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高次脳機能障害(Higher brain Dysfunction)

解説

高次脳機能障害とは、交通事故や脳血管疾患などにより脳に損傷を受け、言語・思考・記憶・行為・学習・注意などの知的な機能に障害を抱え生活に支障を来たすことをいう。

高次脳機能障害は、精神・心理面での障害が中心となるため、外見上は障害が目立たず、本人自身も障害を十分に認識できていないことがあり、家族からも理解されにくい状況にある。障害は、診察場面や入院生活よりも、在宅での日常生活、特に社会活動場面で出現しやすいため、医療スタッフからも見落とされやすい。障害を知らない人から誤解を受けやすいため、人間関係のトラブルを繰り返すことも多く、社会復帰が困難な状況に置かれている。身体の障害は完治または軽症で精神障害とも認められずに、医療・福祉のサービスを受けられず、社会の中で孤立してしまっている状況にある当事者もいる。

高次脳機能障害者への具体的な支援方策を検討すべく、地方自治体及び国立障害者リハビリテーションセンターは、「高次脳機能障害支援モデル事業」に取り組み、平成13~15年度の3か年において、「評価基準」「訓練プログラム」「支援プログラム」を作成し、平成16年度は、地域の関係機関の連携の下に各種の制度を活用したサービス提供を試行的に行い支援体制の確立を図った。平成18年度からは「高次脳機能障害支援普及事業」を行なっている。

日本障害者リハビリテーション協会発行「リハビリテーション研究」では、1996年5月(第87号)の「リハビリテーション研究」で高次脳機能障害の特集を組んでいる。

「ノーマライゼーション 障害者の福祉」2001年10月号では「頭部外傷・高次脳機能障害とリハビリテーション」、2005年4月号では「高次脳機能障害支援モデル事業の評価と展望」の特集を組んでいる。