[オーストラリア]ビルディング・アクセス プロジェクトの最終報告書を公表

2023年11月24日、オーストラリア権利擁護団体ピープル・ウィッヅ・ディスアビリティ・オーストラリア(People with Disability Australia:PWDA)は、ビルディング・アクセス プロジェクトの最終報告書(Building Access End of Project Report)を公表しました。

PWDAが実施しているビルディング・アクセス プロジェクトは、家庭内暴力(domestic and family violence: DFV)から障害のある女性や子どもを守るための家庭内暴力抑止サービスをすべての障害のある女性と子どもにとって安全かつインクルーシブでアクセシブルなものにするためのロードマップを示した画期的なイニシアチブとしています。このプロジェクトは、2023年6月まで実施されました。

報告書では、障害のある女性や子どもがDFV抑止サービスの利用しようとする際に直面する障壁を浮き彫りにしています。

本レポートでは、家庭内暴力および性的暴力(DFSV)の経験をもつ障害女性等に対する詳細なインタビューを行っています。また、ビルディング・アクセス・プロジェクトに従事するサービス・プロバイダーにもインタビューを行いました。

障害のある女性へのインタビューでは、次のことが明らかになりました。

 100%が、サービスや当局に対する恐怖と不信感を経験している。
 71%が、DFSVの事件を警察に報告することを避けたいと回答しています。
 57%は、解雇、差別、大きな被害などの過去のネガティブな経験を理由に、支援を求めることを避けた。
 28%が、サービスを利用した場合、子どもが養育施設の対象からはずれる恐れがあると回答した。
 100%が、サービスや当局に対する恐怖と不信感を経験している。
 71%が、今後DFSVの事件を警察に報告することを避けたいと回答している。
 57%は、解雇、差別、よりひどい被害などの過去のネガティブな経験を理由に、支援を求めることを避けた。
 28%が、サービスを利用した場合、子どもの世話ができなくなる恐れがあると回答した。

また、このレポートでは、プロバイダーに対する教育の重要性を指摘しており、ビルディング・アクセス プロジェクトに参加したサービスプロバイダーのすべてでアクセシビリティの大幅に向上したとのことです。

詳しくは下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://pwd.org.au/building-access-end-of-project-report

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