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平成22年度厚生労働科学研究費補助金
障害者対策総合研究(身体・知的等障害分野)成果発表会報告書


平成22年度厚生労働科学研究費補助金(障害者対策総合研究事業(身体・知的等障害分野))
一般向け研究成果発表会開催事業

シンポジウム
共生社会に向けた地域相談ネットワーク作り
―障害のある人もない人も暮らしやすい地域づくりのために何ができるか―

プログラム

イラスト

開催日時
平成22年11月14日(日)14:00~16:00

会場
東京国際フォーラム ホールD1

主催:シンポジウム事務局
財団法人 日本障害者リハビリテーション協会

後援:千葉県


シンポジウム次第

1.開会のあいさつ

2.調査結果の説明「地域相談ネットワークによる障害者の権利擁護の可能性」
  堀口 寿広(独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター)

シンポジウム

第1部

3.シンポジストからの報告
  高梨 憲司氏(社会福祉法人 愛光)
  佐藤 彰一氏(法政大学大学院法務研究科 特定非営利活動法人PACガーディアンズ)
  小川 誓順氏(社会福祉法人 コメット)
  秋山 千枝子氏(医療法人社団千実会 あきやま子どもクリニック)
  司会 堀口 寿広

休憩

第2部

4.シンポジストと考えよう
  高梨 憲司氏
  佐藤 彰一氏
  小川 誓順氏
  秋山 千枝子氏
  田代 信久氏(近畿大学九州短期大学)
  司会 堀口 寿広

5.閉会のあいさつ

※※※※※※ご来場の皆様方へ※※※※※※※

  • 「質問紙」と「シンポジウムの感想(アンケート用紙)」がございます。ご協力をお願い申し上げます。
  • 会場内で出たゴミは、必ずお持ち帰りください。
  • ご不明な点がございましたら、スタッフにおたずねください。

調査結果の説明

平成19-21年度 厚生労働科学研究費補助金(障害保健福祉総合研究事業)
「地域相談ネットワークによる障害者の権利擁護の可能性」

研究代表者:国立精神・神経センター 精神保健研究所  堀口 寿広

研究分担者:社会福祉法人愛光・視覚障害者総合支援センターちば  高梨 憲司

研究分担者:法政大学大学院 法務研究科  佐藤 彰一

1.研究の目的

本研究の目的は、法制度を設けて地域の相談ネットワークを活用することによって、障害者の権利擁護を実現することの可能性を研究することである。国連の障害者権利条約への批准に向けて準備の進むわが国において、障害者の権利擁護を目的に含む条例を施行した千葉県を観察対象地域として、地域の相談活動の状況をモニタリングすることを通して、相談機関をネットワーク化して障害者の権利擁護機能を担わせるための方策について指針を得ることである。

2.研究方法

千葉県内の各種相談機関を対象として、①相談の実施状況、②相談件数(全ての相談件数と障害者差別に関連した相談件数)、③マニュアルの整備状況、④条例の認知度をたずねるアンケート調査を実施し、年次変化を得た。加えて、障害者の権利擁護を実施する専門機関30箇所を対象に、⑤相談経路と転帰を調査し、年次変化を得た。

3.研究結果及び考察

各種相談機関からの回答として、平成19年度の調査では1,281件、20年度は1,574件、21年度は1,573件の回答があった。年間の全ての相談件数として平成18年度(のべ)68万件、19年度91万件、20年度63万件を把握した。このうち障害者差別に関連した相談件数は、18年度512件(各機関で全ての相談に占める割合の平均0.4%)、19年度1,765件(1.4%)、20年度1,770件(1.2%)あった。相談件数と地域の都市化の速度が関連していること、障害の種別によって相談内容に違いのあることを明らかにした。また、機関連携に当たり、市町村、医療機関の役割が要望されていること、既存の法制度が阻害要因と考えられていることがわかった。千葉県独自の相談機関を含めた地域のネットワークが有効に機能していると考えた。

条例の認知度は、19年度の調査では61%、20年度は48%、20年度は46%であった。他地域での条例の制定を目指す取り組みを検討したところ、条例の内容は充実されていたが、施行後の円滑な実施のためには、制定の過程において地域住民を含めた周知宣伝活動が重要と考えた。

4.結論

条例を施行した千葉県において障害者差別に関連した相談は条例の施行による件数の急増を認めず、障害者の権利擁護を目的とした法制度を導入して地域の相談ネットワークに活動を担わせることは可能であり、地域の特性に合わせた相談体制の構築が必要と考えた。

