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30年のあゆみ

日本障害者リハビリテーション協会30年、戸山サンライズ10年

NO.1

写真 総裁 常陸宮正仁殿下並びに同妃殿下

総裁 常陸宮正仁殿下並びに同妃殿下


歴代会長


顔写真 高木憲次

高木憲次 1950(昭和25)年~1963(昭和38)年

顔写真 生悦住求馬

生悦住求馬 1963(昭和38)年~1979(昭和54)年

顔写真 太宰博邦

太宰博邦 1979(昭和54)年~1993(平成5)年

顔写真 山下眞臣

山下眞臣 1993(平成5)年~

巻頭の言葉

顔写真  山下 眞臣

日本障害者リハビリテーション協会(以下、リハ協と略す)設立30周年、戸山サンライズ創設10周年にあたり、記念誌「30年のあゆみ」を発刊することになりました。
リハ協30周年を前にした咋年、当協会の発展に大きな貢献をなされた初代会長生悦住求馬先生、前会長太宰博邦先生を相次いで失いました。誠に痛惜の念に耐えません。
リハ協の草創期の思い出や業績を知る人も少なくなり、記億の薄れないうちに記念誌をということになり、板山副会長を委員長として玉木修氏、今野文信氏等の協力を得て企画編集をすすめました。
編集に当たっては30年の歴史を‘法人設立’までの前史と‘法人設立から国連・障害者年’までの草創期、そして‘「国連・障害者の十年」と「アジア太平洋障害者の十年」の今日’までの発展期に3区分してあります。とくに前史については、わが国のリハビリテーションに指導的役割を果たしてこられた高木憲次、小池文英先生ら先覚者のご貢献を記録としてとどめたいと考えました。これらは日本のリハビリテーションの歴史を知るうえで貴重な記録となりましょう。
わが国はこの半世紀、経済的にも社会的にも飛躍的な発展をみました。
そして国民の意識の中に障害者・高齢者が社会を構成する一員であり、‘共に生きる’という意識が芽生え、それが社会の仕組みを変えていこうという動きとなって拡がってまいりました。
また、21世紀の長寿社会への対応が急がれておりますが、その基本は全ての市民が豊かな生活を送ることができる社会の実現にあるといえましょう。
「国連・障害者年」が目指した‘FORからOFへ、そしてWITHへ’というノーマライゼイション理念の浸透と全ての人々の可能性を確信するリハビリテーション理念の発展充実は‘万人・共生の社会づくり’の基礎といえましょう。
協会設立30周年、戸山サンライズ創設10周年を機に初心にたちかえり、先人の偉業に学びつつ新時代のわが国障害者リハビリテーションの開拓、推進のために努力してまいる所存であります。
おわりに執筆・編集に当たられた各位に心からの感謝を申し上げます。

平成6年8月 盛夏
財団法人 日本障害者リハビリテーション協会
会長 山下 眞臣

祝辞

顔写真  厚生大臣      井出 正一

財団法人日本障害者リハビリテーション協会が創立30周年を迎えるに当たり、心からお祝い申し上げます。
貴協会におかれましては、昭和39年に設立されて以来、幅広い事業を展開しながら、障害者のリハビリテーション事業の振興に多くの実績を上げてこられました。
関係者のこれまでの御尽力に対しまして、心から敬意を表する次第であります。
貴協会の主な実績を拝見いたしますと、総合リハビリテーション研究大会を毎年開催され、機関誌、研究誌の発行及び国際シンボルマークの普及等の事業を通じ、障害者のリハビリテーションに関する啓発・普及を図ってこられました。また、障害者の生活環境の向上、社会参加への支援及び重度障害者の自立生活の援助等に関し、貴重な調査研究を積み重ねてこられました。
さらに、国際的活動に目を向けてみますと、国際リハビリテーション協会を中心として、国際交流・国際協力活動を促進するとともに、アジアの障害者のリハビリテーション指導者の受入研修や、アジア大平洋地域を中心としたリハビリテーション従事者行動ネットワークヘの協力を積極的に進めてこられました。
とりわけ、1988年に我が国で初めて開催されました第16回リハビリテーション世界会議は、貴協会が中心となって尽力された結果、93か国から2,800名の方々が参加され、大きな成果を収めましたことは、記億に新しいところであります。
また、貴協会に運営をお願いしてまいりました全国身体障害者総合福祉センター戸山サンライズが、相談・研修事業の実施及び宿泊利用を通して、多くの障害者その他の関係者にとりまして有意義に活用されましたことは、私の大きな喜びであります。
ところで、我が国の障害者福祉は、1981年の国際障害者年と、これに続く国連・障害者の十年を経て着実に進展し、また、咋年からはアジア太平洋障害者の十年が始まるとともに、障害者対策に関する新長期計画が策定され、心身障害者対策基本法が障害者基本法へと改正されるなど、新たなぺ一ジが開かれたところであります。
障害者の福祉を更に実のあるものとしていくためには、行政施策を充実していくとともに、障害者や関係団体が、その活動に主体的に取り組むことのできる体制と環境を整備することが必要であります。
また、アジア太平洋障害者の十年に関する諸施策を推進していく上で、我が国の各国に対する協力と支援が不可欠であります。ここでも民間協力の分野に大きな期待が寄せられるものと考えます。
このような中で、幅広い関係者が集い、障害者福祉推進の中核として活動されている貴協会に対する期待は極めて大きいというべきであります。
最後に、貴協会の一層の御発展を心から祈念いたしまして、私のお祝いの言葉とさせていただきます。

