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平成12年度厚生科学研究 障害保健福祉総合研究事業外国人研究者招へい報告書
ディヴィッド・ルコントレポート

日本の精神保健システムを最良のものにするために
入院から地域を拠点とする治療への移行

ディヴィッド・ルコント(MSW.ACSW.ICSW)著

項目 内容
長瀬修
監訳 木村真理子、古屋龍太

まえがき

 本報告書の目的は、日本に滞在した2週間の間に行った日本の精神保健医療にかかわる情報収集、関係者との意見交換および実地視察や観察から得た情報によって日本の精神医療を理解し、マディソンにおける自らの精神医療の経験に基づいて批評を加え、日本の精神医療との比較を行うことである。また、これらの観察および比較の作業から、日本の将来の精神保健医療に対する提言を行いたい。 
訪問に際しては木村真理子博士が多大の労を取り、私が日本で多くの経験をすることを可能にしてくださったことに特別の謝意を表したい。木村博士と私は2000年の初頭から私の滞在のためにお互いに連絡を取り合った。日本のプレゼンテーションで多く用いたパワーポイントの資料は訪日以前に日本に送付し、日本語に翻訳された(LeCount, 2000)。これによって日本の参加者とのコミュニケーションもスムーズに行われた。また私がマディソンモデルについて以前に著した論文はすでに日本語に翻訳されており、プレゼンテーションを行う際の資料として活用された(LeCount,1998)。マディソンモデルに関する論文も広く提供されていた(木村、2000)。さらに木村博士は私の滞在を可能にするための種々の準備と通訳に力を注いで下さった。私の滞在を意義深く、成功に導いて頂いた木村博士には深く感謝申し上げる。

目次

1章 序

1-1 まえがき
1-2 基本的前提
1-3 背景
1-4 マディソンモデルに関するプレゼンテーション
1-5 反応
1-6 本報告書の文脈と論及
1-7 日程
1-8 全般を通じての印象

2章 日本の精神医療概観

2-1 入院
2-2 支出
2-3 入院患者の構成
2-4 入院日数
2-5 心理社会的リハビリテーション
2-6 入院頻度を減少させる方向性

3章 地域でのとりくみ

3-1 地域での実践
3-2 住宅
3-3 模範的実践
3-4 地域指向の精神医療
3-5 将来への視点

4章 提言・戦略

4-1 コンシューマーの印象
4-2 学際的チームアプローチ
4-3 課題
4-4 提言
4-5 地域を拠点とした治療の基本的原則
4-6 病院削減・コスト戦略
4-7 病院転換/削減:入口(入院に関する決定)
4-8 病院転換:出口(既に入院している人について)
4-9 退院を促進させる理由
4-10 退院に関する一般的戦略
4-11 病院の利用法:痴呆症関連
4-12 帯広パイロットプロジェクト:コミュニティを中心とするケアシステムのモデル

5章 結論

5-1 結論