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阿波麻植町村ふれあいプラン

阿波麻植町村障害者計画  No.1

「共に生き、共につくる阿波麻植」をめざして

市場町
阿波町
鴨島町
川島町
山川町
美郷村

平成10年3月

項目 内容
立案時期 平成10年3月
計画期間 平成10年度~平成14年度(5年間)

目次

第1編 総論

第2編 基本構想

第3編 行動計画

第4編 計画の推進

資料

第1編 総論

第1章 計画策定にあたって

1.計画策定の趣旨

 阿波郡(市場町、阿波町)、麻植郡(鴨島町、川島町、山川町、美郷村)の各町村では、「国連・障害者の10年(1983年~1992年)」等に呼応し、県や社会福祉協議会、民間団体、住民の協力のもと、これまで障害者施策の積極的な推進に努めてきました。しかしながら、21世紀を目前にして、障害者を取り巻く環境は、高齢化の急速な進行、障害の重度化・重複化、核家族化の進展等の諸要因によって大きく変化してきており、こうした環境変化に的確に対応した障害者施策の展開が必要となっています。
 国においても、平成5年3月に「障害者対策に関する新長期計画」が策定されるとともに、同年12月には昭和45年に制定された「心身障害者対策基本法」が改正され、精神障害者が基本法の対象となる「障害者」として位置づけられ、「障害者基本法」として整備されています。さらに、平成7年12月には「障害者対策に関する新長期計画」の具体的な計画として「障害者プラン」が策定されています。
 徳島県においても、これらの国の動向を踏まえて平成7年3月に「徳島県障害者施策長期計画」を策定し、21世紀に向けて自立と共生を基本とした活力ある福祉社会をめざして施策の展開を図っています。

 障害の多様化・重度化等が進む中で、障害者の自立と社会参加を促進していくためには、障害の実態に合った専門的で多様な支援サービスが必要となっており、特にすべての障害者に遍く支援サービスを提供するとなると、マンパワー面、施設面、組織面等において単一の町村(の社会資源)の対応だけでは限界があり、隣接する町村が協力してハード、ソフト両面にわたる支援基盤を整備することによって初めて十分なサービスの提供が可能となります。このため、今後の障害者支援サービスは、広域的に支援基盤を整備し、それを活用して各町村がきめ細やかなサービスを実施していく視点が重要となります。また、各町村での障害者施策の展開にあたっては、県機関(福祉事務所)との緊密な連携が必要となります。

 市場町、阿波町の阿波郡2町と、鴨島町、川島町、山川町、美郷村の麻植郡4町村は、相互に隣接するとともに、同じ川島福祉事務所管内にあり、これまでも協力して障害者福祉施策の推進を図ってきています。
 さらに、障害者団体も阿波麻植で連携し、一体となって活動を行ってきています。

 こうした状況等を踏まえ、この阿波麻植町村障害者計画は、各町村が推進すべき障害者福祉に係る事項についての今後の目標を設定するとともに、各町村の果たすべき責務を具体的に明示することにより、障害者施策の体系的・総合的推進を図ろうとするものです。
 なお、本計画を実現していくためには、保健・医療・福祉分野の連携をはじめ、関連機関・団体や一般住民、事業所などの一体的な協力・連携が不可欠であり、このため、本計画が幅広い層に理解され、一人ひとりの主体的な参画が得られるよう、本計画のサブタイトルを、「阿波麻植町村ふれあいプラン」と定めます。

2.計画の位置づけ

□ 本計画は、障害者基本法第7条の2第3項に基づく「市町村障害者基本計画策定」の趣旨を踏まえるとともに、国及び県の関連計画との整合性を図るものとします。
□ 本計画に位置づけられた施策は、各町村の財政状況を勘案しながらその実現に取り組むものとします。
□ 本計画は、各町村の関連個別計画との整合性に配慮しながら推進するものとします。

3.計画の期間

 本計画の期間は、目標年度を国・県の関連計画にあわせて、平成10年(1998年)度から平成14年(2002年)度までの5年間とします。
 ただし、今後の社会経済情勢の変化や障害者の状況・ニーズの変化等に柔軟に対応できるよう、必要に応じて内容の見直しを図ります。

4.障害者の概念

 本計画における「障害者」の概念は、障害者基本法の規定に基づき、「身体障害、精神薄弱又は精神障害があるため、長期にわたり日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける者」とし、「てんかん及び自閉症を有する者並びに難病に起因する身体又は精神上の障害を有する者であって、長期にわたり生活上の支障がある者」も含むこととします。
 また、本計画においては、従来から一般的に使われてきた「精神薄弱」という用語が、障害の実態を的確に表していないことから、法令等の制約を受けるものを除き、可能なかぎり、現状では最良と思われる「知的障害」という用語を使用します。
 なお、本計画では、障害児・者や障害者全体を総称する場合には「障害者」と表現します。