厚生大臣
井出 正一

祝辞

顔写真  労働大臣  浜本 万三

財団法人日本障害者リハビリテーション協会の設立三十周年に当たり、心からお祝いを申し上げます。また、貴協会が受託運営されている全国身体障害者総合福祉センター「戸山サンライズ」も開設十周年を迎えるとのことであり、併せてお慶び申し上げます。
国内外における障害者のリハビリテーションに関する調査研究を行うとともに、国際的連携を強化し、障害者のリハビリテーション事業に寄与することを目的として設立されました貴協会が、数々の事業を実施しつつ、その設立から三十周年を迎えられましたことは、まことにご同慶にたえません。
この間、国際的にも「国際障害者年」、「国連・障害者の十年」の取り組みなどを経て、昨年からは「アジア太平洋障害者の十年」が始まっております。こうした中で、国際リハビリテーション協会の日本支部として、貴協会が果たして来られた役割は大きなものであったと思います。
また、障害者の社会参加に関するこれらの国際的な機運の盛り上がりに対応して、我が国においても、「障害者対策に関する長期計画」に基づく施策の推進や、最近においては「障害者対策に関する新長期計画」の策定、「障害者基本法」の制定など、施策のさらなる充実の歩みが始められています。
障害者の社会参加を考えるとき、職業を通じた社会参加の促進は、その重要な課題の一つであります。労働省といたしましても、この新長期計画や「障害者雇用対策基本方針」に基づき、重度障害者に最大の重点を置き、障害の種類及び程度に応じたきめ細かな対策を総合的に推進し、障害者の雇用の促進に一層努めていくこととしております。
とりわけ、先般改正されました障害者雇用促進法に基づき、就職が困難な重度障害者の職業的自立を図るため、市町村レベルで雇用部門と福祉部門の連携を図りつつ、個々の障害者の特性に応じたきめ細かな職業リハビリテーションを実施する「障害者雇用支援センター」の設置の促進、拡充された助成制度の活用による通勤・住宅、福祉施設など障害者をとりまく職業生活環境の整備の促進に努めてまいりたいと考えております。
終わりに、この設立三十周年を契機として、貴協会が障害者のリハビリテーションに一層寄与し、ますます発展されることを祈念いたしまして、お祝いの言葉といたします。

