ソーシャルインクルージョン(social inclusion)
解説
ソーシャルインクルージョンは、「全ての人々を孤独や孤立、排除や摩擦から援護し、健康で文化的な生活の実現につなげるよう、社会の構成員として包み支え合う」という理念である。EUやその加盟国では、近年の社会福祉の再編にあたって、社会的排除(失業、技術および所得の低さ、粗末な住宅、犯罪率の高さ、健康状態の悪さおよび家庭崩壊などの、互いに関連する複数の問題を抱えた個人、あるいは地域)に対処する戦略として、その中心的政策課題のひとつとされている。
ソーシャルインクルージョンは、近年の日本の福祉や労働施策の改革とその連携にもかかわりの深いテーマである。2000年12月に厚生省(当時)でまとめられた「社会的な援護を要する人々に対する社会福祉のあり方に関する検討会報告書」には、社会的に弱い立場にある人々を社会の一員として包み支え合う、ソーシャルインクルージョンの理念を進めることを提言している。
一方、教育界を中心にここ数年間で広がってきた概念としてのインクルージョンは、「本来的に、すべての子どもは特別な教育的ニーズを有するのであるから、さまざまな状態の子どもたちが学習集団に存在していることを前提としながら、学習計画や教育体制を最初から組み立て直そう」、「すべての子どもたちを包み込んでいこう」とする理念であり、これは特別支援教育へとつながっている。
外部リンク
- 「社会的な援護を要する人々に対する社会福祉のあり方に関する検討会」報告書 平成12年12月8日
【厚生労働省】 http://www1.mhlw.go.jp/shingi/s0012/s1208-2_16.html
Dinfサイト内の関連ページ
- 国際セミナー報告書 インクルーシブな障害者雇用の現在-ソーシャル・ファームの新しい流れ
- ソーシャル・ファームに関する意見交換会
- 国際シンポジウム「ソーシャル・ファームを中心とした日本と欧州の連携(2011年1月30日)」報告書
- 平成21年度 国際セミナー報告書 障害者の新しい雇用 -インクルーシブな雇用の実現-
- 平成20年度 国際セミナー報告書 障害者の一般就労を成功に導くパートナーシップ
- 国際セミナー報告書 ヨーロッパとアジアのソーシャル・ファームの動向と取り組み -ソーシャル・インクルージョンを目指して-
- 国際セミナー報告書「各国のソーシャル・ファームに対する支援」
- 国際セミナー「世界の障害者インクルージョン政策の動向」
- 日英セミナー「障害者のための社会的な仕事と雇用の創出」
- 日英セミナー「障害者のためのソーシャルインクルージョン」
- 日英シンポジウム2002「日英協同で進める地域における障害者・高齢者支援」
- 日英シンポジウム2001 「すべての人が尊厳をもって共に暮らせるまちづくりをめざして(大阪)」 「住み手参加のまちづくり- 共に暮らすまちづくりのネットワークをめざす CANの経験に学ぶ-(北九州)」
- 日英シンポジウム2000「高齢者と障害者の自立と社会参加の促進:NPOと企業・行政の役割を探る」
- 日英NPOフォーラム-共生のコミュニティにおける民間非営利組織の役割と経営-
更新日:2013年6月25日