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TWG-DC(障害問題作業部会)

TWG-DC第7回会議(2003年12月1~2日)議事録

(財)日本障害者リハビリテーション協会

項目 内容
発表年月 2003年12月31日
備考 英語版:原文

UNITED NATIONS
REGIONAL COORDINATION MECHANISM
THEMATIC WORKING GROUP ON DISABILITY-RELATED CONCERNS

日時:2003年12月1~2日
場所:国際連合会議場 バンコク

議事録

I.会議開始

II. 議題の採択

III.第6回障害問題作業部会議事録の確認

IV. 議事録への質疑応答

V. 議題10: タスクフォースの活動報告

VI. 2004年12月までのBMF(びわこミレニアム・フレームワーク)実施に向けた具体的活動の報告(アジア太平洋障害フォーラム(APDF)、国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)、アジア太平洋障害センター(APCD)、障害者インターナショナル・アジア太平洋地域委員会(DPI/AP)、インクルージョン・インターナショナル)

VII. バンコクで2003年8月および10月に、また北京で11月に開催された第59回総会と障害者の権利および尊厳の促進および保護に関する国際条約のための地域会議に関するUNESCAPの報告

VIII.その他の事項付録

I.開会

第7回障害問題作業部会(TWGDC)が、社会問題局人口・社会統合課長のJerrold Huguet氏により開会された。開会スピーチの中でHuguet氏は、きわめて多忙な時期にもかかわらず出席した参加者に感謝するとともに、BMFの目的の更なる実施に向けた取り組みに対し、深い感謝の意を表した。Huguet氏は、今年(2003)年の最も有意義な活動は、障害者の権利および尊厳の促進および保護に関する国際条約の確立に向けたプロセスに焦点を合わせたものであったと述べた。第6回障害問題作業部会が2003年6月にバンコクで開催された直後に、第2回障害者の権利および尊厳の促進、保護に関する国際条約を検討する特別委員会がニューヨークで開かれた。第2回特別委員会にはUNESCAPの代表1名と、様々な立場で活動するアジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)の地域専門家(TWGDCのメンバーを含む)が多数出席した。結果はきわめて肯定的なものであった。新しい(第8回)国際人権条約の確立に関し絶対的な合意が得られると共に、条約文草案作成に向けた作業部会の設立について決定がなされた。

このような条約確立のための第2回特別委員会による決定を考慮し、UNESCAPは2003年10月に、条約提案に向けての草案文の作成プロセスを開始するためのフォロー・アップ地域ワークショップを組織した。その結果がバンコク草案:『総合的かつ包括的国際条約の提案する項目』である。

この一連のESCAP会議で今年最後のものが、2003年11月4~7日にUNESCAPと中国障害者連盟(CDPF)の共同主催により北京で開催された。この会議は、障害者にとって重要な部門における意思決定者である高級官僚を特に対象としたものであったが、市民社会の著名なリーダーもオブザーバーとして出席した。この会議の目玉は、『北京宣言』の全会一致での採択であった。2003年11月20に、UNECAPの事務局長Kim Hak-Su氏が、バンコク草案と北京宣言の両方を、特別委員会議長であるエクアドルのLuis Gallegos Chiriboga閣下に提出した。これらの文書は、2004年1月にニューヨークで会議を行う作業部会に対する地域的インプットの一部を成すであろうものである。

Huguet氏は、第2次アジア太平洋障害者の十年(2003~2012年)の1年目の終わりに達したこと、またアフガニスタン、バングラデシュおよびインドを含むこの地域の幾つかの国々がびわこミレニアム・フレームワーク(BMF)の実施に向けた国家活動計画の策定にすでに着手していることを述べた。

同氏は、スピーチの最後に、UNESCAPが12月3日に国連賠償委員会(UNCC)において国際障害者の日の祝典を主催することを発表した。今年のテーマは、『私たち自身の声』であり、BMFの第1および第2優先分野に沿ったテーマである。同氏は、多くの参加者がこのイベントに向けてESCAPのチームに参加するため留まることを望むと語った。

