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ソーシャル・ファーム(Social Firm)

解説

日本では、障害者の働く場として、福祉制度に基づく「通所・入所授産施設、小規模作業所」と「企業」の2種類があるが、ヨーロッパでは第3の分野として、ソーシャル・エンタープライズ(社会企業)がある。ソーシャル・エンタープライズは、社会的な目的をビジネス手法で行うものである。通常の賃金、労働条件で生産活動を行い、製品・サービスを市場で販売し、利益を事業に再投資する形で、社会的目的を実現させる。

ソーシャル・ファームは、ソーシャル・エンタープライズの一種であり、障害者あるいは労働市場で不利な立場にある人々のために、仕事を生み出し、また支援付き雇用の機会を提供することに焦点をおいたビジネスである。

ソーシャル・ファーム(イタリアでは「ソーシャル・コーポラティブ(社会的協同組合)」は1970年頃に北イタリアの精神病院で始まった。入院治療が必要でなくなった者が地域に住み仕事に就こうとしたが、偏見差別意識から雇用する企業が現れなかったため、病院職員と患者が一緒になって仕事をする企業を自ら作っていったのが、はじまりである。この手法は、1980年代に、ドイツ、オランダ、フィンランド、イギリスなど、ヨーロッパ各地に広がった。

日本でも同様の試みがはじまっているところもあるが、ヨーロッパのソーシャル・ファームはほとんど紹介されてこなかった。日本障害者リハビリテーション協会では、日英高齢者・障害者ケア開発協力機構との共催で、日英セミナー「障害者のための社会的な仕事と雇用の創出」(2005年1月)、国際セミナー「世界の障害者インクルージョン政策の動向-ソーシャル・ファームの経営と障害者支援活動-」(2006年1月)国際セミナー「各国のソーシャル・ファームに対する支援」(2007年1月)、「ヨーロッパとアジアのソーシャル・ファームの動向と取り組み」(2008年1月)開催し、イギリス、イタリア、ドイツ、韓国、ミャンマーの専門家からご講演をいただいた。