堀口寿広氏 スライド1 (スライド1の内容)

堀口寿広氏 スライド2 (スライド2の内容)

堀口寿広氏 スライド3 (スライド3の内容)

堀口寿広氏 スライド4 (スライド4の内容)

堀口寿広氏 スライド5 (スライド5の内容)

堀口寿広氏 スライド6 (スライド6の内容)

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堀口寿広氏 スライド9 (スライド9の内容)

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堀口寿広氏 スライド11 (スライド11の内容)

堀口寿広氏 スライド12 (スライド12の内容)

堀口寿広氏 スライド13 (スライド13の内容)

堀口寿広氏 スライド14 (スライド14の内容)

堀口寿広氏 スライド15 (スライド15の内容)


厚生労働科学データベースで報告書を公開しています

報告書 スライド1 (スライド1の内容)

報告書 スライド2 (スライド2の内容)

http://mhlw-grants.niph.go.jp/index.html


共生社会の実現に向けて -千葉県の挑戦-

社会福祉法人 愛光
高梨憲司

初めに

国連は21世紀における社会づくりのスローガンとしてsociety for all(総ての人々の社会)を掲げ、千葉県も「誰もが、ありのままに、その人らしく地域で暮らす」ことを目指している。しかし、地域社会に差別や偏見が存在したのでは「ありのままに、その人らしく」生きることなどできない。

社会の構成員の総てにとって、その人らしい人生を実現できる社会こそがユニバーサルな社会である。しかし、人の尊厳は皆同じであるにもかかわらず、外見上異なる人たちの存在や異文化の人々・小数の人たちの存在が充分地域社会に受け入れられているとはいえない現実がある。

2006年12月、国連は「障害のある人の権利に関する条約(障害者権利条約)」を採択、現在、国において条約批准に向けた国内法の検討が進められている。それに先立つ同年10月、千葉県議会は全会一致で「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」を可決した。これは全国初の障害者に対する差別や偏見の解消を目指した画期的な条例として、全国的な関心を集めている。

1 障害とは

  • 障害とは誰もが持ちうる属性の一つ:全国の障害者数は724万人、人口18人に一人(平成18年厚生労働省調査から推定)。もはや誰もが障害者になりうる時代ともいえる。
  • なにゆえ障害者は生活しにくいのか:社会の少数派である「障害」という属性と、異なる属性を有する多数派が築いた社会環境との間の不調和が要因
  • 不調和を改善するには:障害のある人とない人との互いの歩み寄りの努力と、法や施策による後押しが重要
  • 障害のある人にとっての課題は:充分な情報提供、権利擁護、相談支援等を通じて、主体的に自らの権利を行使できるようエンパワーメントを高めることが必要
  • 障害のない人にとっての課題は:少数派の属性とニーズを理解し、どのように対応したらよいのか、目標と手段、共通のルールを明らかにすること
  • 実行力を高めるには:外からの規制としての権利条約、上からの拘束力としての差別禁止法、内なる後押しとしての条例という三位一体的な整備が必要

2 条例制定までの歩み

① 背景

20世紀後半におけるノーマライゼイション思想の普及によって、障害者に対する人々の理解は大きく進展した。しかし、依然として偏見や誤解のために社会生活の様々な場面で不利益を余儀なくされたり、悲しい思いをしている障害者は決して少なくない。既に米国等世界の40ケ国以上で障害者差別に関する法律が存在するとされている。国連は2001年に我国に対し差別禁止法を制定するよう勧告しているが、我国では国レベルでも自治体レベルでも障害者の差別を具体的に禁止する法制度はなかった。

② 千葉県における条例づくりの取り組み

千葉県では新たな地域福祉像として、「誰もが、ありのままに、その人らしく地域で暮らす」を掲げ、そうした地域社会づくりのために、2004年、「第三次千葉県障害者画」および「千葉県障害者地域生活づくり宣言」において、「国に障害者差別禁止法の制定を働きかけると共に、千葉県独自の条例制定を検討する」ことを明記した。

③ 検討の経過

2004年9月、「差別とは何か」を考える場合、悲しい思いをしてきた当事者の経験を出発点にすべきとの考えから、県が「差別に当たると思われる事例」を募集、日常生活の広範な分野にわたる800余の事例が寄せられた。