第7回障害問題作業部会は、新しく形成された非政府組織の地域的ネットワークであるアジア太平洋障害フォーラム(APDF)の実行委員会の一員であるFrank Hall-Bentick氏が議長を務めた。3つの政府、UNESCAP、2つの専門機関および20の非政府組織の代表が会議に参加し、参加者総数は55名であった。参加者リストは付録Iとして添付する。

II. 議題の採択

TWGDCは以下の議題を採択した。

A. タスクフォースの会合

  1. 情報通信技術(ICT)
  2. 障害をもつすべての子どもと若者のための教育 (EFA)
  3. 雇用
  4. 東ティモールとアフガニスタン
  5. 当事者団体(SHO)
  6. 障害をもつ女性問題(WWD)
  7. 障害者の権利及び尊厳の促進及び保護に関する国際条約

B. 全体会議

  1. 社会問題局人口・社会統合課Jerrold Huguet氏による歓迎の言葉
  2. 2002年6月5~6日の第6回障害問題作業部会議事録の確認
  3. 議事録への質疑応答
  4. タスクフォースの活動報告
  5. 2004年12月までのBMF(びわこミレニアム・フレームワーク)実施に向けた具体的活動の報告(APDF、UNESCAP、APCD、DPI/AP、インクルージョン・インターナショナル)
  6. バンコクで2003年8月および10月に、また北京で11月に開催された第59回総会と障害者の権利および尊厳の促進および保護に関する国際条約のための地域会議に関するUNESCAPの報告
  7. その他

III.第6回障害問題作業部会議事録の確認

2003年6月3日にバンコクで開催された第6回障害問題作業部会の議事録が、小改正を加えたうえで採択された(添付の第6回会議議事録修正版参照)。

IV. 議事録への質疑応答

小改正後、第6回議事録への質疑応答はなかった。

V. 議題10:

タスクフォースの活動報告

議題に記載された7つのタスクフォースの短い報告が発表された。タスクフォース報告の全文は、付録IIに記載する。

a. 情報通信技術(ICT)

このタスクフォースはWSISの最新情報およびその障害者に対する貢献の可能性について報告した。報告は野村氏が行った。前回会議の後、数回の準備会合が開かれ、2003年7月開催の準備委員会会議後に原則宣言草案に第20b項が含められたが、同項は2003年9月に行われた第3回準備会合中に削除された。これは反対があったためではなく、文書を短くするためであったWSISの市民社会部門における障害に焦点を絞った努力と、世界中の障害者コミュニティの活発な運動により、ユニバーサルデザイン、補助技術とウェブ・アクセシビリティの水準等、障害者のニーズや要望に関する事項のコンセプトが、11月14日に原則宣言草案および行動計画草案のいくつかの項に盛り込まれた(付録IIIのWSIS草案の関連項目を参照)。最終ステートメントは、12月5~6日から高官レベルの準備会合により決定される予定である。WSIS会議中、サミットイベントとして、2003年12月10日にグローバル・フォーラムが開催される。

WSISについてのコメントとして、Monthianと宏の努力が認められたが、原則宣言と行動計画の実施と関連会議における障害者の代表が非常に限られていることに関する多大な懸念も表された。TWG-DCでは、障害者にとっての情報通信技術の重要性を世界のリーダー達に気づかせ、またWSISにおいてそれらリーダー達が承認し署名する主流文書に障害者の問題とニーズを盛り込むことにより、障害関連提案が活発に実施される良い機会となることを望んでいる。ICTタスクフォースは、BMFの優先領域Fに従い、TWGDCのICTタスクフォースが行うアジア太平洋諸国におけるICT分野での達成度調査をUNESCAPがサポートし、発表することを提案した。ICTタスクフォースのメンバーは、提案された調査の草案作成に関し、タスクフォースの明確なフォローアップ機構を持つべきであることに同意した。

b. 障害をもつすべての子どもと若者のための教育 (EFA)