第2章 阿波麻植の概況

1.地勢

 阿波麻植は、徳島県の北部中央に位置し、阿波郡の市場町、阿波町、麻植郡の鴨島町、川島町、山川町、美郷村の5町1村で構成されており、県都徳島市からおよそ20キロメートルの距離にあり、北は香川県、西は美馬郡、東は板野郡、南は名西郡に接しています。
 面積は265.23平方キロメートルで、県全体の6.4%を占めています。また、地形は、圏域の中央部を四国最大の吉野川が流れ、吉野川に沿って広がる平野部を挟んで北に讃岐山脈、南に四国山地の一部である山地部が展開しています。
 平地部は、吉野川の水の流れが長い年月をかけて運んだ砂・小石・泥土などが積もり積もってつくられた沖積低地であり、地味豊かな土壌に厚く覆われた肥沃な農耕地として、あるいは商工業地・住宅地として、様々に利用されてきており、人口も最も多く密集する地域となっています。
 山地部のうち、吉野川の北岸は、吉野川の支流が織りなす扇状地・河岸段丘が顕著に発達しており、標高100~700メートル程度の緩やかな起伏地となっています。また南岸については、西部は、標高1,000メートル級の霊峰高越山を頂点として、吉野川の支流がつくった複雑で急峻な渓谷・台地が連なっていますが、東部では起伏が比較的緩やかです。
 気候は、山間部を除き、温暖で恵まれています。

阿波麻植の位置

阿波麻植の位置図

阿波麻植町村の概要
町村名等 面積
(平方キロメートル)
※A
可住地面積
(平方キロメートル)
※B
B/A
(%)
可住地人口密度
(1平方キロメートル当たり人)
阿波麻植 265.23 117.12 44.2 646
阿波郡 市場町 72.46 27.21 37.6 456
阿波町 48.58 28.66 59.0 503
麻植郡 鴨島町 33.76 23.82 70.6 1,095
川島町 17.69 11.33 64.0 767
山川町 42.27 16.24 38.4 765
美郷村 50.47 9.86 19.5 169
徳島県 4,144.37 1,002.67 24.2 835
注:面積―平成7年、可住地面積―平成2年、可住地人口密度―平成9年3月。

2.交通及び社会経済的条件

 阿波麻植の交通網は、吉野川に沿って東西にJR徳島線が運行され、南岸は、国道192号線、また、北岸は、徳島自動車道及び県道鳴門・池田線が走り、これにクロスする形で国道318号線が中央橋を軸に結ばれています。
 また、就業構造をみると、市場町、阿波町、美郷村では農業等第1次産業の割合が比較的高く、鴨島町では国道192号線沿いに大手スーパーが進出して、サービス産業への依存度が高まりつつあります。

阿波麻植町村図

阿波麻植町村図

平成7年国勢調査における産業別就業人口構成比
(単位:%)
-第1次産業第2次産業第3次産業
阿波郡市場町27.330.542.1
阿波町22.936.340.8
麻植郡鴨島町10.528.460.9
川島町10.735.753.4
山川町11.339.848.8
美郷村36.133.630.3
徳島県12.230.656.8
注:不明を含むため、合計が100.0にならない場合がある。

第3章 人口構造と障害者の動向

1.人口構造の推移

(1)総人口の推移
  1. 阿波麻植の状況

     阿波麻植の人口を国勢調査人口でみると、昭和55年74,949人、昭和60年75,766人、平成2年74,978人、平成7年74,091人と、昭和60年を境に近年では減少傾向で推移しています。

  2. 町村別の状況

    【市場町】
     市場町の平成7年国勢調査人口は11,899人であり、阿波麻植に占める構成比は16.1%となっています。阿波麻植全体と同様な人口の推移をみせており、昭和60年に比べ3.8%の減となっています。

    【阿波町】
     阿波町の平成7年国勢調査人口は13,809人であり、阿波麻植に占める構成比は18.6%となっています。阿波麻植全体と同様な人口の推移をみせており、昭和60年に比べ2.0%の減となっています。

    【鴨島町】
     鴨島町は阿波麻植で最も人口の多い地域で、平成7年国勢調査人口は26,213人であり、その阿波麻植に占める構成比は35.4%となっています。阿波麻植全体と同様な人口の推移をみせており、昭和60年に比べ2.2%の減となっています。