2005年1月、差別の解消に向けた具体的な検討を行なうため、公募による29名の委員からなる「障害者差別を無くすための研究会」を設置。事例の分析、差別や障害者の定義の検討、県内各地でのタウンミーティングの開催(30ケ所以上で実施、3,000人以上の県民が参加)、関係機関や団体に対するヒヤリングを実施する等、条例案づくりを進めた。

2005年12月、知事に条例案を提出。

④ 県議会における審議経過

2006年2月:堂本知事が2月県議会に「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例案」を上程。しかし、各会派からの「もっと広く県民の意見を聞くべき」との意見により継続審議となった。

2006年6月:市町村長会・市町村教育委員会・経済界・労働界等からの意見聴取やパブリックコメントを経て、6月県議会において条例案が再度審議された。しかし、絶対多数野党である自民党の「取下げ要求」に対し、研究会の「どんなに修正を図っても、希望の火だけは消さないで」という悲痛な声を受けて、堂本知事はやむなく条例案を一旦取下げ、常任委員会における修正案の検討を経て、9月県議会に改めて上程することとなった。

2006年9月:9月県議会において条例の修正案が審議され、10月11日、本会議にて採決の結果、全員一致で可決された。

3 「差別を無くすための取り組み」の基本的な考え方

① 取り組みの意義

  • 障害当事者一人一人にとってその人らしく地域で暮らすことを実現するために「差別とは何か」が明確でない現状で、障害者問題に対する共通の理解とルールを作る必要があること。
  • 障害者に対する理解を拡げる「県民運動」を盛り上げることによって、県民全体で障害者の問題を考える機会となり、「障害のある人もない人も当たり前にいる」という県民文化を創造すること。
  • 長い人生の中では誰もが自分の責任ではない暮らしにくさを経験している筈であり、差別を無くして行くことを自分の問題として考え、「あらゆる差別のない地域社会」を実現する出発点とすることが重要であること。

② 取り組みの方向性

  • 差別をする側、対、差別をされる側という対立構図ではなく、「総ての人が暮らしやすい社会を作るためにはどうすればよいか」という問題意識を、障害のある人もない人も共有することが重要。
  • 障害を隠さざるを得ない状況もあるが、発言できる環境を整えた上で、障害者も自らの暮らしにくさや思いを積極的に周囲に伝える努力をする必要がある。
  • 表面の現象を抑制するだけでなく、背後にある原因も含めて社会の仕組みそのものを変えて行く仕組みが必要。

4 条例の構成と特色

  • 前文および5章36条から成り、福祉サービスや医療、教育等、8分野にわたる分野毎に差別を定義(障害を理由とした不利益取り扱い、合理的配慮の欠如)。
  • 差別行為に対してあくまでも話し合いによる解決を目指し、罰則規定を設けていない。
  • 合理的な配慮を行なうことが過重な負担となる場合に、適用除外を設けている。
  • 条例の理念実現のために、「個別事案解決の仕組み」、「誰もが暮らしやすい社会づくりを議論する仕組み」、「障害のある人に優しい取り組みを応援する仕組み」の三つの仕組みを設けている。

5 条例施行後における相談活動の状況

  • 平成21年度相談の受付状況(資料1
  • 平成21年度相談活動の実施状況(資料2
  • 平成21年度相談態様別状況について(資料3)
  • 「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり推進会議」における検討課題(資料4

6 条例の理念実現に向けた課題

① 条例案づくりにおいて積み残した課題(条例の限界)

  • 「障害」の表記
  • 条例が対象とする障害者の定義(障害者の範囲)
  • インクルーシブ教育の実現

② 今後の課題

  • 条例の理念普及の推進(県民への啓発、広報等)
  • 障害者差別の定義に関する県民の共通理解の構築(解釈指針の充実、学習会等)
  • 障害者に対する県民の理解を推進するための実践活動の積み上げ

結び「障害者権利条約の批准に向けた国内法の整備」

千葉県における条例制定の意義は「全国初」というだけではない。条例案づくりの段階から障害者団体や行政の押し付けによって検討が始まったのではなく、「健康福祉千葉方式」といわれる県民の主体的な運動として広がっていったことにある。しかし、内容的にみると、前述の積み残された課題にもあるように、「障害者差別をなくすための研究会」における当初の案から大きく後退した感は否めない。その最も大きな要因が、「条例の制定は国の法律の範囲内」という条例の限界と、障害者差別に関する県民の認識不足にあることはいうまでもない。また、条例案づくりの出発点が県民から寄せられた「差別と思われる事例」の分析にあったこともあり、差別の解消が主に日常生活に関わる事柄に限定されている。そのため、障害のある人が社会のあらゆる場面で障害のない人と同等な権利を行使し、生活を営むことを可能とするための司法や行政手続き、福祉サービスの質や量等には触れていない。即ち、障害のある人の生存権を保障する観点からみれば充分とはいえない。その意味で国政レベルでの「障害者権利条約の批准」に向けた国内法の整備が待たれる。国政レベルでの後押しが自治体レベルの条例の実効性を高めることとなるからである。しかし、真の理解は「障害のある人もない人も当たり前にいる」という国民文化の情勢が大前提といえよう。