労働大臣
浜本 万三

祝辞

顔写真  国立身体障害者リハビリテーションセンター  総長 初山 泰弘

「日本障害者リハビリテーション協会」30周年、「戸山サンライズ」開設10周年おめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。
「戸山サンライズ」は、在京の視力障害・身体障害・聴力言語障害など国立の3センターを統合し所沢に移転するに当たり、国立身体障害センターの更友会を中心とした同窓会からの要請に基づき旧センター跡地に開設されたものです。
国立身体障害センターは昭和24年に相模原から新宿の戸山町に移り、東洋一の規模を誇るわが国の代表的国立更生援護施設として全国から入所者を受けいれ、身体障害者に対する自動車運転訓練などを含む多面にわたる社会復帰訓練と共に、義肢装具製作技術者、理学療法士、作業療法士など関連職種の研修などを実施していました。
しかし昭和40年代に入ると、障害者問題は国際的な規模で取り上げられ、対象となる障害像の変化に伴い、施設設備・サービスの内容なども新たな対応が求められるようになってきました。このような背景の中で国立総合リハビリテーションセンター構想が具体的に検討されるようになりました。
当時、センターは、修了生にとって、友を作り、中には将来の伴侶を得るなど、社会復帰後も「心の故郷」として思い出に残る施設でした。毎年の同窓会には、技術指導を受けた恩師やケースワーカーのもとに、遠方から多くの修了生が集まりました。センターの周辺も、障害を持つ人々に配慮した喫茶店、蕎麦屋、居酒屋など、街のそこ此処に行きつけの店があり、入所者と職員が話し合える環境も備わっていました。
このような条件は、他の二つのセンターも同様であったと思います。そのセンターが無くなるのは、修了生にとってまさに母校を失う淋しさに似た想いがあったに違いありません。国立リハビリテーションセンター・マスタープラン検討会の報告が提示された前後に、同窓会から厚生省に対して跡地利用についての要望がありました。
資料によると第1回の厚生省との会合が昭和38年に開かれていますので、その後開設にいたるまでの約13年間、同窓会と厚生省との間で話し合いが繰り返され、その結果、国立身体障害者リハビリテーションセンターの分室という意味をも含め、旧国立身体障害センター跡地に「戸山サンライズ」が設立され、その運営を「日本障害者リハビリテーション協会」に委託されることになりました。
この「戸山サンライズ」は、敷地は千坪あまりですが、東京の都心部に、社会復帰の原点として障害者のための何かを残しておきたいという同窓生の熱意と、それに応えようとした行政側はじめ関係者の方々の長期間にわたるご努力の結果実現したものです。
私は、戸山サンライズの10年間の運営をも含め、この間の関係者の皆様のご努力に対して深い敬意を表したいと思います。
現在も1年おきに同窓会が開かれていますが、このほか東京に出てくると自然にここに来てしまうという修了生もいます。また多くの障害者関係の行事に利用されているほか養護学校の修学旅行などにも活用され、まさに障害を持つ人々のための施設としての意味は十分に生かされていると思います。今後も全国の障害者の大切な福祉センターとして更に充実することを期待いたします。
「日本障害者リハビリテーション協会」は、まだ日本肢体不自由者リハビリテーション協会の時代でしたが、昭和40年に「第3回汎太平洋リハビリテーション会議」開催時に関係したことがあります。当時、私は「整肢療護園」(現:心身障害児総合医療療育センター)に勤務しておりましたので、小池文菜園長の指示で海外からの講演者を羽田まで出迎えにいくなど準備を手伝いました。レセプションで葛西嘉資、太宰博邦、小島蓉子、Donald Wilson(敬称略)などの方々が出席されていました。‘当時大学の整形外科医局から派遣されていた私は、大会の意義も十分理解しえないまま終わってしまいましたが、その後、再びこの分野に身を置くようになって4半世紀が過ぎようとしております。
リハビリテーションの黎明期にご努力をされた方々が去っていかれる中で、私は「日本障害者リハビリテーション協会」は、国際的な障害者問題の日本のNGOの窓口・牽引車となって欲しいと思います。とくに世界人口の6割近くを占めているアジア地域の障害者問題と深い関係をもって欲しいのです。アジアの国々を訪れるたびにわが国は本当に恵まれた国であると実感いたします。この恵みをアジアの国々の人々と共有するための方策の一つとして、日本の障害者支援活動があります。そのNGOの窓口としての役割を強化して欲しいと思っております。またそれを「日本障害者リハビリテーション協会」に望む声は海外でも多く聞かれます。
海外の障害者問題に対する技術支援は国立身体障害者リハビリテーションセンターにとっても命題の一つであります。今後とも「日本障害者リハビリテーション協会」と強い協力関係を保ちつつ障害を持つ人々に対する支援を具現化していきたいと思っております。
「日本障害者リハビリテーション協会」、「戸山サンライズ」のますますのご発展をお祈りし、お祝いの群といたします。