    【川島町】
     川島町の平成7年国勢調査人口は8,532人であり、その阿波麻植に占める構成比は11.5%となっています。人口は昭和55年から平成7年の間、増加傾向で推移しており、昭和55年に比べ5.7%の増となっています。

    【山川町】
     山川町の平成7年国勢調査人口は11,981人であり、その阿波麻植に占める構成比は16.2%となっています。阿波麻植全体と同様な人口の推移をみせており、昭和60年に比べ2.9%の減となっています。

    【美郷村】
     美郷村はその立地条件・地形条件から人口が一貫して減少傾向で推移し、過疎化が進んでいます。平成7年国勢調査人口は1,657人であり、その阿波麻植に占める構成比も2.2%となっています。昭和55年と平成7年の間で26.6%減少しています。

阿波麻植町村の人口の推移(単位:人)

区分

昭和55年昭和60年平成2年平成7年
阿波麻植74,94975,76674,97874,091
阿波郡市場町12,35412,37112,05511,899
阿波町13,91814,09313,98513,809
麻植郡鴨島町26,10626,80026,62926,213
川島町8,0728,2038,2658,532
山川町12,24312,34312,19611,981
美郷村2,2561,9561,8481,657
資料:国勢調査
(2)人口構造
  1. 阿波麻植の状況

     阿波麻植の年齢階層別の人口構造をみると、年少人口(0~14歳)が昭和55年の15,302人(対総人口比20.4%、以下同様)から平成7年には11,536人(15.6%)と、この15年間で5%ほどの減少となっており、少子化傾向が進んでいます。
     一方、老年人口(65歳以上)は、昭和55年の10,239人(13.7%)から平成7年には16,326人(22.0%)と阿波麻植住民の4.5人に1人が高齢者となるまでになっており、県平均(18.9%)を上回り、高齢化が一層進行しています。

    阿波麻植の年齢階層別人口の推移(単位:人、%)

    区分

    昭和55年昭和60年平成2年平成7年
    総人口74,949
    (100.0)
    75,766
    (100.0)
    74,978
    (100.0)
    74,091
    (100.0)
    -年少人口
    (0~14歳)
    15,302
    (20.4)
    15,122
    (20.0)
    13,422
    (17.9)
    11,536
    (15.6)
    生産年齢人口
    (15~64歳)
    49,438
    (66.0)
    49,140
    (64.9)
    48,228
    (64.3)
    46,225
    (62.4)
    老年人口
    (65歳以上)
    10,239
    (13.7)
    11,502
    (15.2)
    13,323
    (17.8)
    16,326
    (22.0)
    資料:国勢調査
    注:総人口には年齢不詳者も含む。

  2. 町村別の状況

     平成7年国勢調査による各町村の人口構造特性は次のとおりです。

    【市場町】
     市場町の人口構成は、年少人口15.6%、生産年齢人口62.1%、老年人口22.4%とほぼ阿波麻植全体と同様な傾向にありますが、老年人口比率は阿波麻植全体を0.4ポイント、県を3.5ポイント上回っています。

    【阿波町】
     阿波町の人口構成は、年少人口15.9%、生産年齢人口62.3%、老年人口21.8%とほぼ阿波麻植全体と同様な傾向にありますが、老年人口比率は阿波麻植全体に対しては0.2ポイント減、県に対しては2.9ポイント増となっています。

    【鴨島町】
     鴨島町の人口構成は、年少人口15.4%、生産年齢人口63.4%、老年人口21.0%とほぼ阿波麻植全体と同様な傾向にありますが、阿波麻植全体の中では老年人口比率が最も低くなっています。老年人口比率は阿波麻植全体に対しては1ポイント減、県に対しては2.1ポイント増となっています。

    【川島町】
     川島町の人口構成は、年少人口15.6%、生産年齢人口62.9%、老年人口21.5%とほぼ阿波麻植全体と同様な傾向にありますが、老年人口比率は阿波麻植全体に対しては0.5ポイント減、県に対しては2.6ポイント増となっています。

    【山川町】
     山川町の人口構成は、年少人口16.1%、生産年齢人口61.0%、老年人口22.9%とほぼ阿波麻植全体と同様な傾向にありますが、阿波麻植の中では年少人口比率が最も高くなっています。老年人口比率は阿波麻植全体を0.9ポイント、県を4ポイント上回っています。

    【美郷村】
     美郷村では老年人口比率が32.0%と住民の3.1人に1人が高齢者となっています。これに伴い、年少人口(11.5%)、生産年齢人口(56.5%)ともに阿波麻植で最も低くなっており、老年人口指数が56.8と村民1.8人で1人を扶養する状態にあります。

