第3セクター(Third Sector)
解説
第3セクターは、公共部門(第1セクター)でも民間部門(第2セクター)でもない第3の方式による法人という意味で、NPO、市民団体その他の民間の非営利団体を指している。
国際的に見れば特殊であるが、日本では、官民共同出資で設立された事業体という意味で使われることが多い。本来は公共部門で行うべき事業に、民間部門の資金や経営ノウハウを積極的に活用するために考え出された方式で、地域開発、都市開発、鉄道などで用いられてきた。
障害者雇用の分野でも、重度身体障害者や知的障害者の雇用の促進を目的に、この方式が導入されている。厚生労働省と独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構では、障害者雇用納付金制度に基づく助成金などによって、地方自治体と民間企業の共同出資による重度障害者多数雇用事業所や知的障害者のための能力開発センターの設立を奨励してきた。その結果、第3セクター方式の重度障害者雇用企業は、平成15年3月現在35社にのぼる。また、この方式による知的障害者能力開発センターには、北海道はまなす食品(株)能力開発センター、職業訓練法人神奈川能力開発センター、阪神友愛食品(株)能力開発センター、職業訓練法人長崎能力開発センターがある。
日本では異なった意味になってしまった第3セクターとの混同を避けるため、日本障害者リハビリテーション協会で主催した国際セミナーでは「第3の分野」という表現を使っているが、国際セミナー「各国のソーシャル・ファームに対する支援」(2007年1月)で紹介されたように、イギリスでは、もっとも成長が著しい第3セクターがソーシャル・エンタープライズ(ソーシャル・ファームが含まれる。)であると認識されている。
Dinfサイト内の関連ページ
- 国際セミナー報告書 インクルーシブな障害者雇用の現在-ソーシャル・ファームの新しい流れ
- ソーシャル・ファームに関する意見交換会
- 国際シンポジウム「ソーシャル・ファームを中心とした日本と欧州の連携(2011年1月30日)」報告書
- 平成21年度 国際セミナー報告書 障害者の新しい雇用 -インクルーシブな雇用の実現-
- 平成20年度 国際セミナー報告書 障害者の一般就労を成功に導くパートナーシップ
- 国際セミナー報告書 ヨーロッパとアジアのソーシャル・ファームの動向と取り組み -ソーシャル・インクルージョンを目指して-
- 国際セミナー報告書「各国のソーシャル・ファームに対する支援」
- 国際セミナー「世界の障害者インクルージョン政策の動向」
- 日英セミナー「障害者のための社会的な仕事と雇用の創出」
- 日英セミナー「障害者のためのソーシャルインクルージョン」
- 日英シンポジウム2002「日英協同で進める地域における障害者・高齢者支援」
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日英シンポジウム2001 「すべての人が尊厳をもって共に暮らせるまちづくりをめざして(大阪)」
「住み手参加のまちづくり- 共に暮らすまちづくりのネットワークをめざすCANの経験に学ぶ-(北九州)」 - 日英シンポジウム2000「高齢者と障害者の自立と社会参加の促進:NPOと企業・行政の役割を探る」
- 日英NPOフォーラム-共生のコミュニティにおける民間非営利組織の役割と経営-
更新日:2013年6月25日