国立身体障害者リハビリテーションセンター
総長 初山 泰弘

祝辞

顔写真  国際リハビリテーション協会  事務総長 スーザン・パーカー

日本障害者リハビリテーション協会の設立30周年、戸山サンライズの開設10周年、おめでとうございます。国際リハビリテーション協会のジョン・ストット会長と役員を代表致しまして、貴協会のますますのご成功をお祈り申し上げます。

貴協会が長年、リハビリテーションの推進役とさらに国際運動の優れた擁護者として活躍していることが、アジア・太平洋地域をはじめ世界中の注目の的になっております。
また、東京開催の第16回リハビリテーション世界会議が最大の成功を収めたのは、日本障害者リハビリテーション協会の実績がきわめて素晴らしいことを意味しています。世界会議の成功は、障害の種類、理念やリハビリテーション分野にかかわらず、「完全参加と平等」の目的実現が追及されている折り、貴協会が日頃行っているリハビリテーション活動による幅広い貢献そのものを表しているといってもよいでしょう。
戸山サンライズを併設した貴協会の構想は、障害者への使命を反映していると思います。
再度、国際リハビリテーション協会は貴協会のますますのご発展を心から念じております。

国際リハビリテーション協会
事務総長 スーザン・パーカー

祝辞

顔写真  国連ESCAP事務局長  ラフューデン・アーメド

日本障害者リハビリテーション協会が設立30周年、全国身体障害者総合福祉センターが開設10周年を迎えるにあたって、心からお祝い申し上げます。
日本障害者リハビリテーション協会は1964年の設立以来、内外ともに障害者リハビリテーションの先駆けであります。これまでに、総合リハビリテーション研究大会、リハビリテーション専門雑誌や会報の発行、社会啓発促進運動など全国的な規模の事業を手掛け、また、国際的には国際リハビリテーション協会の一員として情報の交換や人材の交流を積極的に推進し、障害者の主体性を支援するためにリハビリテーション分野の研修コースや会議を行っています。
最近では、日本障害者リハビリテーション協会が、とくにアジア太平洋障害者の10年推進NGO会議作業委員会の事務局として地域協力に重点を置く活動を行っていることは賞賛に値することであり、地域協力活動の事務局として、アジア太平洋障害者の10年(1993年~2002年の掲げる「完全参加と平等」)の推進に尽くす日本障害者リハビリテーション協会の貢献は意義深いものがあります。
障害者の状況の改善において日本障害者リハビリテーション協会が行っためざましい数々の実績からみて、新・障害者の10年の導入の支援に関するESCAPとの協力関係が今後とも強化されていくことを期待しております。
祝辞とともに、アジア太平洋障害者の10年における日本障害者リハビリテーション協会のますますのご活躍とご成功を祈念しております。