平成7年国勢調査における町村別の年齢階層別人口構成
(単位:%)
-年少人口
(0~14歳)
生産年齢人口
(15~64歳)
老年人口
(65歳以上)
阿波麻植15.662.422.0
阿波郡市場町15.662.122.4
阿波町15.962.321.8
麻植郡鴨島町15.463.421.0
川島町15.662.921.5
山川町16.161.022.9
美郷村11.556.532.0
徳島県15.965.118.9
資料:国勢調査
注:端数処理のため、合計が100.0にならない場合がある。
(3)世帯数及び一世帯当たり人数の推移
  1. 阿波麻植の状況

     世帯数は、昭和55年の20,167世帯から平成7年には21,894世帯と増加傾向を示し、一方、一世帯当たり人数はこの間で3.72人から3.38人と低下し、核家族化、少子化の進行を示しています。

    阿波麻植の世帯数及び一世帯当たり人数の推移
    (単位:人、世帯、人/世帯)
    -昭和55年昭和60年平成2年平成7年
    総人口74,94975,76674,97874,091
    世帯数20,16720,59221,08821,894
    一世帯当たり人数3.723.683.563.38
    資料:国勢調査

  2. 町村別の推移

    【市場町】
     市場町の世帯数は、昭和55年の3,184世帯が平成7年には3,333世帯になり増加しています。また、一世帯当たりの人員は昭和55年の3.88人から平成7年には3.57人と減少傾向にあり、核家族化が進んでいます。

    【阿波町】
     阿波町の世帯数は、昭和55年の3,517世帯が平成7年には3,837世帯になり増加しています。また、一世帯当たりの人員は、核家族化の進行と高齢世帯の増加により、減少傾向で推移し、昭和55年の3.96人から平成7年には3.60人となっています。

    【鴨島町】
     鴨島町の世帯数は、昭和55年の7,319世帯が平成7年には7,999世帯になり増加しています。また、一世帯当たりの人員は昭和55年の3.57人から平成7年には3.28人と減少しており、県平均や国の平均よりは多いものの核家族化が進んでいます。

    【川島町】
     川島町の世帯数は、昭和55年の2,240世帯が平成7年には2,632世帯になり増加しています。また、一世帯当たりの人員は昭和55年の3.60人から平成7年には3.24人と減少しており核家族化が進んでいます。

    【山川町】
     山川町の世帯数は、昭和55年の3,273世帯が平成7年には3,551世帯になり増加しています。また、一世帯当たりの人員は昭和55年の3.74人から平成7年には3.37人と減少しており核家族化が進んでいます。

    【美郷村】
     美郷村の世帯数は、昭和55年の634世帯が平成7年には542世帯になり人口の激減に伴い減少しています。また、一世帯当たりの人員は昭和55年の3.56人から平成7年には3.06人と減少しており高齢者世帯、高齢単身世帯の増加による核家族化が進んでいます。

2.障害者の動向

 阿波麻植の障害者の状況について、身体障害者手帳及び療育手帳の交付状況をもとにみていくこととします。また、精神障害者及び難病患者については、鴨島保健所資料によりその人数を把握しました。

(1)障害者数の推移
  1. 阿波麻植の状況

     平成9年3月31日現在、身体障害者は3,794人(18歳以上3,746人、18歳未満48人)、知的障害者は447人(18歳以上374人、18歳未満73人)、合わせて4,241人となっています。
     身体障害者・知的障害者数は年々増加しており、平成5年の3,907人と比較すると、この間で334人、8.5%の増加となっています。この伸びの背景には、人口構造の高齢化等を反映した高齢の身体障害者数の増加があります。また、身体障害者・知的障害者別では、身体障害者が8.0%、知的障害者が13.7%の増加で、知的障害者の増加が目立っています。
     また、平成8年度現在の精神障害者把握数は770人(平成3年度に比べ133人、20.9%の増加)、認定難病患者は236人となっています。

    阿波麻植町村の身体障害者数の推移(単位:人)
    -平成5年平成6年平成7年平成8年平成9年
    阿波麻植3,5143,6113,6943,7733,794
    阿波郡市場町627638656676688
    阿波町705711721744710
    麻植郡鴨島町1,1451,2051,2361,2761,307
    川島町371380378374373
    山川町574584606602615
    美郷村929397101101
    資料:各町村資料
    注:各年3月31日現在

    阿波麻植町村の知的障害者数の推移(単位:人)
    -昭和63平成元平成2平成3平成4平成5平成6平成7平成8平成9
    阿波麻植330342337338370393375398422447
    阿波郡市場町65676966767575807779
    阿波町64676667656768747985
    麻植郡鴨島町941029599114129124132141149
    川島町52515351576047475154
    山川町48494849505454555862
    美郷村7666887101618
    資料:各町村資料
    注:各年3月31日現在

