用語の解説 アビリンピック 住宅介護支援センター

用語の解説

アビリンピック

 「アビリンピック」(Abilympic)は「Ability」と「Olympic」の造語で、全国身体障害者技能大会の愛称として親しまれている。なお、アビリンピックには、国際・国内の大会がある。

 国内の第一回大会は昭和47年に、身体障害者の職業能力の開発を促進し、技能労働者として社会に参加する自信と誇りを与えるとともに、広く身体障害者に対する社会の理解と認識を高め、その雇用の促進と地位の向上を図る目的で開催した。その後毎年実施し、平成6年には、第20回の節目の記念大会を迎えた。

 平成7年は、4年ごとの国際アビリンピックが、オーストラリアのパース市で開催される。

 国際アビリンピックは、東京・コロンビア・香港に次いで第4回目になる。

 全国身体障害者技能大会の第1回から第20回大会までに参加した選手は、3,292名を数え、このうち労働大臣賞・金賞を受賞した者305名、銀賞433名、銅賞464名となっている。

 現在行っている競技種目は「旋盤」「洋裁」「洋服」「和裁」「家具」「建具」「写真植字」「機械製図」「広告美術」「貴金属装身具」「版下製作」「電子回路接続」「電話交換」「日本語ワードプロセッサー」「パーソナルコンピュータ」等の職種である。

 これまでに、技術革新の進展に応じて、「時計修理」「カナタイプ」「テレビ修理」等の職種を廃止し、時代のニーズに合った、OA機器関連の職種を大幅に取り入れる等の見直しを行った。

 今後の大会運営については、身体障害者だけでなく、知的障害者も、また、障害のある人も障害のない人も、気軽に参加できる「開かれた技能の発典」を目ざして行きたい。

 そのためには、生活・余暇関連の競技職種の新設やふれあいの場を広げるデモンストレーション競技の導入を検討したいと考えている。

(岡重利/日本障害者雇用促進協会)

 

住宅介護支援センター

 住宅介護支援センター(以下支援センター)の目的は、保健・福祉ニーズを早期に発見し、各種サービスを適切に利用すること等によって、介護負担の軽減や日常生活の質的向上を図るなど、要援護高齢者の在宅生活全般を支援することである。

 支援センター事業には、①保健・福祉ニーズの早期発見機能、②保健・福祉ニーズの評価・情報収集機能、③各種サービスの利用の啓発・情報提供機能、④サービスの利便性を高める申請代行機能、⑤適切なサービスの利用を図る調整機能、⑥在宅介護に関する助言・指導等総合的相談機能等が位置付けられている。職員は、ソーシャルワーカーと看護婦、または、保健婦と介護福祉士のどちらか2名で、保健と福祉の専門職がチームで配置されることになっている。

 事業の実施主体は市区町村であるが、その多くは特別養護老人ホーム、老人保健施設、病院等に併設する形で、社会福祉法人、医療法人等に委託されている。ただし、母体施設の専門職の機能、24時間体制の職員配置、具体的な保健・福祉サービス等の活用が設置の条件とされている。

 支援センター事業は平成2年度に始まり、ゴールドプランでは、平成12年度までに全国で1万ヶ所、人口2万人(中学校区)に1ヶ所程度の整備を目標としている。しかしながら、平成6年度末で、まだ全国に1834ヶ所しか設置されておらず、急速な施設整備が待たれる。また、今後各地域で、保健福祉計画に沿って各種サービスを量的・質的に整備し、その適切かつ合理的な提供方法を構築するにあたって、支援センターが核として機能することが期待されている。

(中川昌弘/弘済ケアセンター)


(財)日本障害者リハビリテーション協会発行
「リハビリテーション研究」
1994年12月(第82号)41頁

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