国連ESCAP事務局長
ラフューデン・アーメド

リハ協30周年に寄せて

顔写真、日本障害者雇用促進協会会長 岡部晃三

私どもの日本障害者雇用促進協会は、設立直後の昭和52年に日本障害者リハビリテーション協会(以下リハ協会という)の加盟団体となった。それからの18年間、ますます密接な連携を頂戴しながら今日に至っている。現在、日本障害者雇用促進協会(以下日障協という)の役員1名がリハ協の理事に就任しており、また、私もリハ協の顧問に名を連ねさせていただいている。またリハ協の国際委員に日障協の職員4名が就任している。
これまでもいろいろの交流があった。昭和55年に設立された(財)国際身体障害者技能競技大会日本組織委員会の理事に、当時の太宰博邦リハ協会長に御就任願った。昭和56年には、当時の堀日障協会長が、リハ協の天皇陛下80歳記念「障害者リハビリテーション基金」運営委員会委員としてお手伝いに上っている。また昭和61年には、日障協が千葉県幕張に設置する障害者職業総合センター構想を検討するため、「障害者総合職業対策調査研究委員会」を設けた際には、太宰博邦リハ協会長に委員長に御就任いただいた。
このように、日障協はリハ協と緊密な関係を持たせていただいているが、とりわけリハ協がリハビリテーション・インターナショナル(RI)の日本における窓口であることから、RI関連の国際分野でいろいろ御助言を頂戴している。
日障協がはじめてRIと正式にコンタクトを持ったのは、昭和54年ソウルで開かれた第6回RIアジア太平洋地域会議の際である。当時、日障協が中心となってつくられた国際身体障害者技能競技大会開催準備委員会(後の(財)国際身体障害者技能競技大会日本組織委員会)が、昭和56年の国際障害者年を記念して、第1回の国際アビリンピックを東京で開催することを計画していた。アビリンピックとは、障害者が旋盤、洋服、写真植字、電子機捺組立、パソコンなど多くの職種ごとに技能を競うもので、アビリティとオリンピックの合成語である。日本国内では長年の経験があるが、それを国際規模でやろうというわけである。そこで、その開催について、RI加盟団体主要関係者と意見交換を行う必要が生じたのである。
リハ協のお力添えもあって、ソウル会議の直後に当時のRI事務総長ノーマン・アクトン氏が来日し、嬉しいことにRIとして第1回国際アビリンピックを共催することが決った。昭和55年、カナダのウィニペグでの第14回RI世界会議には当時の堀日障協会長が出席し、本会議でアビリンピックのPRの演説をした。昭和56年10月の東京での第1回国際アビリンピックは、世界から56か国850名が集まり、成功であった。RIからは当時のハリー・ファン会長、アクトン事務総長はじめ、多数の関係者が出席した。
そして同年末のブダペストで開かれたRI総会で、日障協のRIへの加盟が。正式に承認された。それ以来、RI総会には日障協代表は欠かさず出席し、またRIの各種専門委員会にも職業委員会をはじめとして積極的な参加を心掛けている。
RIとの関係は次第に深まり、日障協も毎年1万ドルの会費を分担するに至った。昭和63年東京でひらかれた第16回RI世界会議の際は、当時の加藤孝日障協会長が大会副会長として参加するとともに、相当数の日障協役職員が大会事務局スタッフとして運営に加わり、リハ協の皆さんのお手伝いをした。
私自身についていえば、平成5年のアトランタでのRI総会、平成6年のブタペストでのRI総会にリハ協の皆さんと一緒に参加し、世界の障害分野関係者と意見交換ができたのはまことに有意義であった。とくに私の場合、現在国際アビリンピック連合の会長を兼ねているのだが、その運営委員会をRI総会に合わせてひらくので、一石二鳥である。
最後になったが、リハ協の30年の歩みは我が国の障害者対策の黎明期の歴史そのものであり、心から敬意を表するものである。この30年の間に、障害者のリハビリテーション事業の振興と障害者の自立に尽力されたリハ協の功績はまことに大なるものがある。とりわけ「国連障害者の10年」や「アジア太平洋障害者の10年」をめぐって、いろいろの面で主導的な役割を果たされたことは賞賛に価いする。中国古典に「我、十有五にして学を志し、三十にして立つ」。リハ協の今後ますまずの御発展を祈念してやまない。

日本障害者雇用促進協会
会長 岡部 晃三

30周年を祝う

顔写真  日本アイ・ビー・エム株式会社  取締役 園田 善一

財団法人日本障害者リハビリテーション協会が輝かしい発展をとげられ、めでたく創立30周年を迎えられたことをお慶び申し上げます。
貴協会が、国内外における障害者のリハビリテーションに関する調査研究を行うと共に、国際的連携を強化し、障害者リハビリテーション事業に寄与することを目的として設立され、大変な成果をあげておられますことは誠にご同慶の至りであります。
日本アイ・ビー・エム株式会社は「社会への貢献」を経営理念の1つに掲げてまいりましたが、貴協会の設立趣旨に賛同致しまして、その初期の段階から資金的なご支援をさせて戴いてまいりました。その一例としてリハビリテーション交流セミナーのような催しをあげることができます。
また、資金的援助に加えて当社は貴協会に昭和56年から62年の間、延べ5人の社員を事業のお手伝いに出向させて戴きました。
このことにより、貴協会の有意義な事業を弊社社員が身をもって体験させていただくことができ深く感謝しております。
最後になりますが弊社といたしましては、ささやかな予算の範囲内で精一杯の貢献活動を行わせて戴きましたことに感謝いたしますと同時に、貴協会のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。