    阿波麻植町村の精神障害者把握数の推移(単位:人)
    -平成3年度平成4年度平成5年度平成6年度平成7年度平成8年度
    阿波麻植637663683715745770
    阿波郡市場町110111113115121122
    阿波町125132137145151160
    麻植郡鴨島町200212223236245257
    川島町606262687575
    山川町113116118121123126
    美郷村293030303030
    資料:鴨島保健所資料

    平成8年度における阿波麻植町村の難病認定患者数(単位:人)
    -阿波麻植阿波郡麻植郡
    市場町阿波町鴨島町川島町山川町美郷村
    患者数23646477232327
    資料:鴨島保健所資料

  2. 町村別の状況

    【市場町】
     平成9年の身体障害者は688人、知的障害者は79人であり、平成5年と比べそれぞれ9.7%増、5.3%増となっています。また、平成8年度の精神障害者は122人であり、平成5年と比べ8.0%増となっています。
     平成8年度における難病認定患者は46人となっています。

    【阿波町】
     平成9年の身体障害者は710人、知的障害者は85人であり、平成5年と比べそれぞれ0.7%増、26.9%増となっています。また、平成8年度の精神障害者は160人であり、平成5年と比べ16.8%増となっています。
     平成8年度における難病認定患者は47人となっています。

    【鴨島町】
     平成9年の身体障害者は1,307人、知的障害者は149人であり、平成5年と比べそれぞれ14.1%増、15.5%増となっています。また、平成8年度の精神障害者は257人であり、平成5年と比べ15.2%増となっています。
     平成8年度における難病認定患者は72人となっています。

    【川島町】
     平成9年の身体障害者は373人、知的障害者は54人であり、平成5年と比べそれぞれ0.5%増、10.0%減となっています。また、平成8年度の精神障害者は75人であり、平成5年と比べ21.0%増となっています。
     平成8年度における難病認定患者は32人となっています。

    【山川町】
     平成9年の身体障害者は615人、知的障害者は62人であり、平成5年と比べそれぞれ7.1%増、14.8%増となっています。また、平成8年度の精神障害者は126人であり、平成5年と比べ6.8%増となっています。
     平成8年度における難病認定患者は32人となっています。

    【美郷村】
     平成9年の身体障害者は101人、知的障害者は18人であり、平成5年と比べそれぞれ9.8%増、125.0%増となっています。また、平成8年度の精神障害者は30人であり、ここ4~5年は増減はありません。
     平成8年度における難病認定患者は7人となっています。

(2)障害者の年齢
  1. 阿波麻植の状況

     障害者の年齢についてみると、平成9年3月31日現在、身体障害者では「65歳以上」の高齢者が64.4%(2,443人)と6割を超え、平成5年(57.4%、2,017人)と比較すると、構成比では7ポイント、人数では426人増加しており、前項でもみたとおり、身体障害者の高齢化が著しく進んでいることが現れています。

    阿波麻植における身体障害者の年齢別人口の推移
    (単位:人)
    -平成5年平成6年平成7年平成8年平成9年
    5歳以下789127
    6~17歳4643433841
    18~29歳7881818885
    30~39歳115108998889
    40~49歳276270271286275
    50~64歳975960929874854
    65歳以上2,0172,1412,2622,3872,443
    3,5143,6113,6943,7733,794
    注1:手帳交付状況による。
    2:各年3月31日現在

    阿波麻植における身体障害者の年齢別構成の推移
    (単位:%)
    -平成5年平成6年平成7年平成8年平成9年
    5歳以下0.20.20.20.30.2
    6~17歳1.31.21.21.01.1
    18~29歳2.22.22.22.32.2
    30~39歳3.33.02.72.32.3
    40~49歳7.97.57.37.67.2
    50~64歳27.726.625.123.222.5
    65歳以上57.459.361.263.364.4
    100.0100.0100.0100.0100.0
    注1:手帳交付状況による。
    2:各年3月31日現在
    3:端数処理のため、合計が100.0にならない場合がある。

     知的障害者では、平成6年以降「18歳以上」が8割以上を占めるようになっていますが、ここ数年、「18歳未満」の児童の比率が伸びてきたことを反映して、9割近くから8割の前半に減少してきています。

