2024年3月21日、レベルアップ・住宅・コミュニティ委員会(Levelling Up, Housing and Communities Committee)は、「選挙人登録に関する報告書(Electoral Registration – Report)」を公表しました。同委員会は、以前は住宅・コミュニティ・地方自治体委員会(Housing, Communities and Local Government Committee)という名称でした。この委員会は、レベルアップ・住宅・コミュニティ省の政策、管理、支出を精査しており、下院に設置されています。
英国では、2022年の選挙法改正により、2023年5月の地方選挙の選挙人登録から、有権者ID(運転免許証やパスポート等の顔写真付きの証明書を要求)や有権者認証証明書を必要とするようになりました。しかし、これらの新たな変更に伴い、適切なIDを持たない個人が投票できないことや、限られた種類のIDしか許可されないことなどの問題がありました。そこで、委員会は、この問題を取り上げ、政府に対し改善を求めたものです。
選挙管理委員会の世論調査報告書によると、1万4,000人が新しい要件のために投票できなかったとされていますが、実際は全体の有権者の4%、約740,000人が投票できなかったと推計されています。特に、障害者や失業中の有権者は、新しいIDの獲得に苦労する可能性が高かったとしています。 障害者については、アクセシブルなコミュニケーション方法により制度の変更を伝えていないことを問題とし、選挙管理委員会は、登録をより簡単かつアクセシブルにするための効果的な方法を調査すべきであるとしています。
詳しくは下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://committees.parliament.uk/publications/43968/documents/217860/default/