日本アイ・ビー・エム株式会社
取締役 園田 善一

創立30周年を祝う

顔写真  財団法人 広げよう愛の輪運動基金   理事長 駒井 茂春

合掌 財団法人日本障害者リハビリテーション協会の創立30周年を心よりお祝い申し上げます。
思えば、1981年の国際障害者年を契機に、私共は太宰博邦先生はじめ多くの方々のご指導を賜って、以後10年間にわたり、(財)日本障害者リハビリテーション協会(以下「リハ協」とさせて頂きます。)との共催事業として「ミスタードーナッツ障害者リーダー米国留学研修派遺事業」を続けさせて頂きました。この間90名の障害をもった若者が海を渡り外国から先進の福祉を学んで帰国されました。その後もこの事業は「リハ協」のご後援を賜り継統してダスキン企業集団全体の支援のもとに発展させて頂いて、今年第14期を数えております。
私共の財団は、実に「リハ協」によって育てられ現在もなお、さまざまなご指導を賜っています。昨今NGOの活動に大きな期待が寄せられておりますが、我が国におけるNGOの中心的指導者として「リハ協」は障害者福祉の面で重要なお役目を担っておられます。
21世紀の社会福祉に、日本国内にとどまらずアジア・太平洋地域、ひいては世界的な視野で、障害者のリハビリテーションにますますのご貢献をお祈りして、30周年のお祝辞とさせて頂きます。
ありがとうございました。 合掌

財団法人 広げよう愛の輪運動基金

理事長 駒井 茂春
(株式会社ダスキン代表取締役会長)

もくじ

総裁 常陸宮正仁殿下

歴代会長

巻頭の言葉

財団法人日本障害者リハビリテーション協会会長  山下 眞臣

祝辞

厚生大臣  井出 正一

祝辞

労働大臣  浜本 万三

祝辞

国立身体障害者リハビリテーションセンター総長  初山 泰弘

祝辞

国際リハビリテーション協会事務総長  スーザン・パーカー

祝辞

国連ESCAP事務局長  ラフューディン・アーメド

リハ協30周年に寄せて

日本障害者雇用促進協会会長  岡部 晃三

30周年を祝う

日本アイ・ビー・エム株式会社取締役  園田 善一

創立30周年を祝う

財団法人広げよう愛の輪運動基金理事長  駒井 茂春

30年誌刊行に寄せて

日本障害者リハビリテーション協会と高木憲次先生

  津山 直一

太宰博邦先生と日本障害者リハビリテーション協会

   竹内 嘉巳

「国際障害者年」を契機とするリハ協活動の展開について

  板山 賢治

日本障害者リハビリテーション協会の30周年を祝して
-特にその国際活動の側面について-

  上田 敏

30周年に寄せる

  調 一興

リハ協の活動にかかわって

  小川 孟

歴史の一コマの中に

  三津 義一

思い出すままに

  岩崎 貞徳

日本障害者リハビリテーション協会とともに

永井 昌夫

国際リハビリテーション交流セミナー事業へのかかわり

  徳澤 實

思い出のままに

  宗石 文男

素晴らしい方々との出逢い

  奥野 英子

RIと第16回リハビリテーション世界会議の開催

  中島 和

「障害者リーダー米国研修派遣」の思い出

  井窪 由紀子

第1部 日本障害者リハビリテーション協会の沿革

1 財団法人設立までのあゆみ

国際協会への加盟/国際協会日本国委員会の発足/高木会長が国際協会副会長に

2 国際リハビリテーション協会の沿革

戦前のあゆみ/戦後のあゆみ/組織

3 国際障害者年までの活動(1964年~1980年)

(1) 財団法人として発足

(2) 国際会議・セミナーの開催

第3回汎太平洋リハビリテーション会議の開催/汎太平洋リハビリテーション会議の開催

(3)国内研究会、セミナー等の開催

身体障害者福祉研究会の開催/日本障害者職業リハビリテーション研究会の発足/リハビリテーション交流セミナーの開催/障害者福祉都市セミナーの開催

(4)定期刊行物の発行

国際リハビリテーションニュースの発行/リハビリテーション研究の発行

(5) 日本障害者リハビリテーション協会研究会の発足

(6) 障害者リハビリテーションに関する啓発・普及事業の実施

国際シンボルマークの普及/「リハビリテーションの10年」の普及/「80年代憲章」の普及

4 国際障害者年以降の活動(1981年~1993年)

