムはデーン郡ヒューマンサービス局成人精神保健部門によって統括されている。郡は民間の18の機関40のプログラムと契約を結び,サービスを運営している。
 以下それぞれの機能を述べる。インテークでは,中央集中化とプログラムの特定を行い,コンシューマーを中心としたリカヴァリ(回復)過程を促進する。実際の運営はケースマネジメントによって実施される。
 地域支援プログラムは5つの多職種地域支援プログラム(チーム)の積極的アウトリーチによる支援がなされる。また,高齢者に対しては,移動チームによるアウトリーチのサービスが提供される。デイサービスはヤハラハウスがクラブハウスモデルのデイプログラムや過渡的雇用などのプログラムを提供する。また,アジア系の移住者に対しては,カイシアハウスがある。服薬管理は,服薬サービスプログラムや包括的チームによる服薬管理が提供される。精神療法は個人とグループを対象に対話療法が提供されるほか,5つの短期プログラムが必要に応じて提供される。
危機介入は24時間の救急サービス,入院患者のモニターがなされる。精神科入院は,急性期に限定され,強制入院には州立病院,自発的入院は3つの地域病院が利用される。また,長期的治療を要する高齢者には,ヘルスケアセンターが用いられる。また,犯罪者で精神障害が認められる場合は,留置場治療専門スタッフが対応する。
雇用支援が行われる場は,通常の地域就労場所,ボランティアの仕事である。ホームレスに対してはアウトリーチが行われ,基本的ニーズを満たし,1日の組み立てを支援する。監督付き住居は,グループホーム,成人ファミリーホーム,個別の居住とアパート,危機対応ホーム,短期ケア,賄い付きホーム,集団ホーム,独立アパートなど多様である。ケースマネジメントは全プログラムに導入されており,地域介入チームによるもの,コンシューマー組織によるケースマネジメントがその主要部分を担っている。コンシューマーサポートは,全プログラムに導入されており,治療における仲間の相互支援を重要であるとみなしている。