    阿波麻植における知的障害者の年齢別人口構成の推移(単位:人、%)
    -昭和63平成元平成2平成3平成4平成5平成6平成7平成8平成9
    18歳未満人数91897770849643536073
    構成比27.626.022.820.722.724.411.513.314.216.3
    18歳以上人数239253260268286297332345362374
    構成比72.474.077.279.377.375.688.586.785.883.7
    人数330342337338370393375398422447
    構成比100.0100.0100.0100.0100.0100.0100.0100.0100.0100.0
    注1:手帳交付状況による。
    2:構成比の計は端数処理のため100.0にならない場合がある。

  2. 町村別の状況

    【市場町】
     平成9年の身体障害者688人のうち、65歳以上が462人、構成比で67.2%を占めています。知的障害者79人については、18歳未満10人(構成比12.7%)、18歳以上69人(同87.3%)となっています。

    【阿波町】
     平成9年の身体障害者710人のうち、65歳以上が444人、構成比で62.5%を占めています。知的障害者85人については、18歳未満20人(構成比23.5%)、18歳以上65人(同76.5%)となっています。

    【鴨島町】
     平成9年の身体障害者1,307人のうち、65歳以上が832人、構成比で63.7%を占めています。知的障害者149人については、18歳未満28人(構成比18.8%)、18歳以上121人(同81.2%)となっています。

    【川島町】
     平成9年の身体障害者373人のうち、65歳以上が228人、構成比で61.1%を占めています。知的障害者54人については、18歳未満9人(構成比16.7%)、18歳以上45人(同83.3%)となっています。

    【山川町】
     平成9年の身体障害者615人のうち、65歳以上が414人、構成比で67.3%を占めています。知的障害者62人については、18歳未満3人(構成比4.8%)、18歳以上59人(同95.2%)となっています。

    【美郷村】
     平成9年の身体障害者101人のうち、65歳以上が63人、構成比で62.4%を占めています。知的障害者18人については、18歳未満3人(構成比16.7%)、18歳以上15人(同83.3%)となっています。

(3)障害者の障害種別
  1. 阿波麻植の状況

     身体障害者の障害の種別についてみると、平成9年3月31日現在、「肢体不自由」が54.6%(2,070人)と過半数を占め、次いで「内部障害」が19.5%(738人)、「聴覚(平衡機能)障害」が16.0%(606人)、「視覚障害」が9.4%(358人)、「音声言語障害」が0.6%(22人)という状況となっています。
     また、近年の推移をみると、「肢体不自由」と「内部障害」が一貫して人数が増加しており、特に「内部障害」の伸びが顕著となっています。

    阿波麻植における身体障害者の障害種別人数の推移
    (単位:人)
    -平成5年平成6年平成7年平成8年平成9年
    視覚障害359358364364358
    聴覚(平衡機能)障害602612619621606
    音声言語障害1821222222
    肢体不自由1,9541,9992,0252,0612,070
    内部障害581621664705738
    3,5143,6113,6943,7733,794
    注1:手帳交付状況による。
    2:各年3月31日現在

    阿波麻植における身体障害者の障害種別構成比の推移
    (単位:%)
    -平成5年平成6年平成7年平成8年平成9年
    視覚障害10.29.99.99.69.4
    聴覚(平衡機能)障害17.116.916.816.516.0
    音声言語障害0.50.60.60.60.6
    肢体不自由55.655.454.854.654.6
    内部障害16.517.218.018.719.5
    100.0100.0100.0100.0100.0
    注1:手帳交付状況による。
    2:各年3月31日現在
    3:端数処理のため、合計が100.0にならない場合がある。

  2. 町村別の状況

    【市場町】
     平成9年3月31日現在の身体障害者688人の種別については、肢体不自由383人(構成比55.7%)、聴覚(平衡機能)障害130人(同18.9%)、内部障害104人(同15.1%)、視覚障害66人(同9.6%)、音声言語障害5人(同0.7%)となっています。

    【阿波町】
     平成9年3月31日現在の身体障害者710人の種別については、肢体不自由387人(構成比54.5%)、内部障害151人(同21.3%)、聴覚(平衡機能)障害108人(同15.2%)、視覚障害62人(同8.7%)、音声言語障害2人(同0.3%)となっています。

    【鴨島町】
     平成9年3月31日現在の身体障害者1,307人の種別については、肢体不自由710人(構成比54.3%)、内部障害286人(同21.9%)、聴覚(平衡機能)障害182人(同13.9%)、視覚障害119人(同9.1%)、音声言語障害10人(同0.8%)となっています。

    【川島町】
     平成9年3月31日現在の身体障害者373人の種別については、肢体不自由208人(構成比55.8%)、内部障害69人(同18.5%)、聴覚(平衡機能)障害50人(同13.4%)、視覚障害44人(同11.8%)、音声言語障害2人(同0.5%)となっています。