タスクフォースは、EFAタスクフォースのメンバー数人が、2003年9月8日にIMPACT Arena Muang Tong Thaniで行われたUNESCOによる国連識字の10年のオープニングに参加したことを報告した。このイベントにおいて、Khun Panomwan Boontemが識字能力を身につけた経験と、若い聴覚障害者が教育を受ける上での障壁について発表した。身体障害者のための学校や盲学校の生徒が、夜の文化パフォーマンスで代表団を歓待した。EFAタスクフォースのメンバーは、バンコクで9月6~11日に開催されたユネスコ教育研究所(UIE)のCONFINTEA V 中間再検討会議にも参加した。 この会議は、成人および学校外教育に焦点を置いたものであった。テーマ別分野における進展について話し合うため、週末ワークショップが開かれた。1997年のハンブルグにおいては、障害者のニーズはまったく取り上げられていなかった。障害者のための教育に関する勧告が作成され、主会議において発表された。作成された勧告は、その当初の不適切な発表に対し激しい主張や反対があった後、最終的には『行動と説明責任の要求』および『最終報告』に盛り込まれた。

第5回全国EFAコーディネーター会議が2003年9月10~12日までユネスコにより開催された。EFAタスクフォースのメンバーはこの会議に積極的に参加し、障害を持つ子どもや若者たちの教育を受ける機会がきわめて限られているという深刻な状況、そして彼らを国のEFA計画に含めることの重要性について発表した。 BMFの教育目標と、それらの達成に向けた戦略が発表された。

教育の分野における第1次アジア太平洋の10年の成果が、2003年9月28日から10月2日まで南アフリカのダーバンで開かれた国際リハビリテーション協会アフリカ地域会議において発表された。この会議の一環として、子どものための国際生活機能分類(ICF)に関する作業部会と発表が行われた(EFAタスクフォースの6月の会議でPupulin氏により討議)。アフリカ障害者の10年において働いた人々と情報交換をし、『すべての人のための教育と障害者の権利:インクルージョンに向けて』に関する新しいフラッグシップのオスロ事務局に対し、アジア太平洋地域において同フラッグシップに関する地域作業部会の設立を検討するよう働きかける良い機会となった。さらにUNESCOのパリ本部に対し、UNESCOバンコク事務所のOlof Sandkullからも提案がなされていた。

EFAタスクフォースは、2003年11月14~15日にウガンダのカンパラで開催されたフラッグシップの運営委員会会議で間接的に代表を送った。障害を持つ子どもや若者の教育に関する問題についてのアジア太平洋地域における積極的な活動の結果として、アジア太平洋地域のための特別作業部会が設立され、世界中の各UNESCO地域において作業部会を設立すべきであるということが原則として合意された。市民社会そして政府も地域的フラッグシップ作業部会の目標を定め、これを達成するためにUNESCOと共に努力する必要がある。委任事項の草案が発表されたが、これは改良の必要がある。EFAタスクフォースが地域内においてフラッグシップと積極的に関わっていくことが望まれる。形成された追加作業部会には以下のようなものがあった:

  • 「すべての人に教育を」計画に関する特別作業部会
  • 統計と指標に関する特別作業部会
  • 能力開発に関する特別作業部会

c. 雇用

Debra Perry氏 (国際労働機関(ILO)) が、タスクフォースの前回会議議事録に起因する多少の混乱について説明し、議長がILO条約159号について説明を行った。

同氏は、ILO条約は締結されるのではなく批准されるのみであり、国連条約とは異なると説明した。また、ILO条約の批准制度は他の国連条約とは異なることについて詳しく述べた。ILO条約は締結されるものではないが、批准時に該当国は条約の条件を満たす義務がある。ILO条約は条件を付けることが認められないため、批准を行う国はその条約を全面的に受け入れることになる。

