[WHO] 非感染性疾患とメンタルヘルスに関する世界宣言を採択

2025年12月16日、世界保健機関(WHO)は第80回国連総会において、世界各国の指導者により、非感染性疾患(Noncommunicable diseases(NCDs))とメンタルヘルスの課題に取組む歴史的世界宣言が採択されたことを発表しました。この宣言は、「公平性と統合:非感染性疾患に関するリーダーシップと行動およびメンタルヘルスとウェルビーイングの促進を通じた生活と生計の刷新」と題され、NCDsとメンタルヘルスの両課題に言及した世界初の宣言となり、2030年までの具体的な世界目標を掲げています。

NCDsは、世界中で毎年1,800万人もの人々を早世させる要因となっており、メンタルヘルス疾患も10億人以上に影響を与えていると言われています。不健康な食生活や喫煙、アルコール摂取、運動不足などからNCDsは引き起こされますが、これらの要因はメンタルヘルスにも悪影響を及ぼすとされるものです。

世界各国で、NCDsとメンタルヘルス疾患は増加しており、公衆衛生としての課題だけでなく、持続可能な経済成長や生産性の側面からも緊急性の高い課題とされています。これら課題に対峙するため、本宣言では2030年までに達成すべき測定可能なファストトラック成果目標を3つ設定しています。

  • 喫煙者を1億5,000万人削減する
  • 高血圧をコントロールできる人を1億5,000万人増やす
  • メンタルヘルスケアへのアクセスを1億5,000万人増やす

上記3つの成果目標を各国が達成できるよう、本宣言では国家システムに関するプロセス目標も掲げられました。以下に一部の目標を示します。

  • 最低80%の国が、政策、立法、規制、財政措置を講じること
  • 最低60%の国が、NCDsおよびメンタルヘルスサービスの費用負担等の措置を実施していること
  • 最低80%の国が、NCDsおよびメンタルヘルスに関する他部門に渡る国家計画を運用すること

本宣言の対象範囲は、新型コロナウィルス感染症の世界的流行の教訓を踏襲し、新たな世界的課題への対応を盛り込んでいますが、前例のない、これまでで最も包括的かつ広範な政治宣言となります。例えば、初めて取組む課題には以下のものが含まれます

NCDs分野口腔衛生、小児がん、肺疾患、肝疾患、腎疾患、希少疾患等
環境要因大気汚染、有害化学物質等
デジタル被害のリスク過度のスクリーンタイム、有害コンテンツ、偽情報のリスク等

また、本宣言はNCDsおよびメンタルヘルスを健康課題としてだけでなく、持続可能な開発と社会正義を確率するための中心的柱として位置づけており、市民社会、若者、障害者など様々な経験を持つ人々を巻き込み、政府主導だけではない、社会全体で取組むことの重要性を強調しています。

WHOは、世界中のあらゆる人々に影響を与え、世界で最も切迫した健康課題に対応する本宣言が、新たな時代の幕開けのための第一歩となることを期待しているとしています。

詳しくは下のサイトをご覧下さい。(笹子)
https://www.who.int/news/item/16-12-2025-world-leaders-adopt-a-historic-global-declaration-on-noncommunicable-diseases-and-mental-health