第3回アジア太平洋CBR会議

FACTORS OF VILLAGE HEALTH VOLUNTEERS WITH THE INTENTION TO LEAVE ELDERLY CARE IN URBAN DISTRICT, NAKHON RATCHASIMA PROVINCE, THAILAND
タイ、ナコーンラーチャシーマー県　における村のヘルス・ボランティアの高齢介護への離職意志の要因について

Author: Osamu Watanabe
Affiliation: ¹Morinomiya University of Medical Sciences, Department of Physical Therapy, Osaka, Japan

背景：タイは近年、社会的そして経済的な変化を経験している東南アジアの国である。タイでは高齢化社会の進行の結果、急激な人口統計学的変化に直面している。この人口統計学的変化に加えて、非伝染性疾患の有病率は増加しており、それらは死と障害の主要な原因となっている。

ヘルスワーカー(保健医療従事者)の需要が世界的に増大する状況において、ＷＨＯは途上国において保健医療従事者の不足を補うことに着目し、地域のヘルス・ワーカーは成功したヘルス・システムの適応範囲に対する鍵の要素として定義された。他のアジアの国々と同様に、タイでは村のヘルス・ボランティア（ＶＨＶｓ）は地域の人々とヘルスケアの専門職を橋渡しする人材とされている。急激な高齢化社会において、高齢者の介護における村のヘルス・ボランティア（ＶＨＶｓと記載）は、重要な役割を担うと期待されている。

しかしながら、ＶＨＶｓの増え続ける仕事の負担に伴い、コミュニティの最大の課題の一つは、ボランティアが彼らの役割を満足して継続することを保証することである。ＷＨＯによると、世界中のＶＨＶｓは高い離職率を示している。タイでも村のＷＨＶｓの高い脱落率が示されている。以前のタイで実施された研究ではマラリア予防で働くＶＨＶｓの６２％が離職の意思を示し、唯一２４％のＶＨＶｓが長期的に働く意思を示した。高い離職率はクライエントが求める良質のサービスを提供する組織の能力の妨げになる可能性がある。

けれども、少ない研究者がＷＨＶｓが高齢者介護をやめようとする要因を調査している。したがって、ＶＨＶｓが高齢介護の役割をやめようとする予測因子を見つけることが本研究の目的である。

目的：離職の意思と関連する要因との関係を調べること

方法：断面的記述的研究がおこなわれた。全体で415の自己管理質問票が2014年2月に配布された。2014年にカイ二乗検定と多重ロジスティック回帰分析がＶＨＶｓの離職意志の有意な予測因子を見つけるために用いられた。

結果：大よそ1/３（33.5％）のＶＨＶｓはボランティアをやめようとしていた。他の要因を調整すると、優位な予測因子は以下であった。：ボランティアの期間(AOR: 2.69, 95% CI= 1.33-5.40)、他のＶＨＶｓへの責任(AOR: 2.40, 95% CI= 1.38-4.18)、欠席の頻度(AOR: 2.25, 95% CI= 1.28-3.95)、そして仕事への満足度(AOR: 5.62, 95% CI= 2.26-13.99)

結語：ＶＨＶｓが高齢者介護をやめよとする意志を減らす鍵となる、もっとも有意な要因はボランティアの満足であった。

提案：働く場所での支援の向上や仕事の満足度を向上させる奨励金がＶＨＶｓの離職意志を減らす結果となるであろう。

キーワード：村のヘルス・ボランティア（ＶＨＶｓ）、高齢者介護、離職の意思

Ethics approval　/倫理承認: COA.No. 2014/005.0601 The comittee for research ethics (Social Sciences), Mahidol University, Salaya, Phutthamonthon, Nakhhon Pathom 73170 Thailand.

スライド１
（スライド１の内容）