同氏は、条約に政策および活動措置の両方があることを説明した。批准国は、障害を持つ労働者に対する通常の労働者と同等の待遇と機会の提供に基づき、開かれた職場における雇用促進対策を含む職業リハビリテーション政策を有することが義務付けられている。そのプロセスを推進するために導入される特別措置は、他の労働者に関して差別的と思われるものにはならない。同氏はまた、政策や実施活動が、すべての障害者グループ、女性、男性および都市および農村地域を対象にしなければならないことも説明した。政策および活動の実施のために国が訓練を受けたスタッフを有することを保証することに関する措置もある。Perry氏は世界中で70以上の国が条約159号を批准し、そのうちオーストラリア、中国、日本、韓国、モンゴル、パキスタンおよびフィリピンの7カ国はこの地域(ILOによる地域の定義)内であることを報告した。

タスクフォースは、(i)2004年11月~12月に行われる予定の実務を中心とした1日間のワークショップ、(ii)Debra Perryを招集者とする、ワークショップの計画および実行のための作業部会の設立および(iii)設立されたが2003年6月には使用されなかったリストサーブの再生等、行動を中心としたフォローアップ活動に焦点を絞った。

同タスクフォースは、教育タスクフォースの活動について、またどこに職業訓練と教育を組み込むかについて議論がなされたことを報告した。それはこのタスクフォースと教育タスクフォースの両方の盲点となるのか?これは論じるに値する焦点であるということで意見が一致したため、議長がそのフォローアップを行い、教育タスクフォースの議長に話し合いを持ちかけることとなった。

法的措置とその効果に関して最近作業が行われていることが報告された。法律制定は差別の解消に関しては弱いが、積極的差別解消政策に関しては強力なものであったことが確認された。これは、将来より多くの注意を向けることが必要な分野であるということで意見が一致した。

最後に、同タスクフォースは、その権限を拡大し、貧困緩和問題(BMFの7番目の目標)にも適用し、小規模事業(自営業、小額の短期融資等)に特に重点を置くという決定を参加者に知らせた。

d. 東ティモールとアフガニスタン

(東ティモール)

CBR(地域に根ざしたリハビリテーション)に関する全国ワークショップが、2001年の上記ワークショップのフォローアップとして1月19日から20日にディリで開催される。このワークショップの目的は、障害者のエンパワメントと、能力開発である。国際リハビリテーション協会(RI)アジア太平洋地域委員会は、このワークショップ開催のために1万米ドルを寄付する予定である。香港・中国からのRI代表は、国連ESCAPのチームと共に、中心人物としてこのワークショップに出席する予定である。ワークショップ期間中、東ティモールはアジア太平洋の10年の44番目の調印国となり、2004年1月19日にその首都のディリにおいて、ESCAPの代表2名の出席の下に調印式が行われる予定である。2004年8月、DPIは東ティモールにおいて全国リーダーシップ・トレーニングコースを計画しており、この事業を通じて約30名に権限が与えられる。

(アフガニスタン)

2003年9月、UNESCAPは、アフガニスタン政府、殉職者障害者省(MMD)の要請により、障害問題に関する総合的国家政策の形成のため、カブールに代表団を派遣した。ナガタ・ケイはカブールに行き、同省のWardak大臣の特別顧問であるMajid氏(2003年10月末に同国を去っている)の率いるチームと共に働いた。同省は、カブールで2003年10月に開催された国家政策に関する第1回全国ワークショップを計画した。10月に行われたこの2日間の会議には、同国のすべての州から代表者(主に障害者)が出席し、アフガニスタンにおける総合的国家障害政策を策定した(UNESCAPホームページで閲覧可能)。

その結果作成された文書は、大臣に正式に提出されており、同国の公式政策としての総合的政策の最終版の発布過程をいっそう充実させるため、このワークショップのフォローアップが至急必要とされている。この政策の概要(草案)は、優先事項に関してはBMFと類似のものであるが、BMFの7つの優先分野の中で、(i)リハビリテーション、(ii)インクルージョン教育および(iii)障害者の雇用に特に重点が置かれた。

e. 当事者団体(SHO) 2002年10月に日本の大津で開催されたハイレベル政府間会合で採択された「行動のためのびわこミレニアム・フレームワーク(BMF)」が、2003年9月4日の国連ESCAP第59回総会において正式に採択されたことを、タスクフォースのコーディネーターが報告した。