資料1

相談の受付状況について
(平成21年4月1日から平成22年3月31日受付分)

1 相談分野別件数

福祉サービス 43 建物・交通機関 24
医療 不動産の取引
商品・サービス 26 情報の提供等
労働者の雇用 38 その他 68
教育 15 総合計 233

(注)複数の分野にまたがる相談については、主な相談分野でカウントした。

2 障害種別ごとの取扱件数

視覚障害 16 知的障害 36
聴覚障害 精神障害 76
言語等障害 発達障害 18
肢体不自由 60 高次脳機能障害
内部障害 その他
身体障害合計 88 総合計 233

(注)重複障害のある方については、主な障害種別でカウントした。

3 障害保健福祉圏域別取扱件数

千葉 17 松戸 14 香取 12 夷隅 19
船橋 28 21 海匝 安房 19
習志野 19 野田 13 山武 君津 11
市川 17 印旛 長生 14 市原
  県外・不明
  総合計 233

(注)事案の発生した場所でカウントした。


資料2

相談活動の実施状況について
(平成21年4月1日から平成22年3月31日終結分)

平成21年4月1日から平成22年3月31日までに活動を終結した件数 217件

終結したケースを相談態様別に分類

(1)双方の事情を確認し、対応方針を検討しながら、何らかの助言や調整を行ったもの(助言・調整) 80件(36.8%)
(2)相談者から事情を聴取した上で、関係機関に対して、以後の相談活動を引き継いだもの(関係機関) 34件(15.7%)
(3)相談者に対して、情報を提供したもの(情報提供) 34件(15.7%)
(4)相談者や関係機関等から状況の聴取を行ったが、ケースの性格上、状況聴取にとどめたもの(状況聴取) 69件(31.8%)
  (内訳)
  • 相談者が、県からの働きかけを望まないなど、相談者の事情により調整を行わなかったもの
(53件)
  • 相談者の話を傾聴することで納得したもの
(13件)
  • 制度や施策に対する要望等で、個別事案の解決になじまないもの
(3件)

資料3

相談態様別活動状況

相談態様 件数 活動回数 平均活動回数
(1)助言・調整 100 1,539 15.4
(2)関係機関 55 882 16.0
(3)情報提供 58 534 9.2
(4)状況聴取 77 511 6.6
終結件数 計 290 3,466 12.0
継続中 55 668  
合計 345 4,134

※ 前年度からの継続分を含む。


資料4

平成21年度 「推進会議」協議課題

推進会議等において検討が期待される主な課題

1.障害者用駐車スペースの適正な利用

2.視聴覚障害者等に対する情報提供の配慮

3.預金の引出し等を行なう際の金融機関の配慮

4.音響式信号機の音声誘導ルール

5.店舗での買い物と移動の介助

6.病院や飲食店等における盲導犬等の受入れ

7.保育所等における障害児への配慮

8.障害の状況に応じた職場での配慮

9.学校における発達障害・知的障害児に対する教育上の配慮

10.障害者が使えるトイレの設置推進

11.障害者(特に精神障害者)に対する不動産の賃貸

12.サービス提供に当たっての安全配慮

13.建物等のバリアフリー化の推進

高梨憲司氏 スライド1 (スライド1の内容)

高梨憲司氏 スライド2 (スライド2の内容)

高梨憲司氏 スライド3 (スライド3の内容)

高梨憲司氏 スライド4 (スライド4の内容)

高梨憲司氏 スライド5 (スライド5の内容)

高梨憲司氏 スライド6 (スライド6の内容)

高梨憲司氏 スライド7 (スライド7の内容)

高梨憲司氏 スライド8 (スライド8の内容)

高梨憲司氏 スライド9 (スライド9の内容)


佐藤彰一氏 スライド1 (スライド1の内容)