    【山川町】
     平成9年3月31日現在の身体障害者615人の種別については、肢体不自由327人(構成比53.2%)、聴覚(平衡機能)障害119人(同19.3%)、内部障害112人(同18.2%)、視覚障害54人(同8.8%)、音声言語障害3人(同0.5%)となっています。

    【美郷村】
     平成9年3月31日現在の身体障害者101人の種別については、肢体不自由55人(構成比54.5%)、聴覚(平衡機能)障害17人(同16.8%)、内部障害16人(同15.8%)、視覚障害13人(同12.9%)、音声言語障害0人となっています。

(4)障害の程度
  1. 阿波麻植の状況

     阿波麻植の身体障害者の障害の程度は重度化の傾向にあります。平成9年3月31日現在の状況をみると、最重度を示す身体障害者手帳「1級」保持者が26.1%(990人)と3.8人に1人の割合で、これと「2級」保持者(18.1%、685人)を合わせた重度者が44.1%(1,675人)と4割半ばを占めるまでになっており、近年の推移をみても「1級」保持者の増加率が最も多くなっています。知的障害者では、重度を示す療育手帳「A」保持者(66.9%、299人)が6割半ばを占めていますが、近年では、全体の人数が増加傾向で推移しているなかで、重度者の構成比は低下してきています。
     また、障害の重複化も進んでおり、障害者に対する意識調査の結果によると、知的障害者の3分の1(33.6%)が身体障害者手帳も保持し、その7割ほどが“重度の身体障害者”となっています。

    阿波麻植における身体障害者の障害程度別人数の推移
    (単位:人)
    -平成5年平成6年平成7年平成8年平成9年
    1級872901939979990
    2級654665667677685
    3級528551567568562
    4級656679696715727
    5級423422426426420
    6級381393399408410
    3,5143,6113,6943,7733,794
    注1:手帳交付状況による。
    2:各年3月31日現在

    阿波麻植における身体障害者の障害程度別構成比の推移
    (単位:%)
    -平成5年平成6年平成7年平成8年平成9年
    1級24.825.025.425.926.1
    2級18.618.418.117.918.1
    3級15.015.315.315.114.8
    4級18.718.818.819.019.2
    5級12.011.711.511.311.1
    6級10.810.910.810.810.8
    100.0100.0100.0100.0100.0
    注1:手帳交付状況による。
    2:各年3月31日現在
    3:端数処理のため、合計が100.0にならない場合がある。

    阿波麻植における知的障害者の障害程度別の推移
    (単位:人、%)
    -平成5年平成6年平成8年平成9年
    人数259268290299
    構成比70.870.767.666.9
    人数107111139148
    構成比29.229.332.433.1
    人数366379429447
    構成比100.0100.0100.0100.0
    注1:手帳交付状況による。

  2. 町村別の状況

    【市場町】
     平成9年3月31日現在の身体障害者688人のうち、1級と2級の重度者が286人、構成比で41.6%を占めています。また、知的障害者については、79人のうち重度者(A)が74.7%を占めています。

    【阿波町】
     平成9年3月31日現在の身体障害者710人のうち、1級と2級の重度者が316人、構成比で44.5%を占めています。また、知的障害者については、85人のうち重度者(A)が76.5%を占めています。

    【鴨島町】
     平成9年3月31日現在の身体障害者1,307人のうち、1級と2級の重度者が606人、構成比で46.4%を占めています。また、知的障害者については、149人のうち重度者(A)が60.4%を占めています。

    【川島町】
     平成9年3月31日現在の身体障害者373人のうち、1級と2級の重度者が165人、構成比で44.2%を占めています。また、知的障害者については、54人のうち重度者(A)が55.6%を占めています。

    【山川町】
     平成9年3月31日現在の身体障害者615人のうち、1級と2級の重度者が251人、構成比で40.8%を占めています。また、知的障害者については、62人のうち重度者(A)が69.4%を占めています。

    【美郷村】
     平成9年3月31日現在の身体障害者101人のうち、1級と2級の重度者が51人、構成比で50.5%を占めています。また、知的障害者については、18人のうち重度者(A)が66.7%を占めています。

第4章 障害者の生活の状況とニーズ

 阿波麻植町村の障害者は年々増加し、また高齢化、重度化、重複化が進んできていますが、ここでは、その生活実態や課題、施策ニーズについて、平成9年8月に実施したアンケート調査の結果から把握します。
 なお、本アンケートの調査方法、回収結果等は以下の通りです。

