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読みやすい図書センター(Center for Easy-to-Read)

解説

読みやすい図書センターは、スウェーデンの機関で、読むことに障害がある人々やスウェーデン語を使う習慣がこれまでほとんどなかった人達がニュースや文学にアクセスできるようにするために活動している。

主な対象グループとして、知的障害者、自閉症者、失語症者、ディスレクシアの(読み書きに困難がある)人、ろう者、高齢者、移住者、学童を想定し、読みやすい読書材料を提供して様々な問い合わせに答えていく援助体制をとっている。
活動は、行政法に基づいており、運営は販売収入と国の補助金で賄われている。スウェーデン政府は憲章を起草し、理事会メンバーを任命している。

読みやすい図書センターでは、「やさしく読める、分かりやすい」という考えのもとに、8ページの本及び新聞を出版している。読書指導員と共に、プログラムを通して、知的障害者の間に新聞や本に対する関心を呼び起こそうと取り組んでいる。ビデオやCD-ROMなど他のメディア向けの分かりやすいソフトウェアの開発にも参加している。
読みやすい図書は、シンプルに分かりやすく書かれたものになるようにしながら、同時に、文章と絵の組合せによって成人読者に相応しいものとなるよう様々な工夫をしている。 図書は、カタログや年2回発行の雑誌で紹介している。郵便で注文を受けて読みやすい図書センターから発送することも、普通の書店で買うことも、図書館で借りることもできる。他の出版社が出している読みやすい図書も一定程度マーケットに乗せ、販売している。 所長のブロール・トロンバッケ氏は、国際図書館連盟(IFLA)において、読みやすい図書に関するガイドラインを作成した中心人物の一人であり、読みやすい図書を国際的にも普及してきた実績がある。

日本障害者リハビリテーション協会では、「明日のデジタル放送に期待するもの」(2001年10月19日)、 「講演会 読みやすい(Easy-To-Read)図書とマルチメディアDAISY」(2008年5月29日)を開催し、トロンバッケ氏からご講演をいただいた。
当協会では、スウェーデンの読みやすい図書センターが出版したLL(lättläst)ブックを翻訳してマルチメディアDAISYをつけて『赤いハイヒール~ある愛のものがたり~(LLブック よみやすい本)』として出版しています。

なお、スウェーデン語のlättläst、英語のEasy-to-Readについては、 当協会では、「読みやすい」(または、ひらがなで、「よみやすい」)という訳語を使ってきましたが、 国内では、「やさしく読める」(「やさしくよめる」)、「やさしく読みやすい」(「やさしくよみやすい」)という訳語もよく使われています。 日本で出版されているLLブックの資料リストは、以下のページから見ることができます。