佐藤彰一氏 スライド2 (スライド2の内容)

佐藤彰一氏 スライド3 (スライド3の内容)

佐藤彰一氏 スライド4 (スライド4の内容)

佐藤彰一氏 スライド5 (スライド5の内容)

佐藤彰一氏 スライド6 (スライド6の内容)

佐藤彰一氏 スライド7 (スライド7の内容)

佐藤彰一氏 スライド8 (スライド8の内容)

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佐藤彰一氏 スライド13 (スライド13の内容)

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佐藤彰一氏 スライド15 (スライド15の内容)

佐藤彰一氏 スライド16 (スライド16の内容)

佐藤彰一氏 スライド17

佐藤彰一氏 スライド18 (スライド18の内容)


地域社会に求められる
あらたな福祉活動とは!

社会福祉法人コメット トマトハウス
小川 誓順

①なぜ地域に「たまり場」(安心して居られる場所)を創ったのか?

  • 1976.8.9. 町田にある精神病院に入職、そこで見たもの
  • まず、職員の仕事意識の向上と働くものとしての誇りの獲得
  • ベースアップの3年間の凍結と病棟の建て替え
  • 退院者の地域での「受け皿」創り

②その後の活動

  • オープンスペース“トマトハウス”の開設(1984年)
  • 「作業所」として補助金を受ける
    場の提供から、“働く(仕事)”の提供へ
  • 「仕出し弁当」の思わぬ成功
  • 「ゆったり出来る場」の増設、手作りパンの分家独立

③道路拡張工事に伴う移転から、社会福祉法人の設立(1997年)

  • 駅から5分、109(東急)に並ぶ道路の一等地に5階建てビル建設
  • 施設の開放:ホール、会議室、店舗等の貸出(夜間・日曜祭日も含む)
    落語会・ライブ・陶芸教室・パン教室等の開催
  • 利用者の多機能型受け入れの実現
    病状の重い方・長期入院者の受入れ、長期継続的な就労の保障、一般就労へのステップとしての受入れ等

④現実に見えてきた、思惑との落差

  • 長期入院者が病院から出てこない
    そして、色々な病状を抱えた、新たな「精神障がい者」の方々の利用が多くなる(入院経験のない方も多くなる)
  • 共同作業所から福祉施設になり、「敷居が高い」と言われるようになる
    施設の維持・運営に職員の力が注がれるようになる、また、受入れも「システム」化され、気楽に相談できる雰囲気が無くなる。
  • 地域のチグハグな「相談窓口」のあり方、保健所の撤退と「地域生活支援センター」の非センター化

⑤NPOの法制化と「気楽に行ける場」の消失

  • たまり場的な作業所が認可されなくなり、小さくとも「法人化」しなければならなくなり、組織の維持・運営が重くのしかかってくる
  • あらたなネットワークの必要性
    施設から出て行く活動、市民活動への参加

小川誓順氏 スライド1 (スライド1の内容)

小川誓順氏 スライド2

小川誓順氏 スライド3

小川誓順氏 スライド4

小川誓順氏 スライド5


秋山千枝子氏 スライド1 (スライド1の内容)

秋山千枝子氏 スライド2 (スライド2の内容)

秋山千枝子氏 スライド3 (スライド3の内容)

秋山千枝子氏 スライド4 (スライド4の内容)

秋山千枝子氏 スライド5 (スライド5の内容)

秋山千枝子氏 スライド6 (スライド6の内容)

秋山千枝子氏 スライド7 (スライド7の内容)

秋山千枝子氏 スライド8 (スライド8の内容)

秋山千枝子氏 スライド9 (スライド9の内容)

秋山千枝子氏 スライド10 (スライド10の内容)

秋山千枝子氏 スライド11 (スライド11の内容)

秋山千枝子氏 スライド12 (スライド12の内容)

秋山千枝子氏 スライド13 (スライド13の内容)

秋山千枝子氏 スライド14 (スライド14の内容)

秋山千枝子氏 スライド15 (スライド15の内容)

秋山千枝子氏 スライド16 (スライド16の内容)

秋山千枝子氏 スライド17 (スライド17の内容)

秋山千枝子氏 スライド18 (スライド18の内容)

秋山千枝子氏 スライド19 (スライド19の内容)


シンポジウム事務局

ロゴ独立行政法人
国立精神・神経医療研究センター
精神保健研究所 社会精神保健研究部

家族・地域研究室

〒187-8553 東京都小平市小川東町4-1-1