タスクフォースのコーディネーターは、2003年8月にカブールにおいて、障害者の全国会議の編成を助けるための障害者インターナショナル(DPI)の第1回全国障害者リーダーシップ・トレーニングの計画にかかわった経験について話した。彼は、過去の長い戦争のため、多くのアフガニスタン人がまだ毎日自分が生きていくだけで精一杯であり、自分の日々の生活や利益に直接関係のない問題にはあまり関心がないようであったと述べた。DPIはそのようなトレーニングを計画することを有意義なことと考えていたが、それは非常に難しい仕事であり、長期間に渡って関連フォローアップを必要とした。しかし、アフガニスタンの障害者をサポートしようという直接的な行動は、リハビリテーションと福祉において強調されるべきものである。

f. 障害をもつ女性問題 (WWD)

障害をもつ女性問題(WWD)に関するタスクフォースの2度目の会合が開かれた。これは新しい議題だが、(あまりにも長い間無視されてきたため)BMFの最も重要なターゲットの1つであった。同タスクフォースは、バンコクにおいて2003年11月13、14日に、政府機関との協力により障害者インターナショナルのタイ支部が、第一回全国障害をもつ女性に関するワーク・ショプにおいてリーダーシップ・トレーニングセミナーを開催したことを報告した。様々な障害を持った20人の若い女性リーダーたちが、そのエンパワメントを進め、彼女たちが代表を務める当事者団体を発展させるため、Rachanukulインスティテュートで訓練を受けた。その報告は、(i)UNESCAPのジェンダー部門を通し、障害者とジェンダー組織を結ぶことによる、より広い障害をもつ女性問題ネットワークの確立、(ii) 障害をもつ女性問題を国連女性開発基金(UNIFEM) の政策とするための積極的努力、また(iii)アジア太平洋およびその他の地域における障害者団体(DPO)の障害をもつ女性問題に関する行動計画や国家報告のフォローアップおよび研究等、タスクフォースが計画するフォローアップ活動に焦点を置いていた。障害をもつ女性問題のタスクフォースと当事者団体タスクフォースの間の効果的調整および連携の問題が提起され、障害をもつ女性問題に関する独立したタスクフォースを残すべきであるということで意見が一致したが、ESCAP事務局に対し、障害をもつ女性問題タスクフォースと当事者団体タスクフォースのメンバーが、同じ会議室で引き続き両方のタスクフォース会議に参加できるよう、最適な後方支援を保証することが推奨された。

g. 障害者の権利及び尊厳の促進及び保護に関する国際条約

同タスクフォースは、バンコク草案および北京宣言の両方が、すでに特別委員会の議長に提出されており、そのコピーが国連社会開発委員会障害者問題特別通信員とニューヨークの国連経済社会局にも提出されていることを報告した。また、総会第3委員会において、作業部会に関する第2回特別委員会の決定が承認されたことも報告した。作業部会の第1回会合は、ニューヨークで2004年1月5~16日に開催予定である。特別委員会は2004年に2回(2004年5月と8月)開催が予定されており、各政府の代表団に障害者を完全に含めることが推奨されている。

同タスクフォースは、参加者との間で以下のような見解の一致を見た。

  • 多くの障害者は政府代表団に属していたが、そのほとんどは消極的であるか、または自分の意見を表すことを阻まれていた。積極的な参加が望まれる。
  • 北京セミナーは、障害に関する人権条約の確定に向けて前進する大きな一歩であった。
  • 中国とインドはそれぞれ、提案された条約に関する草案を作成している。ESCAPがそのコピーを入手した際には、そのウエブサイト上にこれをアップロードする予定である。
  • フィリピンはバンコク草案を正式に支持した。
  • 障害に関する人権条約の基本原則を守るべきではあるが、政府を説得するためには巧妙かつ柔軟であるべきである。詳細については、付録のタスクフォース議事録を参照。