(1) 障害者リハビリテーション振興基金の創設と総裁宮殿下の推戴

障害者リハビリテーション振興基金の創設/総裁宮殿下の推戴

(2)  国際障害者年への取り組み

国際障害者年日本推進協議会への協力/ふれあいの生活広場の開催

(3) 国際リハビリテーション交流セミナーの開催

(4) 「国連・障害者の10年」での取り組み

第7回アジア太平洋リハビリテーション会議への参加/国際障害者レジャー・レクリエーション・スポーツ大会の開催/第15回リハビリテーション世界会議への参加/第8回アジア太平洋リハビリテーション会議への参加/第6回ISPO世界会議の開催/第9回アジア太平洋リハビリテーション会議への参加/第17回リハビリテーション世界会議への参加

(5) 総合リハビリテーション研究大会の開催

(6) 第16回リハビリテーション世界会議の開催

会議の準備/会議の概要

(7) 国内外研修事業の実施

障害者リーダー米国留学研修派遣事業の実施/障害者リハビリテーション指導者養成研修の実施

5 研究・出版活動

(1) 調査研究活動

車いす工業標準に関する研究/身体障害者の適職に関する研究/諸外国における身体障害者雇用対策の研究/中途障害者の継続雇用の促進/中途障害者の雇用実態と継続雇用の方策-脳血管障害者/工程解析技法による職域拡大/聴覚障害者の就労実態と職場適応/身体障害者に対応した移動システムの開発研究/工程解析技法による重度身体障害者の職域拡大の研究/障害者の余暇活動に関する調査/諸外国の障害者対策の推進状況等に関する調査/障害者の外出、移動における意識調査/東南アジア地域リハビリテーション実情調査/外国人が見た日本の障害者政策調査/欧米における障害者対策の動向に関する調査/障害者のための国際シンボルマークに関する調査

(2) 長寿社会福祉基金事業による調査活動

障害者リハビリテーションに関する調査・研究事業

(3) 出版活動等

定期刊行物/書籍/映像関係

6 「アジア太平洋障害者の10年」と展望

「アジア太平洋障害者の10年」の決議/「アジア太平洋障害者の10年」の推進

7 年表

第2部 全国身体障害者総合福祉センター(戸山サンライズ)の概要

あいさつ

  苅安 達男

創設の頃を振り返って

  池堂 政満

建設奮じん記

  齋藤 松夫

10周年に寄せて

  比留間良夫

戸山サンライズのこと

  村田 稔

戸山サンライズ10周年に寄せて

  内田 昭則

戸山サンライズでの「型破り」の2年4か月

  茅野 宏明

10年前のこと

  富田 イト子

1 全国身体障害者総合福祉センター「戸山サンライズ」の概要

(1) 概要

(2) 事業の実施状況

ア 相談事業

イ 養成・研修事業

ウ スポーツ・レクリエーション事業

エ 教養・文化事業

オ 情報提供・啓発事業

「戸山サンライズ情報」(月刊)の発行/点字版情報誌の発行/リハビリテーション情報の収集と研究資料の提供

カ  社会参加等への支援事業

施設の利用状況/リフトバスの利用状況/各種イベント

資料編

1.「障害者リハビリテーション振興基金」の造成状況

2.財団法人日本障害者リハビリテーション協会寄付行為

3.役員名簿

4.元役員名簿

5.会員団体一覧

6.賛助会員一覧

7.財団法人日本障害者リハビリテーション協会組織一覧表

8.事務局職員配置経過

9.財団法人日本障害者リハビリテーション協会決算額年度別推移

10.国際リハビリテーション協会への分担金納入状況

11.戸山サンライズ組織の変遷

12.戸山サンライズ職員名簿

13.戸山サンライズ年度別収支決算状況

14.戸山サンライズ10年の推移

あとがき


主題・副題:

30年のあゆみ

日本障害者リハビリテーション協会30年 戸山サンライズ10年

発行者:

財団法人日本障害者リハビリテーション協会

〒162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1

TEL 03-5273-0601 FAX 03-5273-1523

頁数:巻頭 17頁 本章 1頁~127頁

発行年月:平成6年11月30日