施設などの実践をサビ児管研修テキストにどのように生かすか?
「新ノーマライゼーション」2026年3月号
社会福祉法人本庄ひまわり福祉会
本名靖(ほんなやすし)
当法人は2021年2月から埼玉県の認可を受けて「強度行動障害支援者養成研修」を実施しています。しかし支援の現場では、研修での学びを実施しても、うまくいかない等の思いを持っている受講者が多くいることがわかりました。
強度行動障害児者を全体的に理解することの難しさは、「特異な行動」「特異なコミュニケーション」「生い立ち(生育の経過)」等の行動の背景を理解することが難しいことに原因があると思われます。その結果、意思の確認が取れず、関わりに時間を要し、特異な行動が定着してしまう。支援者の困惑は対象者を理解できたかどうか確証が持てず、個別の支援が適切かどうかで悩んでいる状態でした。
利用者の理解が適切になされなければ、個別支援計画も手順書も適切かどうかわかりません。支援を実施し、その経過を評価し、再計画し、また評価することの繰り返しで、支援が適切になっていくものと思われますが、それには多くの時間がかかります。その時間を担保することと、継続的に利用者を見ていくことが支援者には求められます。
そこで当法人では、強度行動障害支援者養成研修を受けた方を中心に継続研修を実施しています。実際の場面で困っていることを取り上げ、継続的に研修する機会を持つことで、現場の困難を少しでも解消しようとしています。
サビ児管研修にも同じことがいえると思っています。研修を受けても、自分が作成した個別支援計画が果たして利用者にとって正解となっているのかどうかで悩むサビ児管が多くいると思います。私は個別支援計画の作成の評価基準は正解、不正解ではないと思っています。評価の基準は「本人にとって適切な計画かどうかを繰り返しサビ児管が考えたかどうか」なのだと思っています。
特に意思決定支援が叫ばれていますが、「意思の確認が困難な利用者」が存在しています。この利用者の意思をどのように受け取るのか、サビ児管はとても悩むと思います。利用者にとって最善となる意思確認体制を構築することが求められますが、支援者としてはその人の意思を受け取りたいという思いは捨てられません。これまでの支援がその方の意思をつくるような支援であったのか?という後悔はありますが、それでもその方の思いがどこにあるのかでサビ児管は悩みます。その利用者との付き合いが長ければ長いほど、自分はこの利用者の何を見てきたのか、この利用者との関係は本当にとれているのか、このような悩みを抱き続けることがサビ児管としての資質であると思っています。
この点をテキストで十分に伝えられたら良いテキストができあがると思っています。サビ児管が作成する個別支援計画は「誰のためのものなのか」を支援員全体で共有し、計画作成の前に「本人の思い・価値観」「生活の歴史」「強み」等を確認しましょう。個別支援計画は単なる書類ではなく、「本人の意思決定の結果から出来上がる」という共通認識をテキストで強調できればと思っています。そして、テキストで伝えきれない部分や継続的な研修を全国サビ児管協議会が担うことになると思っています。