●調査方法

アンケートの種類 身体障害者(児)アンケート 知的障害者(児)アンケート 一般住民アンケート
調査方法 郵送配布、郵送回収
調査時期 平成9年8月
調査地区 阿波郡・麻植郡郡内全町村

●回収結果(表)

(票、%)
区分 身体障害者(児) 知的障害者(児) 一般住民
送付数 有効回答数 回収率 送付数 有効回答数 回収率 送付数 有効回答数 回収率
市場町 647 360 55.6 75 36 48.0 327 152 46.5
阿波町 691 341 49.3 75 36 48.0 355 139 39.2
鴨島町 990 541 54.6 130 72 55.4 539 280 51.9
川島町 353 187 53.0 52 21 40.4 276 132 47.8
山川町 558 364 65.2 53 31 58.5 327 178 54.4
美郷村 97 61 62.9 16 8 50.0 176 108 61.4
無回答 - 33 - - 10 - - 58 -
合計 3,336 1,887 56.6 401 214 53.4 2,000 1,004 50.2

1.世帯の状況

(1)阿波麻植の状況

 障害者の世帯状況をみると、身体障害者では、「配偶者」(59.7%)や「子」(45.9%)との同居が多くなっていますが、「父母」という回答も1割(11.7%)あり、「自分ひとり」も7.8%みられました。また、知的障害者では、「父母」(63.1%)との同居が最も多く、次いで「兄弟姉妹」(39.7%)、「祖父母」(15.4%)という状況となっています。
 このため、ひとり暮らしの障害者に対する援助策の充実はもとより、高齢化した「配偶者」や「父母」、さらには「祖父母」などの同居者が病気や事故で長期的に介助できなくなったり、亡くなった時の対策が今後の課題として挙げられます。

同居家族について[身体障害者](複数回答)
配偶者 59.7
45.9
父母 11.7
自分ひとり 7.8
兄弟姉妹 4.1
祖父母 2.0
その他 8.6
無回答 2.8

同居家族について[知的障害者](複数回答)

父母 63.1
兄弟姉妹 39.7
祖父母 15.4
配偶者(妻・夫) 7.9
4.2
自分ひとり 3.3
その他 9.8
無回答 3.7
(2)町村別の状況

同居家族について[身体障害者](複数回答)

(人;%)
- 合計 配偶者 父母 兄弟姉妹 祖父母 自分ひとり その他 無回答
居住地区別 市場町 360 215 35 172 13 8 24 33 11
100.0 59.7 9.7 47.8 3.6 2.2 6.7 9.2 3.1
阿波町 341 218 46 177 16 8 14 27 5
100.0 63.9 13.5 51.9 4.7 2.3 4.1 7.9 1.5
鴨島町 541 331 68 221 22 10 54 48 8
100.0 61.2 12.6 40.9 4.1 1.8 10.0 8.9 1.5
川島町 187 105 19 91 7 2 17 15 5
100.0 56.1 10.2 48.7 3.7 1.1 9.1 8.0 2.7
山川町 364 202 41 174 11 8 34 31 15
100.0 55.5 11.3 47.8 3.0 2.2 9.3 8.5 4.1
美郷村 61 38 7 17 6 2 2 6 5
100.0 62.3 11.5 27.9 9.8 3.3 3.3 9.8 8.2

同居家族について[知的障害者](複数回答)

(人;%)
- 合計 配偶者(妻・夫) 父母 兄弟姉妹 祖父母 自分ひとり その他 無回答
居住地別 市場町 36 1 23 0 13 8 1 2 3
100.0 2.8 63.9 0.0 36.1 22.2 2.8 5.6 8.3
阿波町 36 3 28 1 15 7 0 4 1
100.0 8.3 77.8 2.8 41.7 19.4 0.0 11.1 2.8
鴨島町 72 5 48 4 26 11 2 5 2
100.0 6.9 66.7 5.6 36.1 15.3 2.8 6.9 2.8
川島町 21 1 10 0 7 1 2 3 2
100.0 4.8 47.6 0.0 33.3 4.8 9.5 14.3 9.5
山川町 31 5 14 4 14 2 1 5 0
100.0 16.1 45.2 12.9 45.2 6.5 3.2 16.1 0.0
美郷村 8 2 6 0 5 3 0 0 0
100.0 25.0 75.0 0.0 62.5 37.5 0.0 0.0 0.0


主題:
阿波麻植町村障害者計画  No.1
1頁~25頁

発行者:
徳島県 阿波・麻植郡
市場町 阿波町 鴨島町
川島町 山川町 美郷村

発行年月:
平成10年3月

文献に関する問い合わせ先:
徳島県 阿波・麻植郡
市場町 阿波町 鴨島町
川島町 山川町 美郷村