VI. 2004年12月までのBMFの実施に向けた具体的行動計画の報告(APDF、UNESCAP、APCD、DPI/AP、インクルージョン・インターナショナル)

アジア太平洋障害フォーラム(APDF)

中西正司氏(APDF副会長) は、2003年11月26~28日にシンガポールで、アジア太平洋障害フォーラム(APDF)第1回総会が開催され、APDF規約が起草および承認されたこと、そしてAPDFの以下のような主な目的を紹介した。

  • BMFの実現を推進し、これに携わり、評価すること
  • 「障害者のおよび尊厳の保護及び促進に関する包括的かつ総合的な国連条約」の実現を推進する
  • 当事者団体の活動を推進する
  • 慈善に基づいたアプローチから権利に基づいたアプローチへのパラダイム転換を確実にする
  • 障害をもつ人に関わる諸問題について啓発・権利擁護活動を展開するAPDFは、『アジア太平洋障害フォーラム(APDF)設立会議2003 決議:シンガポール宣言』 と題した結果報告文書を作成した。

非政府組織に属するTWG-DCのメンバーは、APDFへの加入申請が推奨された。APDFは、地域内の国が順番に主催して、2年に一度大規模な地域会議を召集する予定であり、そのような会議の合間には一連の役員会が開催される。APDFの第1回役員会は、TWGDGの第8回会議(2004年6月15、16日)に先立ち、国連ESCAPの主催により2004年6月14日にバンコク(国連会議センター)で開催される予定である。現在2年間の任期でAPDF会長を務めているのはJudy Wee氏(シンガポール)であり、APDFの最初の事務局は東京に設置される予定である(松井亮輔氏/上野悦子氏、日本障害者リハビリテーション協会(JSRPD))。

BMFの目的および目標の効果的達成を推進するため、障害をもつ女性委員会、研究委員会、国際条約委員会など、いくつか委員会が結成された。

UNESCAP

UNESCAP事務局は、2004年および2005年のBMFの4つの最重要戦略分野である(i)障害統計およびBMFの実施のモニタリング(実施モニタリングに関する地域会議が2004年10月にバンコクで開催予定)、(ii)権利に基づくアプローチ(国際条約に関する数回のフォローアップ活動、年2回)および(iii)国の行動計画の策定(国の障害者政策に関する会議が2005年に開催予定)について報告した。7つの優先領域における目標の中で、2004年に中心となるのは、貧困緩和であり、国連ESCAPは、中国障害者連盟の主催による貧困に関する10日間の現場視察兼セミナー事業を計画している(2004年後半に中国で開催予定)。UNESCAPは、『能力に焦点を置き、多様性を称えよ:アジア太平洋障害者の10年、1993-2002年』と題した、地域内のPWGの成功談に光を当てた新しい出版物を近日中に発表する。

APCD

APCDからの代表者1名が、APCDの活動の3つの最重要分野であるネットワーク作りと連携、人材育成、そして障害をもつユーザーにとってアクセシブルな情報通信技術を含む情報支援について報告した。ACPDの人材育成(HRD)部門は、自立生活(IL)の促進、地域に根ざしたリハビリテーション(CBR)および障害者の当事者団体の運営・強化を通した障害者のエンパワメントに焦点を絞った。ネットワーク作りには、異なる地域間の南南協力の強化など、障害者、当事者団体、NGO、国連組織および機関との協働が含まれている。情報支援には、情報アクセシビリティーの促進、ウエブサイト、国のプロフィール公表および年4回のAPCDニュースレターの発行などが含まれる。

DPI/AP

DPI/APの代表者が、2004年内に予定される活動について手短に説明した。

2004年1月~12月

障害者インターナショナル・アジア太平洋の活動計画

国内活動

2004年1月26~30日 タイにおけるIL会議およびトレーニングワークショップ

2004年5月 カンボジアにおける当事者団体の運営・強化フォローアップ

2004年8月 東ティモールにおける障害者のための第1回全国障害者リーダーシップ・トレーニング

3月 ラオス障害者協会訪問および車いす補助

地域活動

2004年2月13~17日 ネパールにおける地域能力開発トレーニングセミナー

2004年4月 インドネシアにおける第3回障害をもつ女性の地域リーダーシップ・トレーニング

国際・地域協力

2004年6月  第8回TWGDC出席

APDF役員会出席

地域間協力

2003年12月8~13日 アフリカ南部における障害者の主流化とエンパワメント

2004年12月 アフリカ南部における障害者の主流化とエンパワメント(案)

インクルージョン・インターナショナル

太平洋地域およびインドネシアにおいて進行中の親のエンパワメントプログラムは、特にサモアとキリバスの当事者団体グループに関して良好な進歩を見せてきた。トンガにおける障害者調査に関する新しいプロジェクトの開始に伴い、現在10カ国が調査プロジェクトの対象となっている。この事業の最も有意義な側面は、政府との連絡および連携の強化であった。バヌアツにおいて当事者団体が政府を代表した直接の結果として、2003年8月の南太平洋年次首相会議において、障害者問題が始めて議題となった。包括的な報告書が作成され、集まったリーダーたちに提出されると共に、障害者に関する記載が最終声明書に盛り込まれた。

10月の条約に関するESCAPワークショップ(バンコクで開催)および条約に関するESCAPセミナー(北京で開催)への太平洋地域からの参加は、太平洋地域における障害者の国際条約へ向けた過程への積極的な取り組みを示すものであった。インクルージョン・インターナショナル(II)は、特別委員会の依頼により、作業部会のメンバーとして、知的障害者であるRobert Mertine氏(インクルージョン・インターナショナル、ニュージーランド)が選出されたことを何よりも喜んでいる。

障害をもつ女性に関するフォーラムと全体フォーラムが来週フィジーで開催予定である。インクルージョン・インターナショナルでは、当事者団体、親および障害者の積極的サポートを続けていく予定である。

第8回会議中の報告担当ボランティア

第8回障害問題作業部会 (2004年6月)において、Debra Perry氏がILOの活動計画について、またBill BrohierがICEVIとCBMの活動予定について手短に説明することが承認された。

VII. バンコクで2003年8月および10月に、また北京で11月に開催された第59回総会と障害者の権利および尊厳の促進および保護に関する国際条約についての地域会議に関するUNESCAPの報告

関連事項は上記項目ですでに取り上げたため、この議事における報告はなかった。

VIII. その他の事項

第8回障害問題作業部会程。APDFの第1回役員会(バンコク)直後の2004年6月15、16日にこの会議の開催を予定することで意見の一致を見た。ESCAPは、2004年6月14日にバンコクの国際連合会議場(UNCC)においてAPDF役員会を主催する予定である。

APDF。APDFがUNESCAPの採択のため、第2次(障害者の)10年のロゴを選ぶこと、また選択過程を2004年末までに最終決定することが合意された。

UNESCAPの10年ホームページアドレス。JSRPDは、BMFの普及に協力していくと報告し、事務局は、ウェブでJSRPDをBMFにリンクさせてはどうかと提案した。

ウェブサイトアドレス:

アジア太平洋障害者の10年、1993~2002年(第1次) http://www.unescap.org/esid/psis/disability/decade/index.asp

新 (第2次)アジア太平洋障害者の10年、2003~2012年および「びわこミレニアム・フレームワーク」

http://www.unescap.org/esid/psis/disability/index.asp

障害問題作業部会

TWGDCに関するESCAPのホームページ

http://www.unescap.org/esid/psis/disability/thematic/index.asp

TWG-DCに関するJSRPDのページ

http://www.dinf.ne.jp

APDFオンラインフォーラム

http://www.worldenable.net/bangkok2003/online.htm

(グループパスワード: ESCAPEGM)

TWGDCは、議長および副議長に対